
デジカメに欠かせないもの。レンズやボディがしょぼくても写真は撮れるけれども、これがないとどうしようもなくて、しかもカメラを購入しても付いてこないもの(昔はお試しサイズのが同梱されてたけど)といえば、記録メディアである。
SDカードやCFexpressカード。これが今年に入ってから、急激に値上がりしているのだ。
「え?」と思った人はオンラインショップでチェックしてみるといい。
PC関連に詳しい人は、そもそも2025年秋あたりから、ストレージやメモリの価格がぐんぐん上がってるのに気づいてたと思う。
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例えば、わたしは25年5月に8TBのHDD(ハードディスクドライブ)を購入した。用途はもちろん写真の保管用だ。そのときの価格は1万7580円だった。それから1年弱。26年4月の段階でチェックしてみると、同じものが同じストアで3万9800円になっている。
2倍以上である。
かつてハードディスクは年々容量あたりの単価が下がっていたものだが、25年秋あたりから急激に上がったのだ。
今はハードディスクよりSSD(ソリッドステートドライブ。つまりフラッシュメモリを使ったストレージ)の方がポピュラーなので、そっちも大きく上がっている。
2TBのSSD、25年4月には約3万円だった製品が、26年4月時点では7万円を超えている。
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2倍以上である。
価格が急激に上がった理由はいくつか挙げられているが、代表的なものをあげるとすれば、AI需要。生成AIのために大量の高速メモリというか、半導体の生産ラインが必要になり、民生用の供給が後回しになったことだろう。一時期、記録的な安値だった頃があり、それを知ってる人にはより高く感じるはずだ。
そしてSDカードも中身はフラッシュメモリなのでその影響を受けているわけだ。製品によりけりだけれども、25年末から26年春にかけて2倍以上にどかんと上がってる。
今回はそんな価格高騰時代のSDカードの話。
そうそう、SDカードと一言でいっても歴史的経緯から、SDカード、SDHCカード、SDXCカードと種類があるけれども、おおむね「最大容量の違い」なのでここでひっくるめて「SDカード」とします。
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●同じ容量でも価格差がある理由は?
ただ、よく見るとSDカードって価格にすごい幅がある。
価格が高騰している今だからこそ、自分に必要なものを賢く選びたいのである。
SDカードの規格は歴史的経緯もあって(何しろ、SDカードの誕生は1999年と前世紀のことなのだ。もはやSDが“セキュア・デジタル”の略だってことも忘れられてそう)、非常にややこしいのであるが、ここでは超シンプルに余計なことは書かない。
大事なのは容量とスピードである。
簡単にいえば、容量がデカい方が高いし、スピードが速い方が高い。慣れてない人はつい「容量」だけを見がちだけど、同じ容量でも価格差がすごくあるのだ。
ちょいとフラッシュメモリ超大手のサンディスクのオンラインショップに比較機能があったので比べてみたい。ちなみに、量販店などの実売価格はここまで高くない。
同じ64GBなのにこの価格差はエグいよね。
この価格差をもたらしているのは「UHS-I」か「UHS-II」か。UHSというのはウルトラ・ハイ・スピードの略。転送速度の規格だ。
実際のカードには「I」か「II」ってローマ数字だけ書いてあるのだけど、これが価格に決定的な差を与えてるのである(さすがに、今は価格差がありすぎると思うけど)。
実は一番の価格差はこの単純なところにあるのだ。両者の違いはインタフェース。IIの方がより高速なデータ転送が可能だ。
これ、違いは裏をみると分かる。
右の方が明らかに端子が多い。この新しい端子が高速転送用なのだ。このように新しい機構が搭載されている上に、高速な読み書きが可能なフラッシュメモリが使われているので、UHS-IIの方が圧倒的に高速なんだけど、価格も高いわけである。
UHS-Iで良しとするか、UHS-IIにするか。
