
母がタクヤ一家を大事にすればするほど、自分の存在価値にどんどん自信がなくなっていくような気がしていました。それは母にとって私が「タクヤ一家に尽くすだけの存在」でしかないから……。姉の話でそのことに気づかされます。
話しているうちに、前方に駅のロータリーが見えてきました。姉は静かにブレーキを踏んで車を止めました。「……サトコ、もうやめよう。お母さんは私たちにこの先一生、タクヤ一家を支えさせるつもりよ。可愛い長男が最優先だから」
駅まで送ってもらうあいだ、姉の口から語られたのは母の本心でした。母が優しくしてくれたのは、私たちのことを思っているからじゃなくてタクヤのため。女である私たちに、生涯にわたってタクヤや甥っ子たちに尽くさせるためだったというのです。「タクヤは特別」という言葉の裏には、長男やその息子たちへの期待……男の子が何より大事だという価値観があるのでしょう。
母には何をどう話しても無駄なのだということを痛感させられます。私は姉に駅まで送ってくれたことへのお礼を言うと、静かに車から降りたのでした。
原案・ママスタ 脚本・motte 作画・はなめがね 編集・井伊テレ子
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