
共働き家庭が増え、ジェンダーレスな育児が叫ばれる令和の今。それでもなお「男の子に家事はちょっと……」「勉強が忙しいんだから……」と、どこか過保護な空気が漂うこともあるかもしれません。
『大学生の息子に家事をやらせるのはいけないことでしょうか?』投稿者さんご夫婦は共働きで、ふたりともフルタイムで働いています。息子さんは大学生で、大学が家から近いこともあり実家暮らし。投稿者さんが「息子と家事を分担している」と外で話したところ、「理系なのに?」と驚かれてしまったのだそうです。「そんなに驚かれるような話だろうか」と投稿者さんは戸惑っているようですね。
「理系の学生=忙しいから家事免除」はおかしくない?
ママたちが反応したのは「理系だからびっくりされる」という世間の風潮への違和感でした。理系大学生はたしかに実験や課題で多忙な日々を送っていますが、だからといって生活のすべてを親に依存していい理由にはならない、という意見が圧倒的に多いようです。
『うちの息子も理系だけれど、家事をさせるのに理系・文系ってどう関係あるのか教えてほしい。学生の本分は学問だとしても、家事は人間として必要なことだよ』
『夫は研究職で「頭を使わないタイプの家事の時間は研究に有用」と言っていた。多少の家事なんて研究の妨げにならないよ』
『理系だと忙しいのに家事をさせるのが可哀想とか? ひとり暮らしの理系大学生はどうなるんだ? って話だよ。理系でも家事はやれるよ。大学生にもなって家事やらない、できないのはポンコツと自覚したほうがいい』
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家事スキルで得られる本当のメリットは
次に議論が深まったのは、家事ができることが将来の息子さん自身にどれほどの利益をもたらすか、という点です。これは単に「将来のパートナーのため」という利他的な理由に留まりません。
『将来ひとり暮らしになる可能性もある。それに結婚したときに何もできないのは相手も困るよ』
『いつかはひとりになるし、もし結婚したら奥さんの負担も減らしてあげられる。全然悪いことじゃない』
『投稿者さんの話に驚いた親はたぶん息子に何もやらせてなくて、将来奥さんに「何もしない旦那認定」される。投稿者さんが正解。今どき、家事ができない男なんて時代遅れ』家事は自分を大切にするためのスキルです。自炊ができれば健康管理ができるし、掃除ができれば快適な環境を維持できます。ママたちからはむしろ、成人した息子にまだお弁当を作ってあげたり、身の回りの世話を焼きすぎたりすることへの警鐘も鳴らされました。職場で「何もできない男」として冷ややかな視線を浴びるリスクを考えれば、今の時点で家事を教えることは、親から息子への「将来を守るためのギフト」だといえるでしょう。
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過保護は自立を遠ざける。生活力をつけるために
家事を「やらせる」という言葉の裏にある、家族のあり方についての議論もなされました。子どもを労働力として搾取するのではなく、協力して生活を営むというスタンスが大切です。
『理系でも文系でも娘でも息子でも、できるようにしておいたほうがいいよね。大学生は大人なんだから助け合うのは当たり前。ルームシェアしていると思って、自分のことは自分ですることとしている』
『うちも娘たちも含めて当番制だよ。家のことは、その家に住むみんながやることでしょ? 学業に影響がない範囲で暇な時間に家事をしてもらうのは、同居する人間として当たり前』
『うちはそれぞれが分担でひとつずつ家事をしてる。そしたら「虐待!」って騒いだママがいたよ。1日に5〜10分くらいの用事をするだけで虐待って……。でも子どもに生活していく力をつけさせるのも親の仕事。外野の雑音はスルーで無問題!』家族が共に暮らす以上、誰かひとりがすべての負担を背負うのは不自然です。特に投稿者さんのように共働きであれば、大学生の息子さんが戦力として参加するのは極めて健全な形といえます。周囲から「可哀想」や「虐待」といった心ない言葉を投げかけられたとしても、お子さんの生活力を育むための家事分担をやめる必要などないでしょう。
理系だから、勉強が忙しいからという理由は、一見すると子どもを思いやっているように見えます。しかしその優しさが、将来わが子が独立した際に、足を引っ張るとしたらどうでしょう。ゴミの出し方がわからない、コンビニ弁当だけで体調を崩す、あるいは結婚後にパートナーと家事分担で揉めて孤立する。そうなる原因をつくってしまうとしたら……それは本当の愛といえるでしょうか。
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文・motte 編集・いけがみもえ イラスト・金のヒヨコ
