OPPO Find N6インタビュー:「折り目一点突破」と「Ultra」の禁じ手 日本でフラグシップを急拡大する真意

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2026年05月19日 14:30  ITmedia Mobile

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国内では初投入となるOPPOの折りたたみスマートフォン「OPPO Find N6」

 2024年から、フラグシップモデルの投入を継続しているオウガ・ジャパン。ミドルレンジ中心だったこれまでとは方針を一転し、Findシリーズのラインアップを拡大している。2025年末に発売された「OPPO Find X9」は、シリーズ初のおサイフケータイ対応と、その中身も徐々にブラッシュアップしている。


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 このような中、オウガ・ジャパンはついに国内初となるフォルダブルスマホの「OPPO Find N6」を発売した。売りにしているのは、折り目がつきにくい大型ディスプレイ。海外で投入された先代モデルからカメラを大きく進化させた他、最大の競合ともいえるサムスン電子が薄型化に伴って断念したペン対応も実現した。


 さらにこのFind N6の発表会では、オウガ・ジャパンの専務取締役を務める河野謙三氏が、カメラ機能に特化した「OPPO Find X9 Ultra」の投入予定もサプライズで発表した。なぜOPPOはここまでフラグシップモデルの投入を急拡大しているのか。Find N6発売の狙いとともに、同社の戦略を河野氏とプロダクトマネージャーの中川裕也氏に聞いた。


●日本市場での存在感を高める狙いも、価格設定は非常に悩ましかった


―― 初のフォルダブルスマホとして、Find N6を投入することになった経緯を教えてください。


河野氏 今、スマホ業界には業界共通の悩みがあります。それは何か。各社とも、ミドルレンジやミドルハイのモデルを大量に投入してきた背景があります。そのような中で、どうやってメーカーとしての方向性やアイデンティティーを打ち出していくかは、どのメーカーも悩まれていると思います。


 そのような中で、Find N6は非常に高い完成度のものとして仕上がってきました。これはやはり日本の方にも使っていただきたい。OPPOとして日本市場での存在感や認知を高めるうえで、非常にいい端末ということで投入に踏み切りました。


―― ハイエンドモデルは価格も高額になるため、販売台数がミッドレンジモデルと比べるとかなり絞られると思います。それでも投入するのはなぜでしょうか。


河野氏 フラグシップモデルは、テクノロジーショーケースと位置付けています。12月に発売したFind X9もそうですが、Find N6においても、OPPOが過去に研究してきた成果の集大成としてお披露目しています。


 ただ、価格設定は非常に悩ましかったですね。eSIM非対応だったり、中国以外の国で使い勝手が悪かったりするので、中国版は別物という前提でいうと、グローバル版のFind N6はまずシンガポールで発表、発売しています。それと比べて、日本では1万5000円から1万6000円ぐらい安くするという意思決定を経営方針として出しました。そういったところも、日本市場への期待感だと受け取っていただけるとうれしいですね。


―― 発売時期も、シンガポールの次ぐらいなのでしょうか。


河野氏 そうです。


●製品そのものの信頼感を損なわないよう、目立たない折り目を追求


―― 先代モデルサムスンから「Galaxy Z Fold7」が出る前に世界最薄として売りにしましたが、今回は折り目がつきづらいのが売りという理解でよろしいでしょうか。


河野氏 はい。今回は折り目一点突破です。


中川氏 世界で一番フラットなフォルダブルスマホでもあります。今年(2026年)の1月に、ドイツの認証機関のテュフ・ラインランドで、これまでテストしたフォルダブルスマホの中で最も平らという認証をいただいています。


―― そもそもの話になりますが、折り目が嫌だという人はいたのでしょうか。


河野氏 特にデータがあるわけではありません。アンケートを取ったわけではありませんが、日本以外の国には、OPPOの旗艦店やOPPOの看板を掲げた販売店があります。店頭からのフィードバックとして、お客さまが手で触る際に、そこの凹凸感を確かめている。人間の指は繊細で、髪の毛を触ってもキューティクルが分かるぐらいです。凹凸感がはっきり分かると、「壊れそう」という言葉が漏れてしまう。製品そのものの信頼感を損なうのが折り目ということです。そのため、今回は折り目をいかになくしていくかを注力しました。


●ペン対応も売りに ペンの衝撃や貫通耐性も向上


―― AI Pen Kitも大きな売りになります。特にGalaxyがペン対応をやめてしまった後だけに、そこはもっと突いてくるのかなと思っていました。


河野氏 恨まれても困りますから(笑)


中川氏 ディスプレイをアップデートしたことで、ペンに対しても強くなりました。衝撃や貫通耐性が上がり、より長く使っても安心なペンに適したディスプレイになったことはアピールしています。


