【解説】「報復の最大のカードは原油」イラン攻撃で日本経済への影響は? 日米首脳会談が迫るなか高市政権の判断は?

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2026年03月01日 20:30  TBS NEWS DIG

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アメリカ・イスラエルによる攻撃でイランの最高指導者ハメネイ師が死亡しました。イランが報復宣言を行い、緊張が高まるなかで懸念されるのは、中東に原油の9割以上を依存する日本への影響です。
日米首脳会談も迫る中で、高市政権はどのような判断に至るのか。
室井祐作・政治部デスクが徹底解説します。

【画像で見る】「報復の最大のカードは原油」高市政権の判断は?

イランにいる日本人の退避に全力 イスラエル側にも1000人程度

駒田健吾キャスター:
日本への影響について考えていきます。日本政府の現時点の反応はどうでしょうか?

政治部 室井祐作 デスク:
高市総理は2月28日夜、記者団に対して、イランだけではなく、バーレーンやカタール、クウェート、UAEなどの周辺国の日本人の安否情報の確認と、経済などへの影響を全て洗い出すよう関係閣僚に指示したと話しました。

まず日本政府として、イラン国内にいる200人程度の日本人の退避に全力を尽くすことになると思います。外務省によると、ほとんどの方と連絡は取れていて、退避に向けて移送手段をどうするか、個別に意向を確認している状況です。

外務省によると、報復攻撃を受けているイスラエル側にも1000人程度の邦人がいるということです。日本政府は2025年6月の交戦の時も、ジブチにC2輸送機を待機させていたので、今回もおそらくジブチに、自衛隊の輸送機を緊急派遣する準備も進めています。

備蓄は数か月分…イランの最大カード「原油」 問題解決なるか

政治部 室井祐作 デスク:
日本にとって何よりも気になるのは、ホルムズ海峡が封鎖されることによる経済への影響だと思います。日本は原油の輸入先の9割が中東で、依存しています。つまり、この地域の封鎖期間が長ければ長いほど、大きな影響が出る可能性があります。

最高指導者を暗殺されたイランにとって、報復の最大のカードは原油です。日本国内の石油の国家備蓄は、民間備蓄も含めて数か月程度(1年分に満たない)しかありません。つまり、数か月以内にこの問題が解決できるかということが経済的に大きな鍵を握ると思います。

2月28日に、NSC=国家安全保障会議が開かれましたが、安全保障だけではなくて経済や金融など、全ての影響について今もまさに分析をしている状況だと思います。

日米首脳会談を控え「軍事行動」への評価避ける日本政府

駒田健吾キャスター:
国連の緊急会議では、各国が激しく応酬する中、日本政府としては25年6月の12日間戦争でも軍事行動に対しての評価は避けています。今回もそうでしょうか?

政治部 室井祐作 デスク:
28日夜、木原官房長官と茂木外務大臣は全く同じ表現で「イランによる核兵器の開発は決して許されない」と発言しました。「アメリカとイランの対話を通じた協議自体を強く支持してきた」と言っており、今回のアメリカの軍事行動についての評価は避けています。

今後、3月19日に日米首脳会談がアメリカで行われます。ここで最大の焦点になるのが、高市総理が今回のアメリカの軍事行動に対して支持をするかどうかです。

日本は非常に微妙な立場で、1953年の日章丸事件を契機に、イランに対して、おそらく西側諸国の中で最も良好な独自のバランス外交を築いてきました。

2019年には、安倍総理が日本の現職首脳として初めてハメネイ師と面会したということがありました。当時は第1次トランプ政権で、イランの核合意から離脱して、両国の軍事衝突の危機が高まったため、日本が仲介役として買って出たくらい、日本とイランの関係は良好でした。

そのため今回も、G7の外相会談で茂木外務大臣は日本政府の立場として「イランによる核兵器は決して許されない」という表現にとどめています。3月19日の日米首脳会談で、高市総理がアメリカの攻撃に対して、どのような表現で支持を表明するかということは注目しています。

駒田健吾キャスター:
高市総理としては難しい立場ですが、様子を見るしか選択肢がないという状況でしょうか?

政治部 室井祐作 デスク:
今のところは状況を注視していますし、やはりG7各国との足並みを揃えることになると思います。
しかし、3月19日の日米首脳会談が迫っているので、アメリカとしては日本に同調圧力をかけてくるのか、アメリカがどう出てくるのか。日本としては悩ましいことになっているのだと思います。

「高市総理に緊張を解きほぐしてほしい」イラン政府関係者

駒田健吾キャスター:
イランから見ると日本は、いいイメージがあると日本でも伝えられていますが、どうなのでしょうか?

齊藤貢 元イラン大使:
やはりイランは日本に対して親近感を持っていて、期待感があると思います。

2月の衆院選の後、東京でイラン政府の関係者に会った時、高市総理は大勝をして、国内政治だけではなく外交でもフリーハンドを持ってるはずだから、緊張を解きほぐすために日本としても何かしてもらえないかと言っていたのが印象的です。

駒田健吾キャスター:
現地で子供が100人以上亡くなっている現状もあるので、これ以上の戦火を望む国はないと思いますが、果たして日本に何が出来るか。高市総理の立場からするとなかなか動きづらいというのが現状なのでしょう。

このニュースに関するつぶやき

  • 米・イスラエルは、イランが核開発を全放棄する迄、攻撃を止めない。
    • イイネ!1
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