

2人の結婚に対する意志の固さは伝わりました。もはや理屈で反対しても意味がないというのは、タカヒロもわかっているのでしょう。「マユだって真剣に人生を考えているのよ」私が穏やかに諭すと、タカヒロは小さくため息をつきました。


「マユの幸せを決めるのも、タカヒロじゃないのよ」私がそう言うとタカヒロはゆっくりと立ち上がり、マユの部屋へと向かいました。そして「ちょっといいか」とドアをノックします。静かにドアが開くと、マユが怪訝な顔で出てきました。

ヨウタくんが帰った後、私はタカヒロと話しました。ヨウタくんの言っていることはたしかに「若者の理想論」なのかもしれませんが、私としてはその理想を追い求めていってほしいです。26歳のときの私のように仕事か結婚か、どちらかを諦めるなんてことがないように……。
ようやく折れたタカヒロは、マユの選んだ道を認めて「精一杯やってみろ」と声をかけました。タカヒロの言葉は不器用すぎて、全然素直じゃありません。でもその言葉が、何よりのエールだとマユもわかっているのでしょう。これでわが家も新しい一歩を踏み出せそう。私はホッとしたのでした。
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