
全国のレギュラーガソリン店頭価格。先週は1リットル「190.8円」まで上がりましたが、25日に公表された価格は「177.7円」と13円ほど下がりました。
【比較を見る】ガソリン補助金いる?いらない?継続した場合とやめた場合
ガソリン価格が1週前より安く その背景は出水麻衣キャスター:
政府が石油の国家備蓄の放出を始めるなど、様々なニュースが取り沙汰されています。
まず、ガソリン価格がどんな動きを見せてきたのか、振り返ります。
【レギュラーガソリン価格】
2月24日(イラン攻撃の前):157.1円
3月2日:158.5円
3月9日:161.8円
3月16日:190.8円
3月23日:177.7円
アメリカやイスラエルによるイラン攻撃があり、ガソリン価格がじわじわと上がり、16日には190円台となり、「200円に届くかもしれない」という不安の声が聞かれました。
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そして、25日は177円台と公表されました。供給不足に陥っているにもかかわらず、値段が下がった背景には、政府の対策がありました。
「激変緩和措置」の財源は約1兆円で充分?片山財務大臣は「国民生活と日本経済の活動を守る」ということで、「激変緩和措置」をとりました。3月19日の出荷分から170円を超える分には全額補助の方針を打ち出し、それが実施された結果、値段が下がってきたということです。
この補助金の財源となっているのが、「基金」というものになります。ガソリン価格が高騰しすぎてしまうといけないので、ガソリン価格を下げるために使われる基金です。ここから約2800億円が充てられました。
そして、令和7年度予算の中から「予備費」として約8007億円を支出したということです。
この「予備費」というのは、これまでは新型コロナ対策や能登半島地震の支援、電気・ガス補助金などに使われてきました。
合わせて1兆円近くの補助金が使われ、これが「激変緩和措置」の財源になりますが、この金額で充分なのか、そして持つのでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
大体このレベルの補助金を支出すると、月に3000億ぐらい使うことになります。そうすると3か月ぐらいで底をつき、7月には新たな補正予算を組むか、来年度予算の予備費に手をつけるかになります。どんどん財源はなくなっていくわけですから、この制度が持続可能なのかというと、ちょっと難しいと思います。
井上貴博キャスター:
逆に言うと、この額というのは「まずは3か月分」という政府の思いと考えていいのでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星さん:
とりあえず、7月まではどうにか時間を稼げます。その間に停戦になってガソリンが下がってくればそれで良しということです。
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出水キャスター:
そもそも、このガソリン補助金は必要なのか、必要ではないのかを議論していきたいと思います。
やはり、車を運転する方やトラックドライバーの方などは、ガソリンの価格が上がったら困るという方が多いかと思います。
ガソリン補助金で継続してガソリン価格を抑えるとなると、どんなことが起きるのか、日本総研の栂野裕貴研究員に聞きました。
やはり今、貯金を切り崩しているような状況ですので、そもそも備蓄が減少します。すると、「備蓄がなくなったらどうしよう」という不安が出てきます。
また、「予備費」と言いましても、要は税金から出しているわけですから、過度な財政出動となりますと、国際社会からは「円の信頼は大丈夫なのか」と円安が進みます。
そうなると、やはり輸入品などの価格が上がっていき、家計負担は増えていくのではないかと言われています。
TBSスペシャルコメンテーター 星さん:
とりあえず、一時的な補助金なのでしょうが、結局は税金です。補助金で今の痛みを抑えるか、将来世代にツケを回すかということになりますから、そこはもう少し議論しないといけません。
それから、私は「省エネ」ということもきちんと考えないといけないと思います。ガソリンをジャブジャブ使う、補助金もジャブジャブ出しますということでは乗り切れないと思います。
井上キャスター:
しかし、時間をかけて議論したいけれども、時間をかけていられない部分もあります。綺麗事を言っていると200円に届いてしまいますし、これは悩ましいところだと思います。
出水キャスター:
補助金を止めると、確かにあっという間に200円という金額が見えてきてしまうと思います。
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日本総研の栂野裕貴研究員によると、補助金を止めたらやはりガソリンを買い控えるようになります。そうしますと、車を利用した外出も減り、経済も停滞するのではないか。あとは物流費が上がってくるので、ガソリン以外のお値段にもはね返ってしまい、物の値段が上がることも考えられます。
ですので、「短期的に経済の停滞が起こってくるのではないか」ということでした。
TBSスペシャルコメンテーター 星さん:
最近言われているのは、東南アジアで「省エネ」の動きがあり、部品が少なくなりサプライチェーンが滞ってしまって、日本で工場を動かそうにも動かせなくなるということがあります。それを考えると、今からむしろ省エネ対応した方がいいのではないかという議論が出ています。
井上キャスター:
この省エネ対応というのも大事な論点ですね。だから中長期的な話をしながら、いま本当に困っている方をどうするかという、両輪を走らせないといけません。
TBSスペシャルコメンテーター 星さん:
「所得を補償する」というやり方もありますね。
出水キャスター:
今、備蓄は約8か月分ということですから、あまり猶予がないというのが現実です。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年
