
昨年開催された大阪・関西万博の公式キャラクターとして、その異形さから社会現象を巻き起こした「ミャクミャク」。
国際園芸博覧会の「トゥンクトゥンク」
そのバトンを引き継ぐかのように、いま新たな注目を集めているキャラクターがいる。2027年3月に横浜市で開幕を控える国際園芸博覧会の公式マスコット、「トゥンクトゥンク」だ。
宇宙のかなたから地球に憧れてやってきた精霊で、自然破壊や環境汚染などの問題を背景に、人間と自然をつなぐキャラクター。ちなみに「トゥンク」は、恋やときめきに胸が鳴る鼓動の音。
「人といろんな命が共鳴し、つながっている状態」の意味が込められており、万物への想像力と調和の心を取り戻すことの大切さを伝えたいというメッセージが託されている。
先日、赤沢亮正経済産業大臣が《ミャクミャク並みにブレイクさせてあげたい》とXに投稿するなど、第二のミャクミャクへの期待も高い。このトゥンクトゥンクについて、キャラクターデザインに詳しい嵯峨美術大学芸術学部の安斎レオ教授に話を聞いた。
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「第一印象はとても前衛的で、ハイカルチャーなデザインです。ミャクミャクに続き、今までにない意表を突くオリジナリティーあるデザインが選ばれる傾向には、東京五輪の際のエンブレム盗作騒動がかなり影響していると思います」
かつての公式キャラクターといえば、誰もが親しみやすい“身近なモチーフ”が主流だった。
「それだとデフォルメしても、どうしても似通ってしまう。盗作騒動を経て、模倣の余地を与えない圧倒的なオリジナリティーを求めるこの流れは、日本の公式キャラクターのあり方を根本から変えつつあるように感じます」(安斎教授、以下同)
ミャクミャクと同様、赤と青が効いた鮮やかな色使いは、特に30代以上の女性に強く支持される配色だと安斎教授は分析する。一方で、こんな課題も。
“可愛さの表現”が難しいデザイン
「自在に動けるミャクミャクと比べ、着ぐるみなどの立体物にした際に手の可動域が狭いなど、“可愛さの表現”が難しいデザインです」
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しかし、その“不器用さ”が逆に人々の心をつかむ可能性もあるという。
ミャクミャクは、当初の「不気味」「気持ち悪い」というネガティブな反応を、SNSでの二次創作などの“遊び”を通じて、ユーザーが「自分たちのもの」として育てていく、異例のボトムアップ型ムーブメントだった。
対してトゥンクトゥンクは、
「“余白や遊び”が少なく感じられる。コンセプトを明確にし、現代アート的な見せ方をするトップダウン型のブランディングが成功のカギではないか」
と安斎教授。
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キャラクターのわかりやすさに頼るのではなく、背後にある複雑なメッセージや芸術性を読み取ろうとする土壌が、今の日本には育っているという。
公式側が提示する世界観と、成熟した受け手側のリテラシーが共鳴したとき、トゥンクトゥンクは単なるマスコットを超え、新しい“時代の象徴”となるはずだ。

