限定公開( 3 )

“ひらめき”を求めている場合、机をあえて片づけないほうがいいかもしれません。
ミネソタ大学のヴォーズらの研究では、「創造性は散らかった環境でこそ発揮される」と述べています。
一方で、「デスクが散らかっていると仕事や勉強に集中しにくくなる」とする研究もあります。いずれにしても、散らかっていることは「よくないこと」だとは言い切れないのです。
ヴォーズらの研究では、48名の被験者を下記の2つの部屋に分けました。
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(1)書類がきっちりと机の上に片づけられている「整頓された部屋」
(2)書類が机の上や床に散乱している「散らかった部屋」
そして、ピンポン玉をつくる製造会社のために、「ピンポン玉の新しい使い方を考える」という創造性を問う課題を与えました。
すると、(2)の散らかった部屋の被験者のほうが、創造性が高くなるという結果が報告されたのです。置かれている環境が、好みや選択、そして行動を変えることも証明されたというわけです。
また、料理をつくるという別の実験では、整頓された部屋でメニューを考案した参加者は、伝統的なレシピをベースにしたものが多かった一方で、散らかった部屋の参加者は、常識を覆すような創作料理を多く生み出したという報告もされています。
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●日常業務は整理された場所、 発想力は散らかった場所で
ヴォーズらの研究によれば、整頓された環境にいる人は、伝統や慣習に倣ならいがちで、勉強や日ごろ行っている作業に集中できる一方で、散らかっている環境にいる人は、それらから解き放たれるとしています。
つまり、日常業務的な仕事をするのであれば、整頓されているデスクのほうが好ましいですが、発想力を求められるような仕事においては、デスクの周辺にさまざまなものが置かれているほうがアイデアが浮かびやすいことが示唆されたのです。
極端な例かもしれませんが、理論物理学者として知られる天才アルバート・アインシュタインの机は、つねに書類やノートが散乱していたと言われています。
また、絵画や彫刻などのアートだけでなく舞台芸術や詩人など幅広く制作活動をしていたパブロ・ピカソのアトリエも、ひどく散らかっていたことで有名です。
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アイデアが求められるような仕事をするときは、煩雑な場所で仕事をすると、思わぬ成果を上げられるかもしれません。環境によってクリエイティビティは変えられるのです。
(堀田秀吾、言語学者、明治大学教授)
この記事は、書籍『科学的に証明された すごい習慣大百科』(堀田秀吾/SBクリエイティブ)に、編集を加えて転載したものです。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。
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