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「サンタさん、弟の病気をなおしてください」――2025年のクリスマスシーズン。病気と戦う弟のために7歳の兄が書いた手紙が、Xで大きな反響を呼びました。
あれから約半年。手紙の写真を投稿した母・あやぽんずさんから、編集部宛に嬉しい知らせが送られてきました。
「無事退院して自宅で過ごせるようになりました」
弟を思う兄の切実な願い。その後について話を聞きました。
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現在6歳の次男くんは、約3年半前に左目にがん(網膜芽細胞腫)を発症。眼球摘出手術を受けたものの、2025年10月にがんが鎖骨へ再発・転移しました。さらに治療の過程で脳梗塞も併発し、クリスマスシーズン真っ只中だった2025年12月当時は入院生活を送っていました。
あやぽんずさん一家では毎年、子どもたちがサンタクロースへ手紙を書き、その内容を親がサンタさんへ送る約束になっています。
その時も長男くんは、自らサンタさんへの手紙を書いていました。
手渡された手紙を見たあやぽんずさんは、思わず言葉を失います。そこに書かれていたのは、欲しいおもちゃやゲームの名前ではなかったからです。
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「サンタさんへ プレゼんトはいらないので おとうとの***(名前)のびょうきを なおしてください」
弟を思う長男くんの言葉に、胸がいっぱいになったといいます。自ら気持ちを伝えられるまでに成長したことへの喜びと、入院中の弟と離れて過ごす寂しさを抱えさせてしまっている切なさが、一度に押し寄せたからでした。
実は長男くんは、サンタさんへの手紙だけでなく、主治医の先生にも手紙を書いていました。そのことを知っていたあやぽんずさんは、「きっと長男の想いは届くよ。大丈夫だよ」と抱きしめながら伝えたそうです。
この出来事を、あやぽんずさんはXに投稿。長男くんが生後約1か月半の頃に開設した育児記録用のアカウントで、日々の喜びや悩み、家族の出来事をつづってきた場所でした。
その延長で、何気なく投稿した長男くんの手紙。しかし投稿は、想像を超える反響を呼ぶことになります。
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「涙が出た」「どうか願いが届きますように」――。
励ましや応援の声が次々と寄せられ、いいねの数は3.6万件を超えました。おたくま経済新聞でも当時、あやぽんずさんに取材を申し込み、長男くんがサンタさんに託した願いを記事として紹介しています。(『「おとうとのびょうきをなおして」7歳の兄がサンタに託した切実な願い』)
あやぽんずさんによれば、再発した次男くんのがんは縦隔、右下顎骨、右鎖骨リンパ節に転移。脳梗塞の症状については、医師から「(言葉を)言葉として認識できないかも」「音としての認識になるのでは」「救命不可能な状態になる恐れも」と聞かされていたとのことです。
2026年1月に医師から聞いた次男くんの状態では、治療を最後まで行ったとしても5年生存率は40%。
治療中も40度の発熱が数日間続く中で血圧が低下し、PICU(小児集中治療室)に入ることになったり、化学療法の副作用で粘膜障害を起こしたりと、過酷な日々が続いたそう。
しかし次男くんのがんは、ほかの部位に転移することもなく、次第に回復。縦隔には腫瘍が残っているものの、MRIで見る限りは生きた腫瘍はないようです。
また脳梗塞についても、同様に経過は良好。イラストや文字などが書かれた「コミュニケーションカード」を使用せずとも、身振り手振り等も交えながらコミュニケーションを取ることができる状況に。
今後体調不良を起こした際に呼吸に問題が生じる可能性は残っているものの、「いつ急変してもおかしくない」という状況からは脱せられたと、あやぽんずさんは話しています。
そして気になるのが、長男くんが書いたサンタさんへの手紙。
あやぽんずさんは手紙の内容を入院中の次男くんに伝え、「(お兄ちゃんに)会いたいね」と話したそうです。すると次男くんは、当時は言葉を発することができない状況ながら、嬉しそうに頷いていたとのことです。
クリスマス当日はPICUで迎えた次男くん。院内の保育園が催してくれたイベントでプレゼントをもらい、ウクレレの演奏を嬉しそうに聞くなど、楽しいひとときを過ごしたそう。
一方の長男くんにも、あやぽんずさんはプレゼントを用意。普通であれば喜ぶところですが、長男くんの胸中は複雑だったようです。
というのもサンタさんへの手紙で「弟の病気を治して」と願ったため、プレゼントを前にしても「これをもらったらお願いが叶わないんじゃ……」という思いがあった様子。長男くんが、どれほど本気で次男くんの回復を願っていたかが伝わってきます。
そんな長男くんですが、あやぽんずさんから「サンタさんは何人もいる」と説得されると、安心したのか、喜んで受け取ってくれたそうです。
次男くんが退院できると分かると、とても嬉しそうにスキップをしていたという長男くん。しかし発語が困難であることなど、以前とは状態が変わっていることには心配をしている様子も。
しかし退院後は次男くんの荷物を持ったり、よだれが出ていることに気づいたらすぐに拭いたりと、率先してケアのお手伝い。次男くんがどんな状態であろうと、積極的に助けるお兄ちゃんらしさを発揮しているとのこと。
あやぽんずさんが「ママがやるからお兄ちゃんはお兄ちゃんのしたいことをやっていいんだよ」と伝えても「これが僕のやりたいことなんだよ」と返ってくるのだとか。
とはいえあやぽんずさんには「(長男くんを)ヤングケアラーにはしたくない」との思いがあり、彼の気持ちには「様子をみて甘えてます」と話しています。
次男くんはこれから、訪問看護や訪問リハビリなどを受けつつ、訪問学習で学校に参加する予定だそう。
あやぽんずさんに今後のことを詳しくうかがってみると「辛いことを経験した2人にはそれ以上に幸せなことが起こって欲しい」「やりたいことを叶えてあげたい」との答えが返ってきました。
「何気ない日常に感じていた近所の公園に行く、散歩に行くことからはじめて3人での生活を過ごして行けたらと思っています」(あやぽんずさん)
長男くんの願いをかなえたのは、もちろん医療スタッフによる懸命な治療の積み重ねです。しかし、弟を思う兄のまっすぐな気持ちもまた、家族を支える大きな力になっていたことは間違いないでしょう。
なお、目下の目標は、今夏に公開される「クレヨンしんちゃん」の映画を観に行くこと。そのために次男くんは、体力づくりに励んでいるとのことです。
次男くんは6歳、長男くんは7歳。
楽しいことは、まだまだこれから!
<記事化協力>
あやぽんず7y+6y さん(@ayaponponpons)
(ヨシクラミク)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By ヨシクラ ミク | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026060104.html|
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