
ロン・ミュエクの彫刻を見ていると不思議な感覚に陥る。リアルなのに大きさが違っていたり、設定そのものが不可思議だったりするからだ。4月29日(水・祝)〜9月23日(水・祝)まで、東京の森美術館で「ロン・ミュエク」展(リシュモンジャパン合同会社・東京)が開催される。世界各地で注目を集めているアーティストだが、日本では2008年に金沢21世紀美術館で回顧展が開催されて以来2度目の展覧会だ。
ロン・ミュエクはオーストラリア生まれ。革新的な素材や技法、表現方法を用いて具象彫刻の可能性を押し広げてきた現代美術作家だ。人間を綿密に観察し、哲学的な思索を重ねて制作された作品は、洗練され、生命感にあふれ、孤独やもろさ、弱さ、不安、回復力といった人間の内面的な感情や体験を巧みに表現している。ロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで開催された「センセーション:サーチ・コレクションのヤング・ブリティッシュ・アーティスト」展(1997年)への参加で注目を集めて以来、世界各地で個展が開催されてきた。
実際の人物よりもはるかに大きく、あるいは小さく造られるその彫刻は、私たちの知覚に対する先入観への挑戦でもある。実際に存在していそうであるというリアリティーに肉迫する一方で、鑑賞者一人ひとりの解釈や思索を促すあいまいさも残している。神秘的でありながら圧倒的な存在感を放ち、私たちと身体との関係、そして存在そのものとの関係を問いかける。
開催時間は10時〜22時。火曜日のみ17時まで。5月5日(火・祝)、8月11日(火・祝)、9月22日(火・祝)は22時まで。入館は閉館時間の30分前まで。会期中無休。入館料は平日の一般当日窓口2300円/オンライン2100円。学生(高校・大学生) 1400円/1300円、中学生以下は無料、シニア(65歳以上) 2000円/ 1800円。土・日・祝日の一般2500円/2300円、学生(高校・大学生) 1500円/1400円、中学生以下無料、シニア2200円/2000円。すべて税込み。事前予約制(日時指定券)を導入、各種オンラインサイトから「日時指定券」の購入が可能。森美術館オンラインチケットのほか、Trip.com、Klook、ART PASSなどで販売中。
