ドラマの料理を作るのは誰か。「日本一忙しいカメラ裏の料理人」

7

2026年04月09日 21:00  クックパッドニュース

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

クックパッドニュース

写真

500本以上の映像作品で作中の料理に携わってきたフードコーディネーターのはらゆうこさん。『情熱大陸』の出演でその仕事ぶりが話題になったばかりだが、もともとは8年間公務員として働いた、少し変わった経歴の持ち主だ。クックパッドのポッドキャスト番組『ぼくらはみんな食べている』で語ってくれました。

『情熱大陸』が映した、カメラの後ろの世界

今年放送された『情熱大陸』に登場したとき、業界関係者からは「いつも通りだったね」という声が相次いだ。緑山スタジオとドラマ現場を走り回り、監督に動きを提案し、役者が食べやすいよう一皿をその場で作り直す。


画面に映っていたのは、フードコーディネーターという仕事のごく普通の一日だったという。これまでに携わった映像作品は500本以上。「最近はもう数え切れないほどになっていますね(笑)」とはらさんは笑う。実はこの仕事を一度辞めた時期がある。しかし1ヶ月も持たなかった。離れてみてはじめて、「料理で誰かに必要とされたい」という欲求が自分の真ん中にあることを確認した。

フードコーディネーターは「料理担当」ではない

フードコーディネーターと聞いて、食べ物を美しく盛り付ける仕事を想像する人は多いかもしれない。しかしはらさんが大切にしているのは「その時、その場所で、誰が何を必要としているか」を常に考えることだという。


「撮影現場では、監督も役者さんも『これで合っているのかな?』と不安になることが多いんです。どんなお皿を使うか、どういう手つきで卵を割るかといった細かいことが、シーンのリアリティを左右する。ただ料理を作るだけでなく、その人らしさが自然に出るようにアドバイスすることを心がけています」
監督の迷いを引き受ける相談役であり、役者が自然に見える空間を料理の側から設計するディレクター。それがフードコーディネーターの実像に近い。

ミュージックビデオの現場ではさらにその幅が広がる。ボーイズダンスボーカルグループMAZZELのミュージックビデオでは「GUCCIのパーティーのようなラグジュアリーな空間でみんなで唐揚げを奪い合う」という世界観のオーダーから、メニューも盛り付けも一から起こした。

ドラマのようにセリフや台本はなく、求められるのは「世界観」を食で体現する発想力だ。料理人でもなく、スタイリストでもない。その中間にいる職能が、フードコーディネーターだということがよくわかるエピソードだ。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』という現場

フードコーディネーターの本能は、整えることだ。しかし竹内涼真さん主演のドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』が求めたのは、その正反対だった。


「料理したことない設定だからもっと散らかそうよ」と役者自身がリアリティを追求してくる。整えたくなる本能をあえて抑えながら崩す技術は、完璧な盛り付けよりはるかに難しい。ここ数年は特に「綺麗すぎるとリアルじゃない、伝わらない」と強く感じるようになったという。

台本通りに進む現場はほとんどない。役者が「食べづらくてセリフが言いにくい」と言えば即座に形を変え、カメラアングルが変われば配置を調整する。「常にアンテナを張って、現場の会話をキャッチしておくことが欠かせません」。この瞬発力こそが、フードコーディネーターの真骨頂だ。

お持ち帰りボックスを置くようになった理由

かつて撮影用の料理は廃棄されることも珍しくなかった。師匠の赤堀博美先生から「どんな時もおいしいものでなければならない」という考えを受け継いだはらさんは、現場に必ず「実際に食べておいしいもの」を持ち込み続けてきた。撮影後にスタッフが持ち帰れる「お持ち帰りボックス」を用意するようになったのも、廃棄への心苦しさが出発点だった。


リアルでおいしい料理が、役者の良い演技を引き出し、作品に熱量を生む。500本の現場を経て、はらさんはそう確信している。
「料理が好きというだけでは務まらない仕事かもしれません。でも、求められたものを形にし、現場の皆さんと一緒にいいものを作っていく。このバタバタした日々が、私にとっては最高に楽しいんです」

ご視聴はこちらから

**


🎵Spotify
https://hubs.li/Q02qmsmm0
🎵Amazon Music
https://hubs.li/Q02qmslg0
🎵Apple Podcast
http://hubs.li/Q02qmztw0

【ゲスト】

第67回・第68回(3月6日・13日配信) はらゆうこさん


フードコーディネーター
1976年埼玉県生まれ。大学卒業後8年間の公務員生活を経て、日本最古の料理学校「赤堀料理学園」に入学。赤堀博美校長のアシスタントを経て独立し、2010年に株式会社BEETAR(ビータ)を設立。ドラマ・映画・CM・MVなど映像作品への参加は500本以上。「日本一忙しいカメラの後ろの料理人」として知られる。

HP:http://fs-vita.jp
X: @RacoonYuko
Instagram: @yuko.hara1218

【パーソナリティ】

クックパッド株式会社 小竹 貴子


クックパッド初代編集長/料理愛好家
趣味は料理🍳仕事も料理。著書『ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる』『時間があっても、ごはん作りはしんどい』(日経BP社)など。

X: @takakodeli
Instagram: @takakodeli

この記事はクックパッドのポッドキャスト番組『ぼくらはみんな食べている』の配信内容を再編集した記事です。

もっと大きな画像が見たい・画像が表示されない 場合はこちら

このニュースに関するつぶやき

  • 『撮影後にスタッフが持ち帰れる「お持ち帰りボックス」を用意するようになったのも、廃棄への心苦しさが出発点だった。』ここら辺、もっと深掘りしない?バイトのクソ記事と断定。
    • イイネ!2
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(6件)

前日のランキングへ

ニュース設定