【病気編】最新科学が白黒つける「本当に身体にいいこと」6選!がん検診or人間ドック受けるならどっち?…医師がジャッジ

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2026年03月21日 07:00  週刊女性PRIME

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※写真はイメージです

「身体にいい」とされる健康法を知ると、すぐに実践したくなってしまうもの。

「気持ちはわかりますが、気をつけてください。中には科学的根拠が乏しく、効果がみられないものも。それどころか、健康を損なうおそれがある情報も少なくありません」

 そう教えてくれるのは、米国マウントサイナイ医科大学の老年医学専門医・山田悠史先生。あふれる情報の中から、「正しい選択」をするにはどうすればいい?

科学的根拠のあるもののみに注目すべし

「医師からすると、特にSNSに流れている健康情報は、8〜9割は科学的根拠もなく信頼性に欠けます。そもそもSNSで健康情報を得ようとしないほうがいいですし、見たとしても、鵜呑みにしないのが最善です」(山田先生、以下同)

 気になる場合は、山田先生が情報を見分けるチェックリスト“お・か・し・い”(3ページ目参照)を紹介してくれたので参考に。“有名人がすすめてたから”“推しが実践してる”という理由だけで選ばないこと。あわせて、みんなが勘違いしやすい健康情報について、科学的根拠のある正解は何か教えてもらった。

病気編

 命を守るために知っておきたい「検診・予防」の真実

Q1 受けるならどっちを選択?

A、人間ドック

B、がん検診(国が推奨するもの)

正解は「B」

 国がすすめる5種類のがん検診(胃、子宮頸、乳、大腸、肺)は、受診することで「がんによる死亡を防ぐ効果」が科学的に証明されている。

「検査の痛みや、被ばくといったデメリットを上回るメリットが確認されているため、まずは、がん検診を優先しましょう」

 一方、人間ドックは多彩な検査を選べるのが魅力だが、実は「すべての検査が死亡率減少に直結する」という十分な証拠(エビデンス)があるわけではない。

「もちろん、がん検診を補完する形で、個人の不安に合わせて活用する意義はあります。しかし、まずは自治体から届くお知らせなどを活用し、確実に命を守るがん検診を定期的に受けることが基本です

 実は、日本では肝心な5つのがん検診の受診率が低く、特に乳がんと子宮頸がんの検診は、先進国の平均を下回っているそう。

「自治体のお知らせなどに従って定期的に受けて、命を守りましょう」

風邪の対処法「効果ない」ものも

Q2 帯状疱疹ワクチンは

A、なるべく打つ

B、打たなくてもよい

正解は「A」

 50歳を超えたら、帯状疱疹ワクチンの接種を検討すべき、と山田先生。症状の軽減や、その後長引く神経痛などを防ぐ効果が高い。

「それだけでなく、最近では帯状疱疹を防ぎ、副作用などから身体を守ることで、認知症のリスクを下げたり、老化を防いだりする可能性を示すエビデンスも充実してきています。接種後の発熱など副作用がやや重いといったデメリットもありますが、50歳以降の方には、非常にメリットが大きいワクチンです

 帯状疱疹ワクチンには、比較的安い生ワクチンと、ちょっとお高い「シングリックス」という不活化ワクチンがある。

「おすすめは、有効性が非常に高いシングリックスです。アメリカでは生ワクチンを接種済みの人でも、改めてシングリックスを打つようになっています。せっかく打つなら効果の高いほうがいいですね」

Q3 胃がん検診、おすすめは?

A、内視鏡(胃カメラ)

B、バリウム検査

正解は「A」

「私個人の見解は断然Aですね。内視鏡、つまり胃カメラを入れるほうががんを発見する精度が高く、世界的にもこちらが主流になっているからです」

 バリウム検査も、胃のさまざまな病気の診断には有効で、医師がすすめる場合は受ける意義が高い。ただし、がんを発見するという面では内視鏡に分があるということ!

