apr LC500hが開幕2戦で連続表彰台。小山美姫が振り返る初のトップ走行と、小高一斗が語るハイブリッドの課題

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2026年05月07日 17:20  AUTOSPORT web

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apr LC500h GT(小高一斗/小山美姫/チャーリー・ブルツ) 2026スーパーGT第2戦富士
 5月4日に決勝レースが行われた2026スーパーGT第2戦『FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL』。aprの31号車apr LC500h GT(小高一斗/小山美姫/チャーリー・ブルツ)が、3時間の決勝で開幕戦に続く3位表彰台を獲得した。予選2番手から決勝へ臨み、序盤は首位SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)を追走。BRZが左フロントタイヤのバーストで戦線を離脱した際には、小山のドライビングでトップを走る場面もあった。

 開幕戦岡山で3位表彰台を手にした際には、スーパーGTでの女性初表彰台獲得として大きな話題となった同チームだが、2戦連続で好成績を収めたレース後、3人のドライバーが語った内容からは、その裏側にある進化と課題が見えてきた。


●第1スティント/小山美姫:初めてのトップも「ああいった展開で前に出るのは好まない」

 スタートを担当した小山は、予選2番手からレーススタート。今季はスタートを任される機会が多く緊張はなかったというが、首位スバルBRZがペースダウンしたのち25周目にタイヤバーストが起きたため、小山がトップに浮上した。

「初めて前に(ポール以外の)クルマがいない状態でスタートできたので、(フロントロウは)こういう景色なんだなと実感しました」

 首位に立ったシーンは「スバルさんがいきなり右に寄って蛇行していたので、『ピックアップでもしたのかな?』と思ったら黒いのがバーンと飛んできました。その後は避けて、そのままスローダウンしていったので、こちらの走りには影響はなかったです」と振り返る小山。

「前がバーストしたことでトップに繰り上がるというのは、ああいった展開で前に出るというのは好ましいことではありませんでした。自分の力でしっかり抜いて、その位置を獲りたかったですね」と、バトルでの決着を望んでいたという。

 ただ、「無線で『今トップ』と言われて、そうだよねと思いながらも、『トップってなんだっけ』とも思って。GT500の車両が一緒に走っているのでピンとこなかった部分もあったのですが、ふとGT500の車両がいなくなると、これがトップの静けさなのかみたいなのはありました」と振り返り、初のクラス首位走行に覚えた新鮮な実感も明かした。

 ライバルの不運によってトップに立ってからは、逆にGreen Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)を抜いて追い上げてきたリアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/木村偉織)のプレッシャーに対応する立場に。

「トップに立ちはしましたが、後ろが結構迫ってきていたのでミスもできないし、慌てずにできることをやるだけでした」

「彼(オリベイラ)はすごくプレッシャーをかけてきて、パッシングしたり、抜く気がない雰囲気でもイン側に入ってきたりしました。トップの攻防はいい勉強になりましたね」

 33周目のパナソニックオートモーティブコーナーではインからポジションを奪われたシーンもあったが、すぐに小山はピットイン。ピットロードへマシンを運ぶ前提ということもあり、第1スティントを2番手で終えた。


●第2スティント/チャーリー・ブルツ:初GTで表彰台「夢のようだ」

 第2スティントを担当したブルツにとっては、今回がスーパーGT初の決勝レース。今季はスーパーフォーミュラへの参戦を開始しているとはいえ、ぶっつけ本番のGT決勝で2番手から首位を追うという大仕事に臨んだ。しかもロングスティントという難しい役割だったが、トップ争いのペースを維持し、デビュー戦での表彰台に貢献した。

「今までやったことがなかったけど、本当に良い仕事ができたと思うし、スーパーGT初参戦で表彰台に立てたのは夢のようだよ。チームメイトには感謝してもしきれない。本当に嬉しい」と表彰台獲得を喜ぶブルツ。

「テストも含め、間違いなく今までで一番長いスティントでしたが、終盤は前のマシンに少しずつ近づくことができた。このマシンでの経験を積めばもっと速く走れるようになると思うし、トップのペースを維持できたのは本当に良かった」と語り、目の前のトップ車両を追うスリリングな展開を戦い抜き、手応えを実感した様子。

 初のGT決勝でありながらもスムーズに走ることができた要因には、テスト時から進めてきたセットアップの、小山と小高の働きを強調した。

「セットアップは小高と小山がオフの間に考えてくれて、僕の走りの特性も合わせて妥協点を探してくれた。テストから進めてきた調整が功を奏して、良いフィーリングで決勝を走り切れました」


●第3スティント/小高一斗:レース後半スティントの課題「アベレージを保つ部分では足りない」

 小山、ブルツからマシンを受け継いで最終スティントを担当した小高。しかしピット作業のロスも影響したようで、2番手をLEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟/黒澤治樹)に奪われることに。終盤まで3番手を守り切って2戦連続の3位表彰台を確保したものの、優勝を狙ううえでの課題を率直に語った。

「予選や、スタートした時のクルマのバランスはすごくいいのですが、後半スティントでクルマが熱を持ったり、ハイブリッドのシステムに熱ダレが起きているようで、予選の一発の速さからのペースを保つ部分ではまだ足りないように感じました」

 小高が明かしたハイブリッドの熱ダレは、出力のロスだけでなくドライビングにも影響していたのだという。

「モーターとバッテリーが熱ダレすると、ブレーキ時に回生できなくなり、止まらなくなってしまうんです。パワーも取れないし、ブレーキングも厳しくなる。いろいろな原因が積み重なっている感じがあります。ペースが下がると、ピックアップもついてしまうし取れなくなるしで、後半は難しかったですね」

 一方で、開幕からの連続表彰台は、オフのテストでの取り組みが実を結んだ結果だと語る。小高はオフに意識したこととして、セットアップの方向性修正を進めたことを明かした。

「試しに昨年のセットで乗ったところ、『こんなクルマではダメだ』というぐらいの感触だったので、ひとつひとつ何がいけないのかをチェックしました」

「1年間苦戦していた分、簡単には治らないだろうと思っていましたが、GTEテスト、岡山、富士と10時間以上走って、自分が乗っていた2024年のセットに近いところを見つつ、ベースを戻す作業をしました」

「そこから2026年シーズンへ向けたプログラムもこなして、実際の進化は少ないかもしれませんが、開幕前にちゃんと戦えるクルマを準備できたことはすごく良かったですね」

 ドライバーラインアップが変わっていながらも、apr LC500h GTは昨年から大きく前進しており、その証拠に2戦連続で3位表彰台を手にするこれまでにないシーズンの好スタートを切った。

 次戦からは重いサクセスウエイトを背負うことになるが、今季のapr LC500h GTは高いポテンシャルを秘めており、チャンスがあれば初優勝も見えてくるシーズンを送ることになるかもしれない。

[オートスポーツweb 2026年05月07日]

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