『鬼滅』『【推しの子】』に並んで『BLEACH』が海外で人気のワケは? 「マンガIP市場調査2025報告会」レポ

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2026年03月20日 18:00  リアルサウンド

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MANGA総研代表の菊池健氏【左】、サクラス株式会社代表取締役の池上真之氏【中】、MANGA総研・研究員でエンタメ社会学者の中山淳雄氏【右】

 一般社団法人MANGA総合研究所(以下、MANGA総研)による「第2回マンガIP市場調査2025報告会」が2026年3月9日(月)に開かれ、MANGA総研代表の菊池健氏・同研究員でエンタメ社会学者の中山淳雄氏・サクラス株式会社代表取締役の池上真之氏が登壇した。


【写真】出版業界人が多く参加 「第2回マンガIP市場調査2025報告会」


 MANGA総研は、日本のマンガ・アニメなどのIP(注・IP=知的財産)のグローバル市場規模の調査や、国際カンファレンス「IMART」の企画・運営などを行なっている(2024年設立)。代表者の菊池健氏を中心に、マンガ業界のニュースまとめや、電子コミックの歴史、市場の現在地についてのセミナーなども行っている。第2回マンガIP市場調査報告書2025のサマリーや購入方法などの詳細はこちらをご覧いただきたい。


■世界に広がる日本のマンガIP


 周知の通り、現在、日本のマンガIPは、アニメ化や実写化だけでなく、ゲーム化、グッズ化、ライブエンターテインメント化など、多岐にわたる展開を見せており、翻訳版のコミックスをはじめ、海外での市場も無視できない状況だ。


 同研究所の発表によると、2023年の時点で、日本のマンガ・アニメIPのグローバル市場規模は約4兆円に達し、前年比9.7%の成長を記録している。


 注目すべきは海外市場が全体の42.5%(約1.8兆円)まで拡大していることで、特に配信・映画を中心とした海外映像市場が前年比20%を記録(※)。ちなみにこの時点でのデータは、海外でも大ヒットを記録した『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(2025年7月公開)などの成績が反映されているものではないため、次回(次々回?)の報告では、さらに市場規模は拡大しているものと思われる。
※2022年から2023年にかけては、為替の変動も激しかったため海外市場の成長が大きく出やすい傾向だった。


 また、『鬼滅の刃』、『【推しの子】』、『BLEACH』、『文豪ストレイドッグス』といったヒット作の個別IP調査(2023年)の結果も報告。いずれも相変わらず安定した人気を誇っているようだが、とりわけ注目すべきは、日本国内ではどちらかといえば「過去の名作」として扱われている『BLEACH』(2016年連載終了)が、グローバルな視点では、いまだにこうした調査の対象として“現役感”を保っているところだろうか(もっとも、2022年以降、アニメ『BLEACH 千年血戦篇』が、数期に分けて放送されているため、それほど古い印象を持っていない、という人の方が多いのかもしれないが……)。


■根強い人気の『NARUTO‐ナルト‐』と『DEATH NOTE』


 それと似たような作品は他にもある。


 たとえば、最新(2025年)のIPパワーランキング(認知度・ファン数・SNS人気・原作人気・収益力という5つの軸から評価したトップ20のランキング)では、1位の『ONE PIECE』に続き、『NARUTO‐ナルト‐』(2014年連載終了)が2年連続で2位にランクインしているのだ(ちなみに『BLEACH』は、「ファン数」では12位にランクインしているものの、総合ランキングではトップ20に入ってはいない)。


 その他、14位には『DEATH NOTE』がランクイン。こちらは、『BLEACH』や『NARUTO』よりもさらに前の2006年に連載が終了したゼロ年代の作品であり、そのカルト的な人気(の持続力)にあらためて驚かされる(具体的には、ヨーロッパでの人気がいまだに強いとのこと)。


 なお、MANGA総研としては、7位の『俺だけレベルアップな件』(注・韓国発)と8位の『ブルーロック』の躍進、さらに、新作アニメが長期間作られていないにもかかわらず、いまだに熱狂的なファンの多い13位の『HUNTER×HUNTER』(原作は「週刊少年ジャンプ」にて不定期連載中)などの動きに注目しているようだ。


■巣ごもり需要が落ち着き市場の拡大は鈍化したが……


 最後に、日本のマンガの大型市場である米国(アメリカ)とフランスのマンガ市場についての最新(2025年)の調査報告があった。


 米仏の日本のマンガ市場規模の合計は約2000億円(超)とのことだが(※)、両国ともに、デジタルに比べ、まだまだ紙の本の需要の方が高いようだ。
※協力企業による提供データとアンケートによる推計から算出。厳密にはもう少し大きな市場規模が想定されるそう。


 今後は、米仏だけでなく、アジア圏の市場も調査してほしいと思う。


 いずれにせよ、今回の報告会でも冒頭で述べられていたことだが、コロナ禍の巣ごもり需要で右肩上がりになっていた日本のマンガ市場が、2023年頃にいったん鈍化――とはいえ、決して悪い数字ではないのだが――したのは間違いないだろう。しかし、先に挙げた2025年の『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』や、劇場版『チェンソーマン レゼ篇』などの爆発的なヒットを思えば、この1〜2年で再び市場は大きく成長しているはずなのだ。


 そう、日本のマンガにはまだまだ「上」を目指せる余地があるのだ。


(文・取材=島田一志 写真=リアルサウンド ブック編集部)



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