ズーレはドルトムントでは4年間にわたって活躍 [写真]=Getty Images ドルトムントは7日、同クラブの男子トップチームに所属する元ドイツ代表DFニクラス・ズーレが、2025−26シーズンをもって、現役を引退することを発表した。
4月18日に行われたブンデスリーガ第30節のホッフェンハイム戦(●1−2)に先発出場したズーレは、同試合の前半終盤の37分、相手のクロアチア代表MFアンドレイ・クラマリッチのシュートをブロックしようとした直前に左足を負傷。プレー続行は不可能となり、アルジェリア代表DFラミ・ベンセバイニとの交代でピッチを後にしていた。
ズーレは7日に配信されたPodcast『シュピールマッハー』に出演し、同番組内で現役引退の意を自らの口で発表。その際、先のホッフェンハイム戦での負傷が、自らの決断に影響を与えたことを告白している。
「(負傷した後、)ホッフェンハイムのロッカールームでチームドクターがドローワーテスト(※編注:前十字じん帯断裂の可能性を調べる検査)を行い、フィジオを見て首を横に振った。そして、フィジオも同様にテストをしたが、結果は変わらなかった。シャワー室に入って、10分間泣いたよ。あの瞬間、じん帯を断裂したと思ったんだ」
「翌日MRI検査を受け、(結果、前十字じん帯断裂ではなかったという)朗報を聞いたが、僕の中ではキャリアはもう終わりだと、1000パーセント確信した。自立した生活を送ったり、休暇に出かけたり、子どもたちと過ごしたりと、これからの人生を楽しみにしていた矢先に、3度目の前十字じん帯断裂を受け入れなければならないなんて、これ以上ないほど最悪な状況だと感じたからだ」
先の言葉にあるように、ズーレは2014年12月と2019年10月の2度にわたって、ひざの前十字じん帯断裂の大ケガに見舞われている。幸いにも、3度目の断裂は避けることとなったが、ホッフェンハイム戦の後、今季限りでの現役引退を決断したことを明かした。
ズーレは1995年9月3日生まれの現在30歳。ホッフェンハイムのアカデミー出身で、同クラブでトップチームデビューを飾ると、ブンデスリーガ内で屈指のセンターバックとして台頭。2017年夏には、“絶対王者”であるバイエルンへの完全移籍を果たした。バイエルンでは5シーズンにわたってプレーし、公式戦通算171試合出場7ゴールを記録。在籍したすべてのシーズンでブンデスリーガ制覇を成し遂げたほか、2019−20シーズンにはチャンピオンズリーグ(CL)優勝も経験し、通算で「14」ものタイトルを手にした。
2022年夏にはフリートランスファーでドルトムントへ加入。1年目のシーズンには、ドルトムントでブンデスリーガ優勝まであと一歩のところまで迫った。最終節のマインツ戦を引き分けで終えたことで、最後の最後でバイエルンに逆転を許す形となったが、ズーレは次のような言葉で同シーズンを振り返っている。
「リーグ優勝まで目前に迫った最初の年に経験したこと――ホテルでの夜、スタジアムへの道のり。あの時に感じた感情、緊張感と高揚感は、プロデビュー戦の前以来、たった一度しか味わったことがなかった。マインツ戦の前は、人生で最も強烈な瞬間の一つだった。あのアドレナリンが湧き上がる感覚を、今後の人生で再び味わえるかどうかは分からないね」
2年目にはCLでの決勝進出も経験。今季は度重なるケガに悩まされた影響もあり、公式戦12試合の出場にとどまっていたが、ドルトムントでの4年間では、公式戦通算109試合のピッチに立ち、3ゴールをマークしている。
「ドルトムントでの4年間を振り返ると、本当に楽しめた瞬間がたくさんあった。ロッカールームでの冗談のやり取り、そしてスタジアム。ここは8万人もの観客が集まる場所だ。ファンはいつも温かく迎えてくれた。あの時間は本当に恋しくなるだろう」
「ここがどれほど居心地が良かったか。初日から、ドルトムントの人々がどんな人たちか分かった。オープンで、温かく、誠実だ。それに強い親近感を覚えた。子どもたちもここで保育園に通っている。ここを離れるのは本当に辛いよ」
また、ホッフェンハイム時代の2016年8月にはドイツ代表デビューも飾った。FIFAワールドカップには2大会連続で出場し、EURO2020でもドイツ代表のメンバー入りを果たす。FIFAワールドカップカタール2022ではグループステージの全3試合にスタメン出場し、日本代表戦のピッチにも立っていた。国際Aマッチ通算では49キャップを刻み、1ゴールを挙げた。
【ハイライト動画】古巣戦で負傷したズーレ。その後、現役引退を決断