「足跡追及」訓練でにおいを嗅ぐジャーマンシェパード「モニ(フサフサ号)」とハンドラーで警視庁鑑識課警察犬係の立石彩水巡査長=2025年11月5日、東京都東大和市 昨年11月上旬、東京都東大和市の警視庁の警察犬訓練所には、生き生きと尻尾を振りながらにおいを追うジャーマンシェパード「モニ(フサフサ号)」の姿があった。訓練所に「配属」されて約4カ月がたち、徐々にハンドラーとの息も合うように。一人前の警察犬を目指し、本格的な訓練に励んでいる。
モニとペアを組むハンドラーの立石彩水巡査長(30)は「以前は独りで遊び、私が動いても追い掛けてくれなかったが、今では一緒に走り回ってはしゃぐようになった」とほほ笑む。
昨秋からは、関係構築を目的としたボール遊びだけでなく、ハンドラーの指示に従う「服従」や、遺留品のにおいから犯人の逃走経路を割り出す「足跡追及」の訓練も始めた。警察犬として現場デビューを果たすには、これらの検定に合格する必要があるという。
足跡追及訓練では、ハンドラーは芝生の上を歩いて自身のにおいを付けつつ、一定の間隔で餌を配置し、通った道筋通りに進ませる。
単に餌に釣られているようにも見えるが、餌はあくまで意欲をかき立てるための「ご褒美」で、実際はハンドラーの体臭や踏まれた草のにおいを追っているという。2〜3歩の短い直線から徐々に距離を伸ばし、カーブや右左折にも対応できるよう訓練を重ねる。
この日、モニが取り組んだのは30歩の直線だ。立石巡査長がにおいを付ける間、柱につながれたモニは「早く始めたい」とばかりにほえてアピール。号令がかかると一目散に駆け寄り、地面に鼻を近づけて慎重ににおいを嗅ぎ、見事ゴールにたどり着いた。
警察犬係に通算15年以上在籍するベテラン流茂紀警部補(55)によると、ハンドラーはペースを崩さないように、犬の後ろをついて歩くことが重要だ。「リードを引いたり踏んだりしてしまうと、犬は間違えたかと思い自信をなくしてしまう」といい、リードを緩めるよう指導した。
続いて行われた服従訓練。モニは立石巡査長の顔をじっと見詰め、「座れ」「伏せ」などの号令に機敏に反応した。この10日間ほどで「跳べ」の号令でハードルも跳び越えられるようになったという。
一方で集中力が切れ、地面のにおいを嗅ぎ始める場面も。流警部補は「モニは捜索意欲が高く、足跡追及(の能力)はさらに伸びるだろう。その半面、服従訓練では苦労するかもしれない」と話した。
日々、地道に訓練を重ねるが、数分前にできたことができなくなることもしょっちゅう。立石巡査長は「私のちょっとした動きが違うのだと思う。自分ではまだ気付けないので流警部補に指導してもらい、常に同じ形でモニに伝えられるようにならないと」と気を引き締める。
記事内容を紹介する動画はこちら https://youtu.be/1RWm8dewurU?si=hBImYeMKljdT4yxz。

「足跡追及」訓練のため、自身のにおいを付けながら餌を置いていく警視庁鑑識課警察犬係の立石彩水巡査長(手前)と指導する流茂紀警部補=2025年11月5日、東京都東大和市

ハードルを跳び越えるジャーマンシェパード「モニ(フサフサ号)」と号令を掛けるハンドラーで警視庁鑑識課警察犬係の立石彩水巡査長=2025年11月5日、東京都東大和市

警視庁鑑識課警察犬係の立石彩水巡査長=2025年11月5日、東京都東大和市

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