バッテリー最大30日&64GBのストレージ! 究極のタフネスウォッチ「Amazfit T-Rex Ultra 2」は+3万円の価値があるか

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2026年05月01日 15:10  ITmedia PC USER

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ハイエンドなスマートウォッチ「Amazfit T-Rex Ultra 2」

 スマートウォッチの「Amazfit」(アマズフィット)ブランドを展開するZepp Healthが、T-Rexシリーズの最上位モデル「Amazfit T-Rex Ultra 2」を発売した。価格は8万9900円だ。


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 同社のT-Rexシリーズは、アウトドア・タフネス向けのラインアップとして展開している。現在はエントリーの「T-Rex 3」(3万9900円)、2025年9月発売の「T-Rex 3 Pro」(5万9900円)、そして今回のT-Rex Ultra 2という3段構成になっている。Ultra 2はT-Rex 3 Proと比べて3万円高く、9万円近い価格設定だ。GarminやSUUNTOなどの本格アウトドアウォッチと同価格帯に踏み込んできた形になる。


 今回、実機を試用する機会を得たので、以前にレビューしたT-Rex 3 Proと比較しながらその内容を確認していく。なお、T-Rex Ultra 2はアウトドア向けのスマートウォッチだが、筆者は登山やダイビングを日常的に行っているわけではないため、それらの専門的な機能については、確認できる範囲での評価となる点はご容赦いただきたい。


●T-Rexシリーズの最上位として何が変わったのか


 T-Rex Ultra 2のポジションを理解するには、まずT-Rex 3 Proとの差分を整理するのが分かりやすいだろう。


 両モデルは、多くの仕様が共通だ。ディスプレイは1.5型AMOLED(有機EL)、解像度は480×480ピクセル、最大輝度が3000ニトという仕様はそのまま引き継がれている。防水性能(10ATM、ダイビング対応)、6衛星デュアルバンドGPS、Bluetooth通話、Zepp Flow、BioCharge指標、YAMAP/ヤマレコのGPXデータ対応といった機能も共通だ。


 T-Rex Ultra 2でアップグレードされた主な点は次の通りだ。バッテリー容量が700mAhから870mAhに増量され、公称駆動時間が最大25日から最大30日に延びた。GPS使用時も最大42時間から最大50時間に延びている。ストレージは約26GBから64GBに大幅に増量され、ケース径は48mmから51mmに拡大された。


 それらに加えて、T-Rex 3 Proにはないナイトビジョンモードが新たに搭載された。フラッシュライトは両モデル共にデュアルモードだが、T-Rex 3 Proが白と赤の組み合わせなのに対し、Ultra 2では白と緑に変更されている。緑色は広く詳細な視界を確保しつつ、周囲への影響を抑える設計とのことだ。


 一方で気になる点もある。バンド幅が22mmから26mmに広がったため、T-Rex 3 Proで使っていたバンドはそのまま流用できない。カラーバリエーションもブラックマグマの1モデルのみで、T-Rex 3 Proの2サイズ/5モデル展開と比べると選択肢が限られる。重量もバンド込みで約89.2gとT-Rex 3 Proの約74.5gから増えている。


●優れた外観と質感 チタン&サファイアガラスの51mmケース


 T-Rex Ultra 2の詳細を、まずは外観から確認していこう。ベゼルとケースバックには、グレード5のチタン合金を採用している。グレード5は航空宇宙用途でも使われる素材で、軽量かつ高い耐腐食性を持つとのことだ。実際に手に取ると、チタン特有のマットな質感があり、T-Rex 3 Proと同様に落ち着いた印象だ。


 ケース径は51mmとT-Rexシリーズ最大サイズとのことで、シリコン製26mmバンドと組み合わさることで装着時の存在感はかなりある。重量も約89.2g(実測はバンド込みで92g)と見た目通りの重量級だ。ボタン配置はT-Rex 3系と同様に4ボタン構成で、グローブ装着時にもタッチパネルなしで操作できるようになっている。


