“小4で英検準1級”の娘がハワイの現地校でぶつかった壁。元テレ朝アナが「親は無力」と悟ったワケ

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2026年05月28日 09:00  女子SPA!

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 新卒から18年半、テレビ朝日のアナウンサーとして、報道、スポーツ、バラエティなど多岐にわたる番組を担当してきた大木優紀さん(45歳)。

 40歳を超えてから、スタートアップ企業「令和トラベル」に転職。現在は旅行アプリ「NEWT(ニュート)」の広報を担当。さらに2025年10月には、ハワイ子会社「ALOHA7, Inc.」のCEOに就任し、家族とともにハワイへ移住。新たなステージで活躍の場を広げています。

 第48回は、前回の「日本での英語教育編」に続き、その“答え合わせ”ともいえるハワイ移住後のリアルについて。ネイティブ環境の現地校で、日本で積み上げてきた英語教育は本当に通用したのか。子どもたちそれぞれの適応から見えてきた現実を綴っていただきます。(以下大木さん寄稿)

◆日本で受けてきた英語教育、ハワイで通用したのか?

 前回のコラムでは、わが家が日本でどんな英語教育をしてきたのかについて書かせていただきました。

「英語は一生使えるモノ」と、保育園はインターナショナル系の園へ。小学校は私立に進学させ、日本の教育をベースにしながら、英語はとにかく本をたくさん読むことで、文法だけでも残るようにと願っていました。

 しかし、英検準1級にも合格し、順調に英語力を伸ばしてると思っていた娘から、「英語が好きじゃない。お母さんがなってほしい私と、私がなりたい私は違う」と言われ、本人が楽しめていないならと、英語に関しては私から何かさせることは完全にやめました。

 そんな“半分燃え尽き状態”だった2025年10月。私の仕事の都合で、まさかのハワイへ移住することが決まったのです。

 ここからは挫折期を経て、達観期です。

 これまでの日本での英語教育がどこまでネイティブに囲まれた現場で使えるのかが実験実証される形となりました。

 今回は、そんな「日本での英語教育、結局どうだったの?」という話を、かなりリアルに書いてみたいと思います。

◆英検準1級に合格した、娘の現在地

 英語多読のメソッドがぴったりとはまり、娘は小学4年生で英検準1級に合格しました。ハワイに移住することになっても、少なくとも、英語の「読み書き」に関しては、自分なりの自信を持っていたように思います。

 誕生日のタイミングの関係で、日本の小学校を卒業する前に、ハワイのミドルスクール、いわゆる日本でいう中学1年生の学年(グレード7)に入ることになりました。娘は日本より1学年上の環境に入ることになったのです。

 英語だけでなく、授業内容そのものについていけるのか、親としてはかなり心配していました。ですが、実際に通い始めてみると、「先生の言っていることも、授業で書かれている内容も、ほとんど理解できるし、授業も楽しい!」と本人は言っています。

 もともとコツコツ努力できるタイプなので、プレゼンの課題があれば、家で英語のスライドを作り、何度も練習してから学校へ行く。

 日本で続けてきた多読は、決して無駄ではなかった。これが、今の娘の現在地です。

 少なくとも、「授業についていけない」という状態ではなく、内容を理解し、楽しめるレベルには達していました。

◆英語を“話す”ことは少し苦手

 ――ただ、そんな娘にも、大きな壁がありました。

 それが、「スピーキング」です。

 もともと慎重で、失敗を恐れる性格ということもあり、英語を“話す”ことには少し苦手意識があったようです。

 実際に、ハワイの公立校に入学した際、英語4技能のチェックが行われたのですが、娘はスピーキングだけが際立ってスコアが低いという結果に。逆に、リーディングとライティングは、ほぼ基準をクリアしていました。

