ブリッシュラック(撮影:下野雄規) 安田記念の香港馬と言えば、この馬の名前を最初に思い出す人が多いのではないか。05年、06年、08年と実に3回も参戦したブリッシュラックである。ここでは00年のフェアリーキングプローンに続き、香港馬として史上2頭目の戴冠となった06年のレースを振り返る。
リベンジを期す一戦だった。前年のチャンピオンズマイルではサイレントウィットネスに初黒星を付けるなど、香港を代表するトップマイラーに成長していたブリッシュラック。ただ、同年の安田記念では0秒2差の4着に敗退。陣営がその悔しさを忘れることはなく、地元でレースを重ねながら地力を強化し、再び東京競馬場にやってきたのだった。レースは単勝オッズ10倍以内が7頭もいる大混戦。展開一つでどの馬にもチャンスがありそうな雰囲気だった。
レースはメイショウボーラーが逃げて、ローエングリンとバランスオブゲームが続く形。1番人気のオレハマッテルゼと2番人気のダイワメジャーは好位から。3番人気に推されたブリッシュラックは中団で脚をためた。前半1000mが58秒1の平均ペース。これなら先行馬も差し馬も五分。直線は横一線の追い比べとなった。
残り400mでダイワメジャーとオレハマッテルゼ、サンデーサイレンス産駒の人気2頭が前に出る。これに並びかけ、一瞬で突き放したのがブリッシュラックだ。B.プレブル騎手の激しいアクションに応えて脚を伸ばし、残り100mでは完全に勝負あった。熾烈な2着争いを尻目に2馬身半差の完勝を収め、前年のリベンジを果たしたのだった。
2着は前年覇者のアサクサデンエンで、そこからハナ差の3着が香港のジョイフルウィナー。この結果を受けて、日本のファンは香港マイル路線のレベルの高さを思い知らされたのである。