河野氏 私自身、別件で発表会後に台湾に行きましたが、そこで契約書をレビューする機会がありました。日本の法務から届いた内容にペンで赤入れをし、Wordに保存してピッと送り返すというようなことをやりましたが、ものすごく便利でしたね。そこにAIは一切使っていませんでしたが(笑)。


―― ただ、グラフの下書きをサクッと清書してくれる機能は、ビジネスにも普通に取り入れられそうだと思いました。記事に載せるグラフも、いちいちExcelに数値を入れなくてもいいので楽になります。


河野氏 確かにそうですね。あと、AIという点では個人的にはMindspaceをよく使っています。これも台湾に行ったときの話ですが、現地で催事をやっていて、リンクがメールで送られてきたのですが、開いたら中国語でした。それをSnap Keyで保存しただけで、全部日本語にしてくれて、場所をそのままUberに入れてそこに行くことができました。ものすごく便利ですよね。日付も書いてあって、それを直接カレンダーに入れることもできます。


―― 後からPCで振り返りたいこともありそうですが、現状だとスマホの中で完結してしまうのが少々残念なところです。


河野氏 その要望は社内で挙げています。機能としては素晴らしいものですが、マルチデバイスで使えないと本当の価値を発揮できないですからね。


●au Flex Styleでの扱いは双方にメリット 戦略的価格は期待の表れ


―― フォルダブルスマホほど画面が大きくなってくると、ペン以外にもいろいろとつなげてより便利に使いたくなってきます。中国での発表時にはキーボードもありましたが。


河野氏 あれは中国限定でした。他にも、サードパーティー製ですが、手帳として持ち運べるようなアクセサリーやペンホルダーなどが出ています。auさんのような(アクセサリーに注力する)販売方針を取っているところもあるので、アクセサリー群は展開できたらいいなと思っています。


―― そのauですが、au Flex Styleの価格は30万円を切っていて他より安かったのが印象的です。


河野氏 auさんとは、一歩一歩着実に成果を出しているところです。ご採用を継続していただいていることもあり、何とかしてauさんの期待には応えたい思いがありました。そのような中で、au Flex Styleとしてご採用いただき、戦略的な価格を打ち出してきたのはわれわれに対する期待の表れなので、責任感も感じています


―― 今回はありませんが、Find X9はSoftBank Free Styleでも販売されています。


河野氏 ご採用いただくには、相思相愛でなければなりません。私どもが売ってくださいと言うだけのものではないですし、お互いがお互いの価値を認めて一緒に手を組むことが大事だと思います。


―― こういった形での販売が増えているのはなぜでしょうか。


河野氏 お互いにとってメリットがあります。特定のアプリをインストールするとどうしても検証等々に時間が取られますし、ローカライズにも時間がかかります。そういったところも含めて、お互いにメリットがあります。


●おサイフケータイ非対応なのは目標販売台数が少ないから


―― 一方で、Find N6はおサイフケータイ非対応でした。これはなぜかを教えてください。


河野氏 はっきり言ってしまうと、目標販売台数が少ないからです。数万台出せる端末と、数千しかない端末だと、1台あたりにかかってくるコストも変わります。そういった意味で、まずは搭載を見送りました。


―― “まずは”ということは、売れれば次はあるかもしれないということですね。


河野氏 可能性の話で言えば、あります。私は海外からのお客さまをアテンドすることもありますが、今はクレジットカードの決済で通過できる駅もありますし、Suica自身も何年か後には変わっています。数年後には情勢が変わっているかもしれない。そこは市場の動向を注視していきますが、一方で日本市場は減点方式で見られます。特にミドルのReno Aシリーズには今後も必ず搭載していきますし、その上のミドルハイについても販売パートナーと協議しながら進めていきます。


●Find X9 Ultraの日本発売告知は“禁じ手”だった


―― 今年はさらに最上位モデルのFind X9 Ultraも発売されます。あの発表には驚きました。


河野氏 今回、Ultraの発表に関しては非常に慎重に検討しました。言葉を選ばず言えば、禁じ手だと思っています。フラグシップの発表で次のフラグシップの発表をするのは、本来だとやらないことです。ただ、私どもが日本市場にどれだけ注力していくのかを示すためにも、検討した結果、あのタイミングでの発表が適切であろうという判断になりました。


―― グローバル発表よりも早いというのは異例だったと思います。


河野氏 そうですね。これは、Find X9 UltraとFind N6の想定ユーザーが全く異なるからできたことでもあります。買い控えが起こらないという想定です。値段も若干違いますからね。


―― カメラスマホということで、期待している人も多いのではないでしょうか。


河野氏 もともとOPPOはBlu-rayレコーダーを開発していた会社なので、映像ソースをいかに忠実に再現するかに強みを持っていました。その考え方は、スマホにも生きています。見たままをいかに忠実に切り取るか。その方向性は、ハッセルブラッドとも似ていて、ぜひパートナーにということで話が進んでいきました。


