
5月24日(日)の放送テーマは、「安心して楽しもう! 運動・スポーツの安全ガイドライン」。スポーツ庁 健康スポーツ課の中村宇一(なかむら・ういち)さんから、運動やスポーツ中の事故を防ぐためのガイドラインについて話を伺いました。
(左から)松井玲奈、中村宇一さん、杉浦太陽
◆運動・スポーツ中の事故を防ぐためのガイドライン
スポーツを楽しむのに絶好の季節を迎えています。一方で、運動中の事故リスクが年々上昇傾向にあるという不安なデータがあります。「スポーツ安全保険」という、学校の子どもたちや地域のスポーツクラブなどで運動する人が多く加入している、保険の記録をもとにしたデータによると、運動・スポーツ中の事故件数が増加傾向にあり、2023年度には後遺障害が残る事故が390件、死亡事故も17件発生しました。こうした状況を受け、スポーツ庁は「安心・安全に運動やスポーツを楽しめる環境づくり」を目的に、初めて包括的な安全ガイドラインを策定しました。
中村さんは、「正式名称は『運動・スポーツにおける安全対策の評価・改善のためのガイドライン』(以下、安全ガイドライン)と言います。運動やスポーツを楽しむために、ケガや事故、暴力、ハラスメント、熱中症などをどう防いでいくのか。その対策を知り、適切に対応することが大切なので、そのために作られた安全ガイドラインです」と紹介します。
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安全ガイドラインでは、こうした考え方を見直し、科学的な知見に基づいて安全対策をとることを重視しています。競技の種類を問わず、年齢や性別、障害の有無、プロ・アマチュアの区別なく活用できる内容となっており、スポーツだけでなくダンスやレクリエーションにも対応しています。
また、実際の現場でも分かりやすく活用できるように、指導者や運動する人など「5つの立場」に分けて整理されているのも特徴です。それぞれの立場ごとに注意点がまとめられており、具体的な行動へ落とし込みやすい構成になっています。
◆運動・スポーツを安心安全に楽しむために…
番組では、安全ガイドラインのなかから、事故防止のために多くの人に知ってほしいポイントを紹介しました。
【心得その1「自分の体を知ろう!」】
自分の筋力や体力に合わない無理なトレーニングは、ケガにつながるリスクを高めます。そのため、まずは自分の体の状態を正しく把握することが大切です。スポーツ庁では、運動・スポーツをする人に向けたガイドラインのなかで、自分の身体機能を確認する「セルフチェック」を定期的におこなうことを推奨しています。さらに、ケガ予防に効果的な「改善エクササイズ」など、具体的な提案もおこなっています。
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【心得その2「道具・用具を使うときは、安全に使おう!」】
公益財団法人「スポーツ安全協会」の過去のデータによると、障害物や道具、飛来物によるケガが全体の約4分の1を占めており、特に野球やソフトボールは、その割合が約半数にのぼるそうです。中村さんは「道具や用具を使うときは、周りの人にも気を配りながら正しく扱うことを心がけてください。指導者の方は、責任をもって道具に破損や劣化がないかを確認することが大切です」と注意を促します。さらに、接触の多い競技や道具を使うスポーツでは、ヘルメットやプロテクターなど、必要に応じて保護具や安全装備を身に着けることが重要です。
安全対策は、競技そのものだけではありません。使用する施設や実施場所に危険がないか、事前に確認することも大切です。「老朽化した設備や危険な突起物がないかをチェックすることが大事です。それから、ときどきサッカーゴールやテニスの審判台が倒れることもありますので、それらがしっかり固定されているかの確認も必要です」と話します。
加えて、AED(自動体外式除細動器)の設置場所を事前に把握しておくことも重要とし、「最近はAEDのレンタルなどもできますので、設置されていない場所で運動強度の高い競技やコンタクトスポーツをおこなう場合は、レンタルして準備しておくことも必要ですし、スポーツ大会などをおこなう場合は、事故が起きたときに迅速に対応できるよう、あらかじめ応急体制を整えておくことも重要です」と説明します。
【心得その3「いかなる理由でも暴力・ハラスメント行為はダメ」】
安全ガイドラインでは、「暴力・ハラスメント」の防止についても言及しています。中村さんは、スポーツ現場では現在も暴力やハラスメントの問題が起きていると語り、「日本スポーツ協会の相談窓口に寄せられた相談を見ると、暴力・ハラスメントの被害者の約半数が小学生でした。さらに、中学生と高校生を合わせると、被害者全体の約8割を子どもが占めています」と紹介します。
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安全ガイドラインでは「熱中症対策」についても記されています。暑さを理由に運動を完全にやめてしまうのではなく、適切な対策を取りながら継続することが大切です。その対策として、中村さんは「あまり知られていないことですが、暑くなる前から徐々に体を慣らしておくことが非常に大事だと言われています。それから、水分・塩分補給、体を冷やすことも大事になっていきます。また、安全ガイドラインでは、暑さ指数が31以上、または、気温が35度以上の場合は熱中症のリスクが高まるため、涼しい場所を確保したり、時間帯をずらす工夫も重要としています」と語ります。
なお、暑さ指数は気象庁のサイトなどで確認できたり、専用の測定器も市販されています。運動中は忘れずにチェックしましょう。
最後に、中村さんは「運動やスポーツは、安全があってこそ心から楽しめるものです。今回ご紹介した安全ガイドラインに加えて、現場で使いやすいチェックリストも用意していますので、日頃の対策に役立てていただけたらと思います」とコメントしました。
番組のエンディングでは、杉浦と松井が今回学んだ「運動・スポーツの安全ガイドライン」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。まず松井は“自分の体を知ろう!”とスケッチブックに書きました。続いて、杉浦は“運動・スポーツの安全ガイドラインを使ってみよう”と注目ポイントを挙げ、「『運動・スポーツの安全ガイドライン』は、スポーツ庁のスポーツの事故防止についてをご確認ください」と呼びかけました。

(左から)杉浦太陽、松井玲奈
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・松井玲奈 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30〜7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、松井玲奈
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm
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