 バンドの着脱方式は、T-Rex 3 Proのスライドバネ棒式から変更になった。バネ棒を使っていること自体に変わりはないが、バンドの爪を押し下げてバンドだけを着脱するタイプになっている。


 同タイプのバンドは純正品しかないと思うが、バネ棒ごと市販のバンドに付け替えることは可能だ。グローブやジャケットの上から装着するなら、NATOタイプが似合いそうだ。


●T-Rex 3 Proと同等の高輝度AMOLEDを採用


 ディスプレイはT-Rex 3 Proと同じ1.5型AMOLEDで、解像度480×480ピクセル、最大輝度は3000ニトだ。ケース径が51mmに拡大されたにもかかわらず、ディスプレイのサイズ自体は据え置きとなっている。


 ケース径が大きくなり、ディスプレイサイズが据え置きということはベゼル幅が太くなっているということだが、デザインのためなのか、その点は気にならなかった。


 最大3000ニトという輝度はT-Rex 3 Proから変わっておらず、屋外での視認性はT-Rex 3 Proのレビュー時と同様に問題ない水準だ。


 カバーガラスにはサファイアガラスを採用する。T-Rex 3 Proでは指紋防止コーティングが施されておらず、指紋が目立ちやすいという点があった。Ultra 2が同仕様かどうかは公式に明記されていないが、T-Rex 3 Proと同様に指紋が付きやすい印象だ。気になる場合は保護シートの導入を検討するとよいだろう。


●64GBストレージとオフラインマップ


 Ultra 2の実用面での最大の変化の1つが、ストレージ容量の64GB化だ。T-Rex 3 Proの26GBから大幅に増量され、購入直後の状態でオフラインのベースマップ(等高線なしの基本地図)が事前ダウンロード済みになっている。箱を開けてすぐに地図機能が使える状態というのは、地味だが実用的な配慮だ。


 追加で等高線図(コンターマップ)やスキー場マップもダウンロードでき、通信環境のない山中でも地図を表示しながら移動できる。T-Rex 3系でも同様の機能はあったが、ストレージ容量が少なかったため、ダウンロードできる地図データに制限があった。


 新たに64GBになったことで、関東地方全域など広範囲な地図を取り込んでおくことも気軽にできるようになっている。


 YAMAP/ヤマレコのGPXデータをZeppアプリ経由でインポートし、リアルタイムナビゲーションに使える点も、登山ユーザーには実用的だ。ポイントtoポイントナビゲーションやルート再計画機能も備えており、ルート外に出た際の対応にも使えるとのことだ。


 また、マップ上から周辺のコンビニやトイレなどを検索できるようになった。T-Rex 3 Proをレビューした際は、検索できるのはトイレとコンビニのみだったが、T-Rex Ultra 2ではカフェやレストラン、交通機関、公園なども検索できるようになっている。


●最大30日間のバッテリーと実際の使用感


 バッテリー容量は870mAhで、公称値は通常使用で最大30日間、ハードな利用で最大15日間、GPS精度優先モードで最大50時間だ。T-Rex 3 Proの700mAh/25日間/GPS42時間から、いずれの数字も向上している。


 最大30日間とは言うものの、メーカーのいう「標準的な使用」はかなり限定的な使い方なので、「ハードな使用」での最大15日間の方が実際の使用イメージに近い。


 実際に数日使用してみたところ、常時表示無効/睡眠計測/24時間心拍計測/1日約120分のウォーキング(GPS使用)/各種通知という状態で、1日当たり10%程度のバッテリー消費となった。GPSを使ったウォーキングは1時間あたり1〜2%のバッテリー消費だったため、GPSを使わなければ12〜13日は持ちそうだ。