UHS-IIのメディアを使うにはカメラがUHS-IIに対応してなきゃいけない。そうじゃないと、高速転送用の端子は使えず、単にUHS-Iのメディアとして使われることになる。高いカードにした意味がない。
現行のミドルクラス以上の機種ならたいてい対応してるけど、エントリーモデル(例えば富士フイルムの『X-M5』やキヤノンの『EOS R100』)や一部のコンパクト機(リコーの『GR IV』やパナソニックの『TX3』など)などUHS-IIに未対応のカメラもある。
では、カメラがUHS-II対応なら、高価なSDカードにすべきかというとそうでもない。
一度に大量のデータを書き込むような撮影……例えばRAW+JPEGで秒20コマの超高速連写を行うとか、4K/60fpsで高画質な動画を撮るとか、そういう高速な書き込みが必要だったり、高速に書き込んでくれないとストレスが溜まるような用途にはおすすめできるが、ほとんどの人はそこまでガチな撮影はしないだろう。
ただ、高速なメディアのメリットはもう一つある。
PCへのデータ転送が速いのだ。
ほとんどの人は撮影したデータをPCに転送してそこで処理をするわけだが(そうだよね?)、大量に撮影すると転送に時間がかかってしまうけど、このとき、PC側のカードスロットがUHS-IIに対応していれば(あるいはUHS-II対応のカードリーダーでUSB 3.0以上でつながっていれば)その分高速に取り込める。
ともあれ、個人的な見解として、4K動画をガシガシ撮る人やRAW+JPEGで連写しまくる人、毎回大量に撮影するのでPCへの転送時間を少しでも短くしたい人じゃない限りはUHS-Iで十分、って結論です。
UHS-Iの中でも速度に差はあるけれども、よほど連写しない限りはさほど気にしなくていいかな。気になるなら「スピードクラス」ってのがあって、コップに数字が書いてあるようなアイコンの「1」より「3」を選んだ方がいいくらいか。
これはビデオ撮影用に「最低書込み速度」を補償するためのものだ。
●どの容量のメディアを買うのがいい
もう一つの問題である容量。何GBのものを買うか。SDカードが安かった時代なら、ワンランク上のを買っちゃえ、という感じもなろうが、価格が上がっていると、高いのはツラいけど、容量が少ないと困ったりしないかな、と悩みがち。
これ、記録メディアの運用をどうするかという問題が絡んでくるのでややこしい。
私は撮影が終わったら(まあ、帰宅したら、とか)、中身を全部PCに転送して(ついでにバックアップもとって)、次使うときにメディアをフォーマットする、という運用をしている。
今、計算してみたら、写真1枚につきRAW+JPEGで50MBくらいなので、64GBのメディアなら1000枚くらい撮れる。
であれば、そこまで大容量じゃなくてもいいわけで、個人的には、64GBで足りなくなることはない(旅行に行くときや仕事でたくさん撮るときは128GBを入れていくけど)。
JPEGでしか撮らないから容量はもっと少なくていい、という人もいるだろうけど、容量が少ないと逆に1GBあたりの単価が上がったりするし、大容量だと価格的につらくなるので、安心できるブランドの64G〜128GBくらいの、価格的に高すぎないものを選んでおくのがいいと思う。具体的にいくらくらいがいいか、といわれると、今の価格が高騰中で安定しない時期なのでコストパフォーマンスで語るのは難しい。
中にはメディアをフォーマットしないでどんどん撮りだめていき、いっぱいになると新しいメディアを買うという人もいるようだけど、そういう運用をしている人は、この価格高騰の時代だと苦労するだろうから考えた方がいいと思う。
個人的には毎回外付けHDDに転送して、さらにバックアップ用別のHDDにもコピーして、メディアはフォーマットして再利用というのが一番いいと思っている。
ともあれ、1年前に比べてしゃれにならないレベルで価格が高騰している記録メディア。しばらくは……とりあえず今年いっぱいくらいは下がることはなさそうといわれているので、コスト優先で少しでも安い物を選んで将来また価格が落ち着いてきたときにまた買うか、今はそういう時代だとあきらめて自分が必要とする性能のものをしっかり選ぶか。悩ましいところであります。
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