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2026年04月12日 06:10 ITmedia PC USER

うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる――そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、4月5日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!
●Anthropicが「Project Glasswing」を発表 次世代モデルは非公開に
Anthropicは4月7日、AI時代のソフトウェアセキュリティを強化するための新たな取り組み「Project Glasswing」を発表した。Anthropicの他、Amazon Web Services(AWS)、Apple、Google、Microsoft、NVIDIAといった主要テック企業に加え、Linux Foundationなど計12の組織が初期パートナーとして参画している。
Project Glasswingを立ち上げるきっかけとなったのが、Anthropicが開発した未発表の次世代モデル「Claude Mythos」だ。
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Anthropicによると、そのプレビュー版である「Mythos Preview」はソフトウェアの脆弱(ぜいじゃく)性を発見して悪用する能力において、一部の熟練した専門家を除き、大半の人間をしのぐレベルに達しているという。実際、Mythos Previewは既存のOSやブラウザから数千件もの深刻な脆弱性を自律的に発見しているとのことだ。
AIの進歩の速度を考えると、こうした機能が急速に普及し、悪用されるのも時間の問題であり、経済や公共の安全、国家安全保障への影響は甚大になる可能性がある。Project Glasswingは、こうした機能を防御目的で活用するための緊急の取り組みとなる。
プロジェクトの一環として、Anthropicは参画パートナーや40以上の重要インフラ関連組織に対し、脆弱性のスキャンや修正を目的としたMythos Previewへのアクセスを提供する。また、1億ドル相当のモデル利用クレジットの提供や、オープンソースセキュリティ団体への400万ドルの寄付も表明している。
●Metaがマルチモーダル推論モデル「Muse Spark」を発表
Metaは4月8日、同社初となるネイティブマルチモーダル推論モデル「Muse Spark」を発表した。同モデルは、2025年6月に設立された新組織「Meta Superintelligence Labs(MSL)」が開発した「Muse」シリーズの第1弾となる。
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Muse Sparkは、テキスト、画像、音声をネイティブに統合して処理する推論エンジンで、ツール利用や視覚的な思考の連鎖(Visual Chain-of-Thought)、マルチエージェント連携をサポートする。応答の深さに応じて「Instant」「Thinking」「Contemplating(熟考)」の3つの推論モードを備えており、最上位のContemplatingモードでは複数のエージェントが並列動作して高度な研究レベルの回答を生成する。
また、独自の「思考圧縮(thought compression)」により、従来の「Llama 4 Maverick」と比較して、10分の1以下の計算量で高い性能を実現しているという。
本モデルはまずMeta AIのWeb版とアプリ版に導入され、今後数週間以内にWhatsAppやInstagram、同社のスマートグラスなどのエコシステム全体に順次展開される予定だ。
●Google、「Gemini」アプリの新機能「ノートブック」を発表
Googleは4月8日、Geminiアプリにおいて、プロジェクトやチャット、ファイルを一括管理できる新機能「ノートブック」を導入したと発表した。本機能は、AIノートブック「NotebookLM」と完全に同期するのが特徴だ。
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ユーザーはGeminiアプリのサイドパネルからノートブックを作成し、過去のチャットやドキュメント、PDFなどの外部ファイルをソースとして登録できる。これにより、Geminiは登録された特定の知識ベースに基づいた回答が可能になる。
本機能はNotebookLMとシームレスに連携しており、Gemini側で追加したソースはNotebookLMにも反映され、NotebookLM独自の「Video Overviews(動画概要)」やインフォグラフィック生成といった専門的なツールをそのまま活用できる。
提供対象は、まずWeb版のGoogle AI Ultra/Pro/Plusのサブスクリプションユーザーから開始され、今後数週間以内にモバイル版や無料ユーザー、欧州地域へも拡大される予定とのことだ。
●Microsoftが「Windows Server 2016」などEOS間近の3製品にESUを提供
Microsoftは4月1日、2026年10月13日にサポート終了(EOS)となるWindows 10 Enterprise LTSB 2016など、拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)の提供を開始した。
対象となるのは、以下の3製品だ。
・Windows 10 Enterprise LTSB 2016:2026年10月13日終了
・Windows 10 IoT Enterprise 2016 LTSB:2026年10月13日終了
・Windows Server 2016:2027年1月12日終了
Windows 10 Enterprise LTSB 2016について、当初はESUの提供が2026年第2四半期とされていたが、前倒しで4月1日に開始された。なお、同製品のESUはIoT機器メーカー(OEM)を通じてのみ入手可能となっている。Windows Server 2016のESUについては、詳細は今後数カ月以内に公開される予定だ。
サポート終了後は、無償のセキュリティ更新やバグ修正、技術サポートが受けられなくなるため、Microsoftは最新環境への早期アップグレードを強く推奨している。
●Microsoftが「セキュアブート」証明書の更新状況を示すバッジ導入
Microsoftは4月2日、Windowsセキュリティアプリに、デバイスのセキュアブート証明書の更新状態を表示するバッジ機能を導入すると発表した。これは、2011年に発行されたMicrosoftセキュアブート証明書が2026年に有効期限を迎えることに伴う対応だ。
これまで同アプリのセキュアブート項目は、機能の有効/無効のみを表示していたが、今後は証明書の更新状況に応じたステータスが、緑色/黄色/赤色のバッジで表示されるようになる。
・緑色のアイコン:デバイスが十分に保護されている
・黄色のアイコン:安全に関する推奨事項がある
・赤色のアイコン:すぐに注意が必要(未更新など)
特に、既存の証明書の一部が失効し始める2026年6月以降、未更新のデバイスでは赤色のアイコンが表示される可能性がある。更新された「2023証明書」はWindows Updateを通じて自動的に配信されるが、ハードウェアなどの制限により更新がブロックされている場合には注意が必要だ。
●Appleシリコン搭載MacでGeForce/RadeonのAI処理が可能に
AI関連スタートアップのTiny Corpは4月1日、ThunderboltまたはUSB4接続の外付けグラフィックスカードをMacで利用するための同社製ドライバが、Appleに承認されたとXで明らかにした。AMDとNVIDIAの両方に対応しており、Appleシリコン搭載Macで外付けGPUを計算資源として利用できる可能性が出てきた。
もっとも、これは一般的なゲーム用途などでグラフィックス性能を高めるためのものではない。Tiny Corpが開発する軽量なディープラーニングフレームワーク「tinygrad」向けの実装で、現時点ではLLMなどAI処理での利用が前提だ。対応GPUはAMD RDNA3以降、NVIDIA Ampere以降となっている。
セットアップには専用スクリプトの実行やNVIDIA利用時のDocker Desktop導入などが必要で、接続すればそのまま使えるわけではない。
Appleは現在もmacOSの外付けグラフィックスカード対応をIntel Mac向けにとどめており、今回の動きが直ちに公式対応を意味するものではないが、Macのメモリ容量に縛られずデスクトップ向けGPUをAIリソースとして使いたい開発者にとっては、大きな前進となりそうだ。
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