




これほど自分を磨いているのに、なぜアズミはときめいてくれないのか……。アズミの感性が鈍ってきたとしか思えない。僕はいかにアズミの「理想の王子様」になるために努力してきたかを訴えた。しかし返ってきたのは静寂だった。

「アンタが鏡に向かってキメ顔してるとき、私が何をしていたか一度でもまともに見たことあるの!?」ブチ切れたアズミの低い声と冷徹なまなざしが、僕の心臓に突き刺さる。そこにはまるで般若のような怒りのオーラが漂っていた。

子どもたちが寝たあと、僕はアズミに切実な想いをぶつけた。どれだけ必死になっても、アズミにとって僕の努力は子どものオムツ以下だし、キッチンの大根以下だし、リビングに散らばったブロック以下……。意を決して美容整形までしたのに、適当にあしらわれるなんて悲しすぎると思ってしまう。
涙ながらに訴えたから、アズミもさすがに僕の愛に気づいてくれるはず……と思いきや、返ってきたのは冷え切った視線と怒りの言葉。そしてアズミは僕の手を取り、引きずるように洗面所に連れていったのだった。
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