「何もやってへん」涙の父=遺族が無念晴らし、墓前に報告誓う―日野町事件

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2026年02月25日 21:02  時事通信社

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時事通信社

阪原弘さん(左・阪原弘次さん提供)
 「何もやってへん。お前らだけは信用してくれ」。阪原弘さんは逮捕前日、警察の取り調べで脅しを受けて「自白」したと家族に明かした。泣いていた父の姿は、長男弘次さん(64)の目に今も焼き付いている。

 弘次さんによると、父は子煩悩で、家族全員から慕われていた。被害者の経営していた酒店にもよく足を運んでいたが、金銭的に困っていたわけでもなく、にぎやかな酒席が好きな人だった。

 1988年3月の逮捕前日、「我慢できなかった」と自白に転じたことを打ち明けた。取り調べで否認を続けていた父に、警察が「娘の嫁ぎ先をガタガタにしてやろうか」と迫ったことが理由だったという。刑事から暴行を受けたとも話し、「ひどいもんや」と憤っていた。

 無実の訴えも通じず、無期懲役が確定。刑務所での暮らしは長期に及んだ。「帰れんかも分からない。元の生活ができるかも分からない」とどんどん弱気になっていく父を励ましに、家族は交代で接見に通った。

 2011年3月、逮捕から23年間にわたり身柄を拘束されたまま、父は75歳で生涯を閉じた。刑務所から渡された所持品は段ボール2箱分。「2箱だけってあまりにも悲しい。このままではいかんという思いになった」と、再審請求に踏み切ったきっかけを振り返る。

 18年7月、大津地裁が再審開始を決定。記者会見した際に花束を受け取ったが、本来もらうはずの父はいなかった。「名誉を回復し、再審無罪を勝ち取って墓前に報告したい」。公開の法廷で無念を晴らす機会がようやく訪れた。 

阪原弘さん(阪原弘次さん提供)
阪原弘さん(阪原弘次さん提供)

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  • 警察はこの頃より、さらに怠慢で無能で、アホな組織に成り下がってます。
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