Q4 風邪をひいたら「抗生物質」は

A、飲んで治す

B、飲まずに身体の回復を待つ

正解は「B」

 そもそも抗生物質(または抗菌薬)は「細菌」を殺す薬だ。一方、風邪やインフルエンザは「ウイルス」による病気なので、本来抗生物質を服用してもまったく効果がないのだ。

「もちろん、細菌性の肺炎や中耳炎などの可能性がある場合は抗菌薬を使います。風邪など効果が期待できない病気に抗菌薬を使用するべきではありません。

 腸内菌が死んでしまって下痢をするといった副作用が出ますし、本当に身体が必要とするときに薬が効かない耐性菌を生み出すリスクもあるからです。“風邪に抗菌薬”は、効かないだけでなく、デメリットが大きすぎるのです

 耐性菌は「薬が効かない感染症」の原因となり、これが抵抗力の弱い高齢者や持病のある人の命を奪うことも。

 もし風邪やインフルエンザで抗生物質を処方されたら、医師に理由を尋ねてみて。

「納得できる説明がない場合や、とりあえず出しておきますといった反応であれば、診断技量を疑うべきかも」

 通常の風邪であれば、それを治す抗ウイルス薬は存在しないので、睡眠をしっかりとって、身体の回復を待つようにしよう。

「風邪で薬が出なくても“せっかく病院に行ったのに損した”などと思わないでください。抗菌薬の効かない病気だと医学的にちゃんと診断してもらえた、と理解してくださいね」

花粉症、糖尿病の正しい情報

Q5 花粉症は

A、完治する

B、一度なったら治らない

正解は「B」

 花粉症などのアレルギーは「一度なったらもう治らない」というイメージがある。

「確かに、花粉症を完全に治すことは困難です。ただ、アレルギー体質を改善し、症状を大幅に抑える治療法はあります」

 それが、「舌下免疫療法(減感作療法)」などのアレルゲン免疫療法だ。これは、原因物質を少量ずつ舌下に投与して身体をアレルゲンに慣らす方法だ。

「数年がかりの治療になることもありますが、花粉症の症状が重く悩んでいる人にとっては、生活の質を劇的に向上させる、価値のある選択肢です。花粉シーズンに鼻炎を抑える薬を飲む以外にも、できる治療があることを知っておいてほしいのです

 アレルゲン免疫療法をしない人でも、マスク装着や掃除・洗濯の工夫などで花粉に触れない工夫はおすすめだ。

「花粉症に悩まされていた私ですが、花粉が飛んでこないニューヨークではまったく症状が出ません。アレルゲンに触れないことも重要ですよ」

Q6 尿に糖が出ていなければ糖尿病の心配は

A、ほぼない

B、リスクは常にある

正解は「B」

 尿に糖が出ていないからといって、糖尿病でないとは言い切れない。なぜなら、糖尿病があっても血糖値が一定ラインを超えていない限り尿に糖は現れないからだ。

「尿に含まれる糖だけでなく、血液検査の血糖値やHbA1Cの値に注目してください。これらが正常値を超えていれば『糖尿病の一歩手前』の黄色信号、あるいは糖尿病です」

 糖尿病を放置すると血管が傷つき、やがては網膜症や腎症、神経障害などの合併症や心筋梗塞などを引き起こしてしまう。早期から食事・運動療法や薬物療法による継続的な管理が必要だ。

 健康診断は毎年受けて、糖尿病の兆しをキャッチしたら、肥満解消や運動などのライフスタイル改善に取り組もう。悪化するとやっかいな病気なので、医師の指示にきちんと従うことが大事だ。

教えてくれたのは…山田悠史先生 米国マウントサイナイ医科大学米国老年医学・内科専門医。医学博士。2015年に渡米し、高齢者医療を専門に診療や研究に従事している。著書に『最新科学が覆す 体にいいのはどっち?』(サンクチュアリ出版)などがある。

取材・文/鷺島鈴香

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