「琵琶湖の水止めたろか?」→本当にできる? 近畿の有名ジョークを真面目に検証した同人誌が面白い

5

2026年03月15日 12:00  ねとらぼ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ねとらぼ

同人誌『「琵琶湖の水止めたろか?」を考える』

 先日、豪雪で有名な地方に行く機会がありました。もうすっかり道の雪が溶けているのを見て驚いた私に、地元の方が遠くに見える真っ白な山を指しながら、「こちらの雪が少なくても、山の方にたっぷりあれば水は大丈夫なんですよ」と教えてくださいました。生活と水はどこでも強く関係していますね。今回は、水と暮らしに関するご本です。


【画像】誌面の試し読み


今回紹介する同人誌

『「琵琶湖の水止めたろか?」を考える』B5 58ページ 表紙カラー・本文モノクロ


著者:Nasupl


近畿地方おなじみのジョークを考察

 冒頭では豪雪地帯の話をしましたが、こちらのご本は近畿地方の水源にまつわるジョークを取り上げています。それは「琵琶湖の水止めたろか?」というもの。日本最大の湖である琵琶湖は滋賀県にあり、その水の流れは滋賀県から京都府、大阪府、兵庫県につながっています。


 このジョークは広く知られていて、これまでさまざまな所で取り上げられてきましたが、ご本では琵琶湖の役割として水の供給の現在をまとめ、治水の歴史にも触れながら、本当に止められるか? があらためて考察されています。


「止めたろか?」と言われたらなんて返事する? コミュニケーションにも着目

 ご本では、土木工学、歴史的な視点の見解とともに、このジョークが放たれる会話についても着目されているのが特徴的です。滋賀県民としてのアイデンティティーが前提にある上で、「琵琶湖の水止めたろか?」と発せられたら、受け止める側はどのような返答をするのが妥当なのでしょうか。


 それを検討するため、ご本では5つのパターンを示しています。答えは「止められても困らへんよ」でしょうか? それとも「沈むのは滋賀やけどな」? もしかしたら「あなたにその権限はない」? ……本当のところ、会話ではもちろんどんな返しをしても自由ですよね。ですが、ご本では返答が現実と照らし合わせて可能かどうかといった点と一緒に、その会話がコミュニケーションとして機能しているかを大切にされているのがうかがえます。


 ジョークとして発せられた言葉は、場を和ませ、人と人との関係を円滑にしてこそ……そんな優しいまなざしから、ベストな返答の仕方が模索されていきます。


「水止めたろか」から水と人との暮らしが見える

 会話をするときにも、それは本当にあり得るのか、という点がベースになっているように、ご本の後半ではいよいよ琵琶湖の水を止めることはできるのか? の実現の可能性について書かれます。水の流れるトンネルや浄水場の検証から、作者さんが現地に足を運んで考えを深めていった様子が分かります。


 そして、水が本当に止まったら? と、「琵琶湖の水止めたろか?」の先にまで思いをめぐらされており、最後の項目は防災について言及しています。みんなが面白おかしく受け止める言葉には、人が安全に暮らしていくための視点が詰まっている―― そんな奥深さを感じさせてくれる一冊でした。


サークル情報

サークル名:Nasupl


入手できる場所:BOOTH


次回イベント参加予定:コミックマーケット108(申し込み中)


X:@Nasupl_r



このニュースに関するつぶやき

  • 全国で売られてるミネラルウォーターの4割は、山梨県で湧き出る水。「ミネラルウォーター止めたろか?」とはさすがに聞いたことないけどw
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(3件)

アクセス数ランキング

一覧へ

話題数ランキング

一覧へ

前日のランキングへ

ニュース設定