イメージです。※画像生成にAIを使用しています 夕方のスーパーで買い物中に起きた、割り込みをめぐる口論——。誰もが出くわしかねないこの場面で当事者になった北海道在住の優香さん(仮名・47歳)は、「マナー違反を咎める側も余裕を失っていた」と振り返ります。
当時、現場で何が起きていたのか。そして私たちにできる“ちょっとした余裕”とは?
◆長蛇のレジ列、いら立つ客たち
家の近くにあるスーパーで買い物をしていた優香さん。店では「支払いだけセルフ」の方式が導入されたばかりでした。平日18時ということもあり、利用客は高齢者や主婦が中心。セルフレジの操作に慣れない人が多く、レジ前には10人以上の列ができ、空気はピリピリしていました。
「私の後ろにはスーツ姿の30代くらいの会社員の男性が並んでいて、二人とも5分以上ほとんど動けずにいました」
◆横から“スッ”と現れた高齢女性
ようやく優香さんが次というそのとき、横の棚から杖をついたおばあさんがふいに現れ、優香さんの前に無言でカゴを置いて割り込みました。驚いた優香さんが声を出す前に、背後の30代くらいと思われる男性が強い口調で言います。
男性「ちょっと、おばあさん! みんな並んでるの分からない? 最後尾あっちだよ」
おばあさん「棚を見てたから、ここが最後だと思ったのよ。カゴは1つだけなんだし、いいじゃない」
男性「みんな早く会計したいけど並んでるんだよ。自分勝手なこと言わないで並び直せよ!」
おばあさんは「怖い人ねぇ」と独り言のようにつぶやき、動こうとしません。優香さんの心臓はバクバク。そこへ若いアルバイト店員が気づき、「あちらの列へお願いします」とおばあさんを促してくれました。
「一件落着かと思いきや、おばあさんは大きくため息をつき、カゴを置いたまま店を出て行ってしまったんです」
周囲の客の中には男性の注意に小さくうなずく人もいましたが、怒鳴り声にビクッとする人も。男性自身もその後レジを乱暴に操作し、場の空気はさらに張り詰めました。
「割り込みはマナー違反。でも怒鳴る姿も怖くて、早く逃げたい一心で支払いをしてすぐ店を出ました。今は、すいている時間帯に利用することにしています」
◆“心の余裕”が場を救う
優香さんは出来事を振り返り、「マナーを守る人も指摘する人も、ほんのひと呼吸置くだけで状況は変わったかもしれない」と語ります。
「マナーを守らない人とそれを過剰に攻撃する人の双方がいることで、公共の場の居心地がどんどん悪くなっている気がします」
公共の場でのマナーは、誰か一人の正義ではなく、一人ひとりの小さな自制心で保たれているのかもしれません。
殺伐とした空気の中で誰かを責めるエネルギーを使うより、自分自身の余裕を大切にしたい。そんなふうに、自分の振る舞いを見つめ直したくなるエピソードでした。
<構成・文/女子SPA!編集部>
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