 充電は専用の充電台を使ったマグネット充電方式で、フル充電まで約2時間かかる。USBケーブルは付属しないので、別途用意が必要だ。


●ナイトビジョンモードとナイトディスプレイ


 T-Rex Ultra 2に新たに追加されたのが、ナイトビジョンモードだ。T-Rex 3シリーズには、これまでも「ナイトディスプレイ」が搭載されている。ディスプレイの表示を赤/オレンジ/緑にして夜間の視認性をアップする機能だ。T-Rex Ultra 2にも採用されているが、これとは別に「ナイトビジョン(暗視)モード」が追加された。表示を緑にするという点ではナイトディスプレイと同様なのだが、画面の明るさが若干下がる印象だ。


 説明によると、「ナイトビジョン(暗視)ゴーグルを装着しているときでも、時計画面をはっきりと見ることが可能で、夜間の戦術活動や暗所でのアウトドア活動をサポートする」とある。一般消費者にとって使いどころがあるのかは疑問だが、夜間にサバイバルゲームを楽しむ人には便利なのかもしれない。


 デュアルカラーLEDフラッシュライトは、T-Rex 3 Proからの引き継ぎ機能となる。夜間登山やキャンプでの実用性は高そうだ。消費電力への影響が気になるところだが、緑のライトを点灯しっぱなしにしたところ、約10分で1%の消費となった。


 耐環境面では、MIL-STD-810H(米軍調達規格)認証を取得しており、−30度の環境下でも正常に動作する低温動作モードも搭載する。冬山など極端な低温環境下での動作保証として、信頼性の1つの指標になるだろう。


●スピーカーとマイクも内蔵


 T-Rex 3 Proと同様、本体にスピーカーとマイクを搭載しており、音声アシスタント「Zepp Flow」と音声チャットを行える。「常時表示をオンにして」「ウォーキングを開始して」といったウォッチ設定の操作から、より広い範囲の質問への回答まで対応可能だ。


 スマートフォンを取り出さずにハンズフリーで通話やアシスタント操作を行える点は、アウトドアや運動中の利便性に直結する部分だ。


●現在の自分の状態を把握する「BioCharge」スコア


 ヘルスケア面では、最近のAmazfit製品と同様に「BioCharge」スコアを採用している。睡眠/HRV/ストレス/活動データを統合してリアルタイムで体のエネルギー状態を可視化する指標で、一晩ゆっくり眠り、朝起きたときに最も高くなる。


 日中の活動によって徐々に減っていくが、昼寝やリラックスなどによって回復する。常に高い数値をキープしなければいけないものではないが、朝に数値が低かったり、数日低い値が続くような場合には、休息を考えるなど客観的な判断の材料にはなる。


 運動計測については170種類以上のスポーツモードを搭載しており、登山/ハイキング/クライミング/トレイルランニング/ダイビング/スキー/スノーボードなどアウトドア種目が充実している。


●3万円の価格差は妥当か


 T-Rex Ultra 2がT-Rex 3 Proから上乗せした機能や仕様は、64GBへのストレージ増量、ナイトビジョンモード、−30度の低温動作、オフラインマップの事前搭載(オフラインナビ機能の強化)、バッテリー容量の拡大といった点だ。


 ダイビングやナイトビジョンといった機能は、使う人と使わない人がはっきりと分かれる。これらの機能を必要としないのであれば、T-Rex 3 Proの方が合理的な選択と言える。一方、登山やダイビング、タクティカルな用途をまとめて一本でカバーしたいというニーズには応えられる内容だ。


 バッテリーの30日間持続とGPS 50時間の組み合わせは、数日〜1週間程度の縦走登山や遠征でも充電なしで乗り切れる実用水準に達している。約9万円という価格は決して安くないが、アウトドア用途に振り切ったユーザーにとっては、有力な選択肢となるモデルだ。


 なお、Ultra 2は51mm固定でカラー展開も1色のみのため、T-Rex 3 Proのように「サイズやカラーで選ぶ」という判断軸はない。大きくてゴツイ時計が前提として受け入れられるかどうかも、購入前に確認しておきたい。



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  • 電力が手に入らず、道にバッテリー切れのスマホが蒲鉾板の様に捨ててある未来になっても、腕時計は正確な時間を刻み続ける様にして欲しいです。せめて5年は持ってくれないと
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