
「こんな面接を何度もさせられる就活生はかわいそうだな」――。これは、AI面接ツールの検証動画を視聴した筆者の正直な感想だ。
アイティメディアが運営する動画サイト「TechLIVE」では、3社のAI面接ツール「SHaiN(シャイン)」「PeopleX(ピープルエックス)」「Zキャリア」を比較検証した。また、自称“就活オタク”のトイアンナ氏が、就活生向けにAI面接ツールの攻略法を紹介した動画も公開している。2本の動画を視聴しながら、「自分が学生だったらどう感じるだろう」と考えた。
※下記の関連記事などにある【動画】もしくは【完全版】では、記事中に登場した動画を視聴できます。
AI面接では、学生はひたすら質問に回答し続けることになる。質問の深掘りを繰り返すAI面接ツールもあるが、通常の面接と比べて双方向性は弱い(詳細は動画を参照)。それゆえ、AI面接を受けた後に精神的に疲労してしまうケースもある(参考記事:「情報を吸われるだけの時間だった……」 AI面接ツールで採用試験を受けた27歳会社員が“げんなり”したワケ)。
|
|
|
|
現在、アイティメディアで記者として働いている筆者は、約20年前に就職活動を経験している。メガバンク、鉄道会社、メーカーなど幅広い業種の採用面接を経て、東海地方のメーカーに就職。その後、転職して記者の仕事をするようになった。
当時は、Webからエントリーシート提出→WebでSPIなどの適性検査(筆記試験をするケースもあり)→人事部や若手社員による面接→役員クラスの最終面接→内定という流れが多かったと記憶している。
こうした経験を踏まえ、AI面接ツールの最新状況について知ると、リアルな人間と面接するメリットが見えてくる。
例えば、「私は学生時代、ハリーポッター研究会を立ち上げました」とアピールしたとする。人間の面接官だったら身を乗り出して「え? 何それ?」と興味を持って聞いてくれるかもしれない。逆に、面接官があまり関心を示さなかったとすれば、学生は「もっと違うことをアピールしよう」「アピールの仕方が悪かったのかな?」といったことを考える材料が得られる。このように、社員と直接コミュニケーションすることで、社風の違いなどを肌で感じられる。
一方、動画で登場したAI面接ツールの反応は全体的にそっけない印象を受ける。3社のAI面接を受けたアイティメディアの編集記者が「一方的に情報を吸われるだけの時間だった」という感想を抱くのもうなずける。
|
|
|
|
●学生の意識は?
現在の学生は、AI面接についてどのような意識を抱いているのか。
リクルートマネジメントソリューションズが発表した「2026年卒大学生就職活動調査×採用CX調査」によると、AI面接を受けた経験のある学生は26.8%という結果に。AI面接を理由に選考を辞退した学生は44.1%だった。AI面接について、学生の多くが人の面接と比べて「誠実さ」を感じにくいと受け止めている実態が明らかになった(出所:AI面接は「誠実さ欠ける」可能性、辞退経験4割超 企業が効率化すべきポイントは?)。
マイナビは2025年5月に「2026年卒 大学生キャリア意向調査」を発表している。この調査結果によると、AI面接によって受験意欲が下がると回答した学生は約8割だった。
現在、就活全体を見渡すと、学生の売り手市場となっているので、AI面接を導入する企業は、こうしたマイナス面を補う工夫が求められている(公開された動画では、いくつかの案が提示されている)。学生に人気の大企業などでは、AI面接を導入してもそれほど採用に影響は出ない可能性もある。就活シーンにおける自社の立ち位置を勘案した対策が求められそうだ。
|
|
|
|
キリンホールディングスやソフトバンクなどで導入が進んでいるAI面接ツール。企業にとっては、「採用面接のコスト削減」「エントリーシートで落としていた学生の面接情報を入手」といったメリットがある。
PCの前でAIの質問にひたすら回答→「不採用」のメールで落胆というシーンが一般的になる日が近付いている。
※下記の関連記事などにある【動画】もしくは【完全版】では、記事中に登場した動画を視聴できます。
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2026 ITmedia Inc. All rights reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。