●フラグシップ並みのカメラを搭載


―― その思想は、Find N6にも受け継がれていますよね。カメラが強化されたのも、今回の特徴だったと思います。


中川氏 海外で出ていたFind N5のときよりも画素数が高くなったり、インカメラもセルフィーを楽しめるようにアップデートしたり、フラグシップ並みのカメラを搭載するようになりました。


河野氏 超広角カメラも暗いところでの集光率が上がって、きれいになっています。


―― 他社も含めて、フォルダブルでここまでカメラにこだわるところはあまりないような気がします。


中川氏 今までのフォルダブルスマホに足りなかった部分を追求しています。バッテリーやカメラなどを総合的にアップデートして、開けばスマホ、閉じればフラグシップ並みのカメラを普通のスマホのように楽しんでいただけるように設計されています。


●そもそも交換修理のない製品を作ることに注力


―― 今回、Find N6には保護フィルム無償貼り替えや代替機無償貸し出しなどのプレミアムサービスがついています。こうしたサポートの体制面も頑張ったところではないでしょうか。


河野氏 いかに日本のお客さまが購入されるときの障壁をなくしていくかに注力しました。フィルムの貼り替えもそうですし、O Careでは代替機の無償提供も実現しています。


―― リアル店舗やサポート拠点を設置していくお考えはありますか。


河野氏 その部分に関しては、可能な限り販売パートナーと一緒にやっていきたいと考えています。キャリアさんだけではなく、さまざまなパートナーと組んでいきたい。昔から申し上げているような「三方よし」の考え方です。


―― 修理会社のようなところでしょうか。


河野氏 いろいろな会社がありますが、そういったところとパートナーシップを結んでいきたいと考えています。


 ただ、Find N6を開発するにあたって本社が注力したのは、そもそも交換修理のない製品を作ることで、これはとても大事だと思っています。壊れたときにどうするか、よりもそもそも壊れないことが大事です。これは、Find N6だけでなく、他の製品にも当てはまります。昨年Find X9を発表した際には、「Apex Guard」が採用されていると言いましたが、まさにそれです。


―― 実際、修理の受付件数が減っていたりもするのでしょうか。


河野氏 実験室の中での検証と実環境は全く違うと思っていますが、想定の範囲内で故障やトラブルは減っています。もちろん想定外の部分はありますが、それは何が原因かを吸い上げて、今後の開発に反映させていきます。


●価格は維持する予定だが、値上げの可能性はゼロではない


―― 発売して、いかがでしたか。公式の販路では、オレンジがすぐに在庫切れになっていました。


:河野氏 Find X9もそうでしたが、初動は動きます。そもそも割り当て台数が少ない中で、販売パートナーさんとも平等に付き合っていかなければならないので、どこかの販路だけを優遇することはできませんし、ましてや自分たちを優遇することはできません。割り当ては公式が一番少ないのが実態です。


―― 追加はあるのでしょうか。


河野氏 そこが高価格帯のスマホの難しいところです。


―― Find Nシリーズ、Find X Ultraシリーズとラインアップが拡大しています。例年だと、時期的にReno Aシリーズの発表も控えていると思いますが、今後、発表回数は増えていくのでしょうか。


河野氏 難しいところですが、グローバルモデルと日本モデルでは開発サイクルが違います。グローバルモデルは6カ月単位で年2回発表ですが、これは私どもだけでなく、中国メーカーのほとんどが同じサイクルです。一方でReno Aシリーズは年1回の発表になるため、最小公倍数的にかぶるときが出てくると思っています。


―― Find N6もグローバルとの比較ではお安いというお話でしたが、コスパが売りのReno Aシリーズも含めて今後、この価格を維持することは可能でしょうか。物価高やメモリ不足などが深刻化していますが。


河野氏 このモデルに関して言えば、価格を維持する予定です。ただ、戦争が起きていますからね……。そこはどうなるか分からないので、値上げの可能性はゼロではありません。欲しいと思った方は、お早めにお買い求めいただければと思います。


●取材を終えて:キャリアが扱うモデルが増える可能性も


 フラグシップモデルをテクノロジーショーケースと位置付けたOPPO。この方針に基づくと、Find N6や予告されているFind X9 Ultraのように、小ロットでも販売に踏み切るモデルは今後も増えていきそうだ。Find N6やFind X9 Ultraを見れば分かるように、OPPOのフラグシップモデルは個性が強く、技術力を発揮した端末が多い。人とは違うスマホを求めている人には、歓迎できる動きといえる。


 こうした方針の中、キャリアも徐々にオープンマーケットモデルを取り入れる動きを顕在化させている。インタビューでも言及のあったau Flex StyleやSoftBank Free Styleがそれだ。試験的ながら販路を拡大できるため、OPPOのフラグシップモデルは相性がいい。ここからキャリアモデルにステップアップする端末が出てくるかにも、注目したい。



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