画像提供:マイナビニュース●第1編成は埼玉西武ライオンズをイメージしたデザインに 西武鉄道は10日、山口線「レオライナー」新型車両「L00系(れおけい)」のメディア向け車両撮影会を実施した。L00系は2025〜2027年度に全3編成を導入し、山口線の全車両を更新予定。埼玉西武ライオンズをイメージしたデザインの第1編成は3月27日から運行開始する。
同社の山口線(西武球場前〜多摩湖間)は1985年に新交通システムとして開業以来、8500系(通称「レオライナー」)を使用してきた。L00系は8500系の代替として、約40年ぶりに導入する新型車両となる。山口線の3駅を象徴する頭文字の「L」(西武球場前駅は「Lions」、西武園ゆうえんち駅は「Leisure」、多摩湖駅は「Lake」)と、山口線沿線の可能性が無限大であることを示す「00(∞)」を組み合わせて「L00系」とし、車両と路線の愛称である「レオライナー」にちなんで、車両形式の読み方を「れおけい」とした。
製作会社は三菱重工。アルミ合金製車体の4両編成(TC1-M1-M2-TC2)で、列車編成長は34m。連結面間長さ8,500mm(車体長さ8,100mm)、車体幅2,420mm、最大高さ3,340mm。自重は先頭車(TC1・TC2)10.2トン、中間車(M1)10.5トン・(M2)10.4トン。設計最高速度60km/h、加速度3.5km/h/s、減速度(常用最大)3.5km/h/s・(非常)5.0km/h/sとのこと。
編成ごとに異なる車両デザインを施すとしており、第1編成はベルーナドームを本拠地とする埼玉西武ライオンズをイメージ。先頭車両(L11・L41)の車体側面にライオンズ公式マスコット・レオのマークを大きく配置し、中間車両(L21・L31)も「Lions」のロゴをダイナミックにあしらった。内装もライオンズをイメージした配色を採用している。
既存の8500系はクロスシート主体の座席配置だったが、L00系はロングシート主体の座席配置に変更。最大乗車人員を約10%向上(1編成あたり8500系は396人、L00系は436人)させ、ベルーナドームや西武園ゆうえんちといった大規模レジャー施設への輸送力強化を図る。乗車定員については1編成あたり144人(先頭車両は座席12人・立席20人の計32人、中間車両は座席16人・立席24人の計40人)とされている。L00系の座席はセミハイバック・バケットシートを採用。横揺れに対するホールド感を高めたという。
優先席は各車両に2席ずつ設置。先頭車両の最前部に「kids SEAT(キッズシート)」を設け、大人1名・こども1名が着席できる座席幅とすることで、前面窓からの眺望を親子で楽しめるようにした。中間車両にショーケースも設置し、さまざまな展示を通して「ベルーナドームや西武園ゆうえんちに向かうワクワク感を高める車内演出」を行う。車いす・ベビーカー利用者向けのフリースペースも全車両に設けている。
乗降ドアは開口幅を拡大し、混雑時でも乗降りしやすくしたほか、ガラス窓を大きくして眺望性と開放感を高めた。ドア上のLCD表示器は1車両あたり2カ所設置し、多彩な情報提供で車内サービス向上を図る。リアルタイムに映像を確認できる通信式防犯カメラは1車両あたり2カ所設置。車内照明および車体前面・側面の行先表示器はLED化された。車外の各ドア付近に、乗降時の安全を確認するための車側カメラを設置している。
車側カメラの映像は運転席上部の3連モニターに映し出される。車両情報管理装置(A-MVCS)の導入により、モニター画面を正面に2画面設置した先進的かつ使いやすい運転台となっており、速度計などの機能に加え、運転支援・保守支援機能も備えたモニターで運行をサポートするという。事故や列車運行への妨害行為など発生した際の状況確認・原因究明を目的として、ドライブレコーダーも搭載。列車運行中の前方・後方映像を記録する。
台車は衝撃緩衝装置を備えたボギー台車(MHI方式)により、横方向の揺れが少ないマイルドで優しい乗り心地を実現するほか、信頼性とメンテナンス性も向上。集電装置は軽量化に加え、ばね構造も見直し、すり板の長寿命化とメンテナンス性の向上を図った。主電動機は三相かご形誘導電動機(110kW)、制御装置は2レベル電圧型VVVF制御方式(1C2M制御方式)。オイルフリースクロール式の電動空気圧縮機により、騒音・振動も低減するとしている。●「レオライナー」新型車両L00系、車内・外観の写真公開! 西武山口線は西武球場前駅、西武園ゆうえんち駅、多摩湖駅の3駅を結び、ベルーナドームや西武園ゆうえんちといった大規模レジャー施設へ向かうアクセス路線の役割を担う。平常時は比較的落ち着いた輸送だが、イベント開催日などは多くの利用者で混雑する。
新たに導入するL00系はロングシート主体の座席配置で、最大乗車人員を約10%増加させたことからも、イベント開催時の輸送力確保を意識した設計であることがうかがえる。一方で、車内にショーケースや「kids SEAT」を設置するなど、単なる移動手段にとどまらない演出も取り入れた。イベント等で乗車する利用者に向けて、列車に乗る時間そのものが「レジャーの始まり」となるような体験を意識した車両といえるかもしれない。
L00系の第1編成は山口車両基地へ搬入後、今春の運行開始に向け、走行試験や乗務員訓練など実施してきた。プロ野球の公式戦開幕日と同じ3月27日にデビューし、「ベルーナドームへ応援に足を運ぶお客さまのワクワク感」を引き立てる新たな車両として運行。デビュー後、「西武線アプリ」の列車走行位置画面でL00系の走行位置を表示するサービスも行う予定だという。L00系に関連したグッズ(フェイスタオル、アルミプレートなど)も販売する。
2026年度に導入する第2編成のデザインも決定しており、山口線沿線にある西武園ゆうえんちの夜空や花火、イルミネーションをイメージした、華やかで楽しい時間を想起させるデザインを採用した。なお、L00系第1編成の導入にともない、現在使用している8500系のうちV1編成(8501編成)を置き換えるとのことだった。(MN 鉄道ニュース編集部)