写真これまで3000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活アドバイザーの菊乃です。髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験を活かし、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
もしあなたが、初デートした男性に「今度(牛丼の)松屋に行きましょう」と言われたら、どう感じますか? 今回は、そういった言動の“裏”を読みすぎてしまう女性のケースです。
◆「相手を疑う」が前提になっている34歳女性
今の婚活は、友人の紹介や職場恋愛よりも、マッチングアプリや結婚相談所などの婚活サービスが主流です。共通の知人がいなくて先に条件が見えてしまうプラットフォームで出会うからこそ、「失敗したくない」という気持ちが強くなりすぎる人もいます。
慎重になること自体は悪くありません。けれども、慎重さが行き過ぎて「相手を疑う」ことが前提になると、せっかくのご縁を自ら壊してしまうことがあります。
34歳の尚子さん(仮名)もその一人でした。有名大学を卒業後、金融機関へ就職。仕事選びの基準は「安定」でした。恋愛経験はありません。
結婚相談所で活動していますが、仮交際に進んでも3回以上会えた男性はいません。「好きって気持ちが分からない。どの男性と会っても嫌になってくる」。そう言って相談にやってきました。
話を聞くと、相手に嫌なところがあるというよりも、尚子さん自身に“被害妄想”とも言えるほど警戒心があることが課題でした。
◆「デート候補が平日」なだけでモヤモヤ
尚子さんはSEの直人さん(仮名)とお見合いし、仮交際に進みました。次回デートの日程調整の際、直人さんから提示された候補は平日の夜と土曜の夜でした。そこで尚子さんは会いたいという気持ちになれず、デートが面倒になってしまったというのです。
菊乃「何が気になったのですか?」
尚子さん「婚活だから分かるんですけど、週末の昼じゃないということは、他にも会っている女性がいるってことですよね」
菊乃「結婚相談所だからそうだと思うんですけど、でも、それの何が問題なんですか?」
尚子さん「平日だと私にそんなに興味がないんだろうなと思ってしまって。実家暮らしなので、親に『夕飯いらない』と言うのも面倒だし、なんだか会うのがしんどくなってしまいました」
確かに婚活では複数人と同時進行で会うことは当たり前です。とはいえ本当に興味がないならまず会いません。同時並行で5人ぐらいとデートしている女性もいます。
にもかかわらず、「他の女性とも会っているかもしれない」から「私に興味がない」に飛躍してモヤモヤしてしまう。これが尚子さんのパターンでした。
◆「松屋に誘ったのは、私の反応を見るため」?
その後、二人は食事デートをしました。
お互い焼肉が好きなので、尚子さんは一人1万円を超える焼肉店を提案したそうです。まだ付き合ってもいない相手との食事としては、かなり高額です。
菊乃「記念日でもないし、まだ付き合っていないのに、高くないですか?」
尚子さん「焼肉なら普通それくらいしませんか? それに、安いお店を選ぶ男性って、結婚したらモラハラになりそうじゃないですか?」
菊乃「むしろ高いお店で相手を試す行為が危険ですよ」
尚子さん「えっ、私の方が危険なんですか?」
デート中、直人さんは「こんなお店初めてです」と挙動不審だったそうです。直人さんが普段食べる焼肉は、松屋の「牛焼肉定食」(890円)。流れで、松屋の話題になり「松屋の『うまトマハンバーグ』が好きなんです」と言っていたとか。
尚子さんが「松屋に行ったことがないから分からないけど、おいしそうですね」と言うと、「今度行きませんか?」と誘われたそうです。でも結局、焼肉デート後に交際解消しています。
尚子さんは私に、「安い店に連れて行って、反応を試そうとしたんじゃないですか?」と話していました。
もちろん真意は本人にしか分かりません。ただ、普通に考えれば、松屋に誘ったのは、自分の好きなものを共有したかっただけでしょう。
婚活では「相手の行動の裏を読む癖」が強い人がいます。しかし、相手の言葉よりも自分の想像を信じるようになると、どんな相手とも関係は深まりません。
◆結婚後も働くか聞かれて「経済的DVをしそう」
さらに別の男性とのお見合いでも同じことがありました。
男性から「結婚後も仕事は続けますか?」と聞かれ、尚子さんは「子どもが生まれたら仕事をセーブするかもしれません」と答えました。結局、その相手とは結婚をイメージできないためお断りしたそうです。
尚子さんは、「働く意思を確認してきたので、経済的DVをしそうな人だと思った」と言うのです。
菊乃「なぜそう思ったのですか?」
尚子さん「妊娠も出産も命がけなのに、簡単に両立できると思っていそう。もし私が仕事を辞めたら、お金を渡さないタイプかもしれないと思いました」
しかし、その男性は「共働きを希望している」とか「専業主婦は認めない」と言ったわけでもなく、結婚後の働き方の希望を質問しただけです。
◆相手の質問に過敏になってしまう理由
そもそも尚子さんは年収500万円ほどの正社員ですが、プロフィールでは年収も大学名も非公開にしていました。
仕事内容の説明も「金融機関で働いている」程度で情報が乏しく、プロフィールからは正社員なのか派遣社員なのかも分かりません。
伝わる情報は「34歳実家暮らし」ということだけです。
菊乃「今のプロフィールだと、経済的に自立しているか分からないんですよ。結婚相談所だと年収を開示している女性もたくさんいるので、空欄が多いならお見合いで確認しますよね。年収や仕事内容を公開してみませんか?」
尚子さん「お金目当ての男性が来ませんか?」
菊乃「500万円でお金目当て男性が大量に集まるとは考えにくいですよ。むしろ自立している証明になります」
婚活では情報を隠す人ほど、相手の質問に過敏になりやすい傾向があります。個人情報を載せたくないかもしれませんが、しっかりしたプロフィールの人と比較検討される場なのです。
◆SNSが「考えすぎ」を加速させる
尚子さんは婚活情報もよくSNSでチェックしています。ネットでバズった「巨人軍の阿部監督を擁護するのはモラハラ予備軍」というようなノウハウもよく見ているようです。恋愛経験が乏しい一方で、誠実な相手か目利きする“根拠のない知識”ばかり増えて、より「考えすぎ」を加速させているのです。
もちろん結婚は人生の大きな決断ですが、まず尚子さんは告白すらされていないのです。誰とも距離が縮まっていないのに、相手をジャッジしすぎて3回デートした人はゼロです。まるで応募者がいないのに採用条件が厳しい企業です。
失敗したくない気持ちは誰にでもあります。
しかし、100%損したくないスタンスになってしまうと、人と支え合う関係は築けません。
婚活市場には、相手を疑う人だけでなく、先入観を持たずオープンに相手と向き合う人もいます。どちらがご縁をつかみやすいかは言うまでもありません。そして、スムーズに婚活を卒業していく人は、あまりSNSで婚活状況を投稿しません。
尚子さんには、年収の公開と、SNSで婚活情報を探さないようにすることと、一人暮らしを強く勧めました。
<文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活アドバイザー、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt