エヴァ30周年に贈る“Razer×EVA-02コレクション” キーボード、マウス──ファン必見の逸品4モデルを使ってみた

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2026年03月26日 15:10  ITmedia PC USER

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Razer|EVANGELION エヴァ2号機コレクション

 2021年公開の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」で、庵野秀明監督は全てのエヴァンゲリオンに別れを告げた。しかし、記念フェス「EVANGELION:30+;」では、ダブル・アスカ・ラングレーが主役の短編アニメーションが披露され、さらに完全新作シリーズの制作までもが発表された。


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 シリーズ誕生30周年を迎えた2026年は、エヴァンゲリオンを愛した全てのファンにとって特別な年になりそうだ。


 そんな“エヴァ熱”がファンの中で再上昇する中、ゲーミングブランドのRazerがアジア太平洋地域限定で「EVANGELION エヴァ2号機コレクション」を展開している。今回はそれぞれを試用する機会を得たので、実機レビューをお届けしよう。


●今だからこそのコラボ


 1995年のTV放送で始まった「新世紀エヴァンゲリオン」。筆者は当時、リアルタイムで視聴していなかったのだが、大枠のストーリー展開は耳にしていた。


 当時、一回限りの敵が毎回登場する「マジンガーZ」のような古典的ロボットアニメは、同じデザインのモビルスーツが大量に登場する「機動戦士ガンダム」の登場によって時代遅れになったと思っていた。しかし、リアルタイムに視聴していた同僚たちは「エヴァンゲリオンは再び以前の路線に戻っている」と話していた。


 機械獣は使徒、博士は若い女性、バリヤはATフィールドに変わってはいるが、それはつまり「原点回帰しつつも、現代風(といっても30年前だが)なアレンジが好評を博しているらしい」ということで、当時はそんな認識だった。


 だが、同僚もいつしかエヴァンゲリオンの話題を出さなくなり、情報源がなくなった筆者は、同じような展開が続いて完結したものとばかり思っていた。


 それからしばらくして、レンタルDVDであらためて全話を視聴する機会があり、実際に視聴してみると自分の想像していたものと全く違っている内容に驚いた。次回予告で「サービスサービス」と能天気に言っていたミサトさんが最終回まで続くと思っていたのだから、自分の方がはるかに能天気だった。


 大学時代に「ふしぎの海のナディア」が好きだった筆者にとっては、なんだか妙に同じツボを刺激された感覚だったことを覚えている。後から思えば「そりゃあそうでしょうよ」という話なのだが。


 その後、2007年に「エヴァンゲリヲン新劇場版:序」が公開され、元同僚と一緒に観に行った。その元同僚とはそれ以降、3回しか会っていない。破、急、シン・エヴァンゲリオン劇場版公開のときだ。


 既にお互い還暦に近い歳になっているわけだが、エヴァンゲリオンだけで人生の半分つながっている関係というのも面白い。考察もはかどるエヴァ世界だが、それだけ長い期間接していると、キャラクターへの思い入れも人生経験と共に変わってくる。


 アスカの傲慢(ごうまん)な態度をかわいいと思えるようになったのは、ずいぶんたってからだったし、物語に翻弄(ほんろう)されつつも力強さを兼ね備えた新劇場版での姿に、自分よりも成長したような感慨を覚えたのも自身の人生とシンクロしているような気さえする。


 このタイミングでRazerがアスカの機体であるEVA-02をモチーフとしたコレクションを発表し、そしてそれをレビューする機会に恵まれたことには感謝しかない。


●ロゴカラーを変えたRazerの心意気


 今回レビューするのは、マウスのフラグシップ「Viper V3 Pro」(3万2450円)を筆頭に、キーボード「BlackWidow V4 TKL HyperSpeed」(3万4880円)、マウスパッド「Gigantus V2 XXL」(7290円)、ヘッドセット「Kraken V4」(3万4980円)の4モデルだ。


 いずれも通常版と比較して2300円から1万円程度のプレミアムが設定されている。また、当コレクションにはゲーミングチェア「Iskur V2 X」もラインアップに含まれており、こちらは2026年5月に6万9960円での発売を予定している。


 全製品に共通して最初に気付くのは、Razerロゴの色だ。通常、Razerロゴは同社の象徴でもある鮮やかなグリーン(公式PANTONEカラー「802Cグリーン」)だが、今回のコレクションではオレンジに変更されている。


 Razerがブランドアイコンのカラーそのものを変えるのは極めて珍しいことだ。深紅を基調に、オレンジとゴールドが差し色として入るEVA-02のカラーパレットにグリーンを合わせることは確かに難しいだろう。だが、テスト用プラグスーツを思わせるRazerロゴカラーは最初からそこにあったかのように、自然にぴったりとマッチしている。Razerの英断に拍手を送りたいところだ。


 マウスのプラスチック、キーボードのアルミ合金のトッププレート、マウスパッドのマイクロウィーブクロス、ヘッドセットのファブリックと合皮のハイブリッド──素材が全く異なる4製品ではあるが、EVA-02コレクションとして並べると不思議と統一感のあるコレクションになっている。


 EVA2のロゴとオレンジのRazerロゴ、そしてハザードストライプ(工業製品や危険区域に用いられる黄黒の警戒色)といったモチーフの共通項はあるものの、素材の違いが各製品の個性を発揮しつつ、エヴァ世界、そしてEVA-02の「大胆で戦闘的なアイデンティティー」を表現している。これは思いのほか、高度なコラボ設計ではないだろうか。


●BlackWidow V4 TKL HyperSpeed(キーボード)


 Razer BlackWidow V4 TKL HyperSpeed(以下、BlackWidow)は、メカニカルスイッチ搭載のテンキーレスワイヤレスキーボードだ。レイアウトは英語配列のみとなる。HyperSpeed 2.4GHz/Bluetooth(最大3台)/USB有線のトライモード接続に対応し、RGBオフ時のバッテリーは最大980時間だ。


 アルミ合金トッププレートとホットスワップに対応した、ゲーム/ビジネスどちらの用途にも応えられる一台となっている。


 BlackWidowに採用されている第3世代のRazerオレンジタクタイルスイッチは、メカニカルスイッチとしては比較的静かで、いわゆるコトコト系の音だ。


 タクタイルバンプを過ぎると、すっと吸い付くように指が沈んでいく感覚があり、長時間の文章入力にも十分に耐えうる。むしろ次のキーを打ちたくなるような中毒性のあるフィーリングで、ゲーム用途に限らず、ビジネス現場での日常的な文書作成にも違和感なく使える。ホットスワップにも対応しており、3ピン/5ピンのMX互換スイッチに換装が可能だ。


 EVANGELION(EVA-2)EDITIONでは、トッププレートが赤になり、全面にわたって特徴的なハニカム模様が刻まれている。


 これはEVA-02というよりは、NERV本部のディスプレイ表示のオマージュだろうか。右上のマルチファンクションローラーとその隣の3ボタンはヘビーデューティー・インダストリアルなデザインだが、これ自体はベースモデルから変更はない。しかし、まるで狙ったかのように全体のデザインに自然に溶け込んでいる。


 キーキャップはシャインスルー(光透過)のダブルショットABSだ。「O」や「#」のような閉じた形の文字において、内側の島(カウンター)が細いブリッジで外枠につながるステンシル方式ではなく、完全に分離した状態で成形されるフローティングアイランド方式が採用されている。


 高度な加工だと思われるが、これは成形収縮率の低いABS素材だから実現できたのかもしれない。


 英記号レジェンドの下にはエヴァのマティス体によるキーワードやイラストが特殊キー中心にプリントされている。CapsLockキーには「第3新東京市」、Enterキーには「作戦開始」、BackSpaceキーには「PILOT: ASUKA」、Ctrlキーは「機密」と「緊急」、そしてTabキーとCapsキーにまたがって2号機の線画が印刷されている。


 ただ、こちらは線が細いためにパッと見て何なのか分かりづらく、何度も細い糸くずが付着しているように誤認してしまった。機能とは全く無関係の印字は好みが分かれるだろうが、トッププレートがおとなしい分、「キーキャップで弾けたなあ」という印象だ。


 BlackWidowはハードウェア構成ツールの「Razer SYNAPSE 4」を使えば、キーのリマップやマクロ設定も行える。ライティングはCHROMA STUDIOでキー単位のカスタマイズが可能だ。


●Viper V3 Pro(マウス)


 Razer Viper V3 Pro(以下、Viper)は、実測54gの超軽量ボディーながら、ワイヤレスで最大8000Hzのポーリングレートを実現するゲーミングマウスだ。


 センサーにはFocus Pro 35K(3万5000DPI)を搭載し、HyperPollingドングルが標準で付属する。バッテリーはポーリングレート1000Hz時で最大95時間だ。現時点のゲーミングマウス市場において最高峰の仕様を持つ製品の1つで、eスポーツのデータベース「ProSettings.net」においても、2025年12月時点のプロプレイヤーシェア首位を誇る。


 EVANGELION(EVA-02)EDITIONでは、本体が全面ディープレッドになり、右ボタンに2号機のイラストが印刷されている。ベースモデルからの形状ではあるが、両ボタンになだらかな窪みがあり、両端がわずかにめくれ上がるような造形はなんとなく新劇場版2号機の「ツノ」を想起させてくれる。


 そしてコラボによる最大の見どころが、付属のエントリープラグ装飾キットだ。ドングルを2号機のエントリープラグ挿入口として再現したディスプレイ用パーツで、デスクに設置するとシンクロ率が上がっていく感覚を演出するという趣向だ。


 確かに、コレクションの中で最もオリジナリティーのある付属品ではある。だが率直に言えば、あまり心をかき立てられるものではなかった。


 プラスチックの棒が突き出ているだけにも見えるし、そもそもこれは2号機のエントリープラグ挿入口を再現したデザインなのだろうか、という引っ掛かりが大きかった。


 デカールを貼ればまた違うのかもしれないが、このようにエントリープラグが半分飛び出した状態を再現する意図があまりよく分からない。例えば、このドングルカバーをアンビリカルケーブルのプラグとして再現し、それが外れた状態でデスクに横たわっているとか、そういった方が劇中世界との接続感があったのではないだろうか。