 その結果、娘はESL(英語を第一言語としない子ども向けのサポートクラス)に入ることになり、スピーキング面の支援を受けることになりました。

 書くことはできるので、ある程度自信がつけば、少しずつ言葉は出てくるのではないか――親としてはそんなふうにも感じています。

 ただ今回、改めて実感したのは、英語教育をしていても、現地でどこの壁にぶつかるかは、その子の性格や個性によってまったく違う、ということでした。

◆「間違っても話す」息子が、いちばん現地に馴染んでいた

 一方で、息子は小学4年生で、ハワイでも同じように4年生の課程、つまりエレメンタリースクール・グレード4に入りました。

 息子はとにかく社交的。むしろ、その積極性が裏目に出ることもあるくらいの“突撃タイプ”です。初日から、文法も発音もかなり怪しい英語で、とにかくガンガン話しかける。こちらが「そんな勢いで行くの!?」と驚くくらい、とにかく物怖じしませんでした。

 だからこそ、友達を作るのが本当に早かった。

 今のところ、家族4人の中で、いちばん“言語の壁”や“文化の壁”を軽々と飛び越えているのは、息子かもしれないと感じています。

 ただ、その一方で、息子にはまた別の課題があります。

 もともと本人があまり読み書きを好きではないこともあり、リテラシー面はかなり苦戦中。授業では当然、ネイティブ向けの高度な英語が使われるので、「何言ってるかわからない」となることもしょっちゅうです。

 そのため、読み書きに関しては、かなりのサポートが必要だなと感じています。

 実際、娘と同じようにESLのテストを受けたところ、リーディングやライティングを含めた点数はよくはありません。

 ですが、スピーキングの点数は姉よりもよく、合格点に近いスコアが出ていました。

 息子の場合、そもそものコミュニケーション能力が高く、非言語のスキルで壁を乗り越えていくタイプのようで、とても頼もしく思っています。

 もちろん、読み書きの課題はこれからですが、あれだけ失敗を恐れずに話しかけにいけるなら、“会話力”という意味では、もしかしたら家族の中でいちばん伸びるのが早いのかもしれない――そんな期待もしています。

◆結局、日本で英語教育はできるのか?

 「日本で英語教育はできるのか?」

 その問いに対する、今の我が家なりの答えは、「親が用意できるメソッドや環境は、“種まき”に過ぎない」ということです。

 そこから、どんなふうに花を咲かせるのかは、本人が持っている資質や性格、そして最後は“本人の意思”に大きく左右される。

 ハワイに来て、そのことを痛いほど実感しています。

 娘には、私が「正しい」と信じて積み上げてきた英語教育の知識が、たしかに武器として残っていました。多読によって培った読解力やリテラシーは、実際に現地校でも彼女を助けています。

 一方で息子は、幼い頃からインターナショナルな環境に触れてきた経験が、彼自身の“度胸”や“図々しさ”と結びつき、人とのコミュニケーションを突破する力になっていました。

 どちらも正解で、どちらも足りない部分がある。

 結局、子どもは親の思い通りには育たないし、同じ教育をしても、兄弟ですら全然違う形で育っていくのです。

 当時の私は、「どうすれば子どもに英語力をつけられるのか」と、いろんなことを調べ尽くして、戦略を立てて試行錯誤を繰り返しました。

 でも、そんな私が今ハワイで感じているのは「親は無力である」という感覚です。

 ただ、それは決してネガティブなものではなくて、教育って結局親にとっての一種のエンターテイメント。夢を見させてもらったエンタメだったんだなというのが私の大きな結論です。

 親にできるのは、「こんな世界もあるよ」と環境や選択肢を並べることだけ。小さいうちは、そのレールに子どもを乗せることもできます。でも、大きくなるにつれて、最後にどの道を選ぶのかは、やっぱり本人なのだと思います。

 それでも、教育は楽しい!

 親というものは無力だという結論に辿り着きましたが、子どもたちのおかげで、教育というものに出会うことができた。それにはありがとうという気持ちでいっぱいです。

<文/大木優紀>

【大木優紀】
1980年生まれ。2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。2児の母

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