8号車トヨタTR010ハイブリッド(トヨタ・レーシング) 2026ル・マン24時間レース 6月13日、フランスのサルト・サーキットで、WEC世界耐久選手権第3戦ル・マン24時間レースの決勝がスタートした。
6時間が経過した時点(現地22時/日本時間14日午前5時)では、キャデラック・ハーツ・チーム・JOTAの38号車キャデラックVシリーズ.R(セバスチャン・ブルデー/アール・バンバー/ジャック・エイトケン)が総合トップに立ち、8号車トヨタTR010ハイブリッド(トヨタ・レーシング)、20号車BMW Mハイブリッド V8(BMW Mチーム WRT)らと首位交代を繰り返しながら、レースをリードしている。
■7号車トヨタにスローパンクチャーの悲運
週末を迎えたル・マンは、公式予選が行われた木曜までよりも気温が上昇。気温28度/路面温度は38度というコンディションのなか、16時ちょうどにオフィシャル・スターターを務めるサイクリストのマーク・カベンディッシュの合図によりスタートが切られた。
ハイパーカークラス上位勢では2番手スタートの12号車キャデラックがハードコンパウンドのタイヤを選択。その他はミディアムでスタートした陣営が多いようだ。
日本勢では、14番手スタートの7号車トヨタでマイク・コンウェイ、15番手スタートの8号車トヨタでセバスチャン・ブエミがスターターを担当。LMP2クラスの太田格之進組プロトン・コンペティション9号車オレカ07・ギブソンではハリー・キング、LMGT3クラスのケッセル・レーシング57号車フェラーリ296 GT3エボでは木村武史が、スタートからステアリングを握った。
ポールポジションスタートだったBMW15号車のケビン・マグヌッセンは、最初のブレーキングまでにふたつポジションを落とし、2番手スタートの12号車キャデラックがまずは首位へ浮上する。そしてユノディエールの第1シケインへの進入では20号車BMWのラストが12号車をパスして首位に立ち、オープニングラップを制した。
20分が経過する頃には15号車BMWのマグヌッセンはさらにポジションを落としていき、3番手には35号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)のフェルディナンド・ハプスブルクが浮上する。
一方、11&12番手にまでポジションを上げていたトヨタの2台は、開始30分前後で相次いで早めのルーティンピットを実行し、他陣営とピットシークエンスをオフセットさせる戦略を採用した。これは第2戦スパでもトヨタが採用した戦略だ。以降、20号車BMWと8号車トヨタが首位を入れ替えながらレースが進行していく展開となり、トヨタとしてはスローゾーンやセーフティカー等のタイミング次第で燃料ストラテジーの差を埋められるチャンスも待ちながらの戦いとなって行く。
とはいえ、クリーンエアを得た8号車トヨタは、ブエミがファステストラップを記録するなど、そもそも好ペースで快走することに成功。2番手以下に対し30秒弱のギャップをつける場面もあった。一方、35号車アルピーヌ、7号車トヨタ、50号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)、51号車フェラーリらによる接近戦では、テルトル・ルージュでのLMP2車両との接触回避のため50号車フェラーリのアントニオ・フォコがスピンを喫するなど、あわやの場面も見られた。
3時間が経過する頃、コンウェイからニック・デ・フリースに代わっていた7号車トヨタは、スローパンクチャーのため予定外のピットインを強いられ、後退を喫する。
その数分後にフルコースイエロー(FCY)が導入されると、上位3台の20号車BMW、12号車キャデラック、101号車キャデラック(キャデラックWTR)がピットイン。規則で定められたエマージェンシーの給油ストップのみを行い、FCY解除となった次の周に改めてルーティン作業を行うことを強いられた。
3時間30分経過を前に、森のエスで51号車フェラーリのアレッサンドロ・ピエール・グイディとプロトン9号車のヨナス・リードが接触。両車とも走行を続けたが、この接触によりコース上に転がった破損したボラードに、8号車トヨタらが接触するシーンも見られた。ただ、大事には至っていないようだ。のちに51号車にはドライブスルーペナルティが科せられた。
この直後に8号車トヨタがルーティンストップを行うと、首位の20号車BMWシェルドン・ファン・デル・リンデに38号車キャデラックのジャック・エイトケンが接近。ユノディエールの第2シケインへの進入で見事にオーバーテイクを成功させ、ベーシックな戦略を採るグループ内でのトップに立った。
次のスティントでは一時的に順位が入れ替わったものの、エイトケンはフォードシケインで20号車を再びパス。サーキットを沸かせている。
4時間10分過ぎ、暫定首位を走る8号車トヨタは平川亮へとドライバーチェンジ。20号車BMW、38号車キャデラック、12号車キャデラックに続く4番手でコースへと復帰する。その約20分後には、7号車トヨタに小林可夢偉が乗り込んだ。可夢偉はこのあと、ジェネシス、アルピーヌ、フェラーリ、キャデラックらと次々と接近戦のバトルでトップ10圏内を争うこととなった。
5時間が経過すると、38号車キャデラック、20号車BMW、8号車トヨタがピットタイミングの度に首位を入れ替えていく展開へと落ち着いてくる。5時間40分経過前にルーティンピットに入った8号車トヨタは、平川が連続3スティント目の走行へ突入していった。
レース4分の1となる6時間が経過した時点では、ブルデーがステアリングを握る38号車キャデラックがタイミングモニターの最上段に位置しており、約30秒後方に20号車BMWのロビン・フラインス、さらに約3秒後方に8号車トヨタの平川が位置している。6時間経過直前で可夢偉からコンウェイへとドライバー交代を行った7号車トヨタは10番手を走行中だ。
LMP2クラスは序盤、IDECスポールの28号車オレカ07・ギブソンが首位に立っていたが、その後はデュケーヌ・チームの30号車がクラストップに立ってレースを進めた。4時間過ぎからは、プロトンの9号車に太田も乗り込んでおり、6時間経過時点ではクラス10番手を走行している。
LMGT3クラスは、最初の1時間を78号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)がリード。91号車ポルシェ911 GT3 Rやアストンマーティン・バンテージAMR GT3勢、BMW M4 GT3エボ勢らが上位を争うこととなり、6時間経過時点では78号車レクサスが首位。27号車アストンマーティンが2番手、87号車レクサスがクラス3番手というオーダーだ。
木村擁するケッセル・レーシングの57号車フェラーリはクラス19番手を走行している。
現地は21時59分に日没を迎えた。気温25度、路面温度は31度と依然として高めの傾向にあるコンディションも、このあとのナイトセッションでは下がってくることが予想される。
[オートスポーツweb 2026年06月14日]