●Gigantus V2 XXL(マウスパッド)


 Razer Gigantus V2 XXL(以下Gigantus)は、約940(横)×410(縦)mm、厚さ4mmのクロスタイプマウスパッドだ。表面はコントロール寄りのバランスタイプで全センサーに最適化されており、裏面は高密度ラバーフォームの溝付き滑り止め加工が施されている。キーボードとマウスを一緒に乗せても重量約820gのパッドは微動だにしない。


 EVANGELION(EVA-02)EDITIONでは全面に2号機のイラストと、NERV本部のディスプレイなどで見掛けるインタフェースを模したグラフィックが印刷されており、デスクに敷いた瞬間に空間の雰囲気が一変する。


 さすがにデスク全面を覆うほどのサイズのインパクトは大きく、マウスパッドがあるかないかで、バトルステーション全体の没入度が全く異なる。他の製品と合わせれば「真っ赤」のコックピットが完成するが、マウスパッドだけを単品で使っても十分に世界観が立ち上がる。


 7290円というコレクションの中で最も安価な製品でありながら、視覚的インパクトはコレクション中で最も大きい。エヴァファンが手軽にこの世界観に触れる入口として最適な選択肢に見えるが、一般的なデスク環境では持て余すサイズだ。


 全面イラストのため、カットして使うこともできないだろう。ベースモデルのGigantus V2はXXL以外にもM(360×275mm)、L(450×400mm)、3XL(1200×550mm)の4サイズ展開なので、当コレクションでもMまたはLが選択できるとよかった。コレクションとして所有/保存することが目的でない限り、事前にデスクのサイズを確認してほしい。


●Kraken V4(ヘッドセット)


 Razer Kraken V4 EVANGELION(EVA-02)Edition(以下、Kraken)は、TriForce Titanium 40mmドライバー、HyperClear超広帯域格納式マイク、9ゾーンイヤーカップライティングを搭載するワイヤレスゲーミングヘッドセットだ。


 接続は2.4GHz HyperSpeed Wireless、Bluetooth、USB有線のトライモードに対応している。ライティング不使用、2.4GHz接続で、最大70時間の利用が可能だ。重量は実測348gで、ゲーミングヘッドセットとしてはやや重めだが、装着感がよく長時間の使用でも負担は少ない。


 通常版のKraken V4はブラックで統一されたシックな見た目だが、EVA-02エディションでは2号機カラーの赤に染まり、むしろクラーケンらしさが増した印象だ。


 ヘッドバンド部分にはハザードストライプが入り、イヤーカップ側面にEVA2ロゴが配置されている。本体へのエヴァデザインの落とし込みはエンボス加工が中心で、他の製品に比べると主張は控えめだが、ゲーミングヘッドセットとして見た目の主張は十分に強い。


 他の周辺機器とは異なり、ヘッドセットはある意味ファッションの一部でもあるため、カメラオンのビデオ会議ではかなり目立つことになる。ビジネス用途を想定するなら、その点は考慮が必要だ。


 Razer SYNAPSE 4では、イコライザー設定やTHX Spatial Audioの調整も行える。ライティングはBlackWidow同様、CHROMA STUDIOからカスタムできる。


●品質に妥協しないエヴァファンへ


 エヴァという作品の世界観は、ミステリアスで重厚なストーリーや魅力あるキャラクターの造形だけでなく、マティス体のタイポグラフィー、NERVロゴ、アラートUIのデザイン、ハザードストライプといった統一感のある工業的デザインも大きな役割を果たしている。


 六角形のアラート、「第3新東京市」や「作戦開始」という文字だけで「エヴァだな」という共通言語になっていることは多くの人が実感しているのではないだろうか。


 その一方で、製品にキャラクターイラストが必要かと問われれば、個人的には不要だと思う。イラストは作品を「外から見る」視点を生むが、テキストや記号は作品世界の「中に入る」感覚をもたらす。


 その意味では、このコレクションの中ではBlackWidowが最もよくエヴァ世界を表しているのかもしれない。“ッターン”と押すキーに印字された「作戦開始」の文字、そこにDECISIVE BATTLEのティンパニーを感じ取ることもあるだろう(もっとも、ヤシマ作戦時にアスカは来日していなかったし、だったらなぜ「PILOT: ASUKA」がバックスペースに割り当てられているんだ、なかったことにしたいのか、というツッコミもあるだろうが)。


 各アイテムともベースモデルのスペックは通常版と同じで、品質面での差異はない。アジア太平洋地域限定という希少性、放送30周年というタイミング、そしてシン・エヴァ以降に完全新作シリーズへ移行するエヴァというIPの転換期を考えると、今しか入手できないアイテムかもしれない。全アイテムをそろえることはなかなか難しい価格だが、「エヴァが好きで品質にも妥協したくない」という人はぜひ購入を検討してみてほしい。



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