妻の美愛さん(26歳)と夫の和義さん(40歳)厚生労働省の人口動態統計によると、2019年の初婚夫婦の年齢差は、同年齢の21.0%が最も多い。次いで夫が1歳上で、同年代同士の結婚が多いことがわかる。
一方で、夫婦で10歳以上離れた「年の差婚」を選択する者もいる。なぜ、その選択に至ったのか。一緒にいることで、周囲からどう見られるのか。
14歳の年の差夫婦である、会社経営者の高橋和義さん(40歳)と妻の美愛さん(26歳)。和義さんは4度目の結婚で、先妻たちとの間には7人の子どもをもうけた。美愛さんは2度目の結婚で、元夫との間に1人の娘がいる。そんな2人に、話を聞いた。
◆美愛さんは「4歳児のシングルマザー」
——2人はどこで出会ったのですか。
高橋美愛さん(以下、美愛):2024年に、私が働いていた宮城県の飲み屋さんへ、和義さんがお客さんとしてきたことがきっかけです。
出会いはとある地元のスナックで、和義さんが経営する会社の従業員の方たちがよく来ていたんです。こういう場所って、だいたい社長の悪口が出るものじゃないですか(笑)。
でも、和義さんのことだけは悪く言われているのを一度も聞いたことがなくて。むしろ酔っぱらいながら「うちの社長はすごいんだよ!」って話してくれる方がいて。そこから「いったいどんな人なんだろう?」と気になり始めたんです。
実際に出会ったとき、正直この人が社長だって、雰囲気ですぐわかりました。
高橋和義さん(以下、和義):はじめて美愛をみたとき「お前、33歳のバツイチ子持ちだろう?」が第一声でした。実際は24歳で、まあ他はほぼ合っていたけど(笑)。それくらい、やつれていたんです。今の方が若く見えるんじゃないかな。
美愛:当時は昼も夜も働きながら、4歳だった娘の育児もして我ながら、よく頑張ってましたよ(笑)。
——前のお相手とも、歳は離れていたのですか。
美愛:私は1歳違いでした。
和義:俺は1回目の結婚は2006年の20歳のときで、相手は2歳下の18歳でした。彼女との間には2人子どもができたけど、彼氏を作って出て行かれてしまったんです。表向きは「俺のDVで施設に逃げ込んだ」ということになっていて、子どもも連れて行かれました。
そのショックで、出張先の飲み屋でやけ酒をしていたときに、ある女性と出会いました。8歳年上の33歳、当時17歳の連れ子がいる、シングルマザーです。彼女とは、1人目の妻と離婚した2012年に結婚しました。
ただ、出張先で出会っていたのと、俺も自分の会社をちょうど設立したタイミングで忙しかったから、別居婚だったんです。この2人目の結婚では子どもが3人生まれましたが、2019年に離婚しました。
◆3回目の結婚で警察沙汰に
——3回目の結婚生活は、どのようなものでしたか。
和義:3回目の結婚相手は1歳年下の女性で、子どもが2人産まれました。でも、夫婦喧嘩をした際に近所から警察に通報されるし、何を言っても聞かないし……。暴れる彼女に参り、俺が自分で警察に電話して助けを求めたこともあり、とにかくめちゃくちゃでした。
3年くらいそういうことが続いて、最後には警察からも「大変ですね」と同情されるようになりました(笑)。2025年7月に、やっと離婚が成立しました。別れた元妻たち3人には、自分の子供を産んでくれて今でも育ててくれていることに、いつも感謝しています。
だから、自分の出来ることはなるべく子供達にもやってあげたいので、「なんか困ったことあれば言ってこいよ」とは伝えています。
——それでも「もう女はこりごり」とならずに、4回目の結婚へ……。
和義:離婚して1週間はそう思うけど、2週間くらい経つと寂しくなっちゃう(笑)。でも、美愛に初めて会ったときは、全く恋愛対象として見ていませんでした。14歳離れているし、バツ3だし、7人子どもがいるし。彼女に従業員を紹介しようとしたくらいでしたから。
美愛:年齢差も、離婚歴も、子連れだということも、私にとっては全然ネガティブな要素じゃなかったんです。離婚していても毎月養育費はきちんと払っているし、子どもたちとの時間も大切にしている。むしろ、いろんな人生経験を積んできた方なんだなと思って、「もっと話を聞きたい!」ってポジティブに感じました。
それに、和義さんって従業員をとても大切にする人なんです。そういう姿を知ったとき、すごく興味が湧きましたね。
和義:初めてそれを言われたときは、「この子、頭は大丈夫なのかな?」と(笑)。あまり真に受けずに、営業トークかな、と聞き流してました。いい車も乗っていたし、お金目当てに言い寄って来る女性は、いっぱいいたし。
でも、話しているうちに、彼女は心が汚れていない、本当に思っていることしか言わないと分かってきたんです。純粋に「いい奴」なんですよ。
2人で飲みに行ったり、美愛の娘とも一緒に遊んだり、仲を深めていって、2026年に結婚しました。
◆母からは「あんた、また結婚するのかよ?もう嫁とか孫の顔は見なくていい」
——ご家族や周囲からの反応について教えてください。
美愛:母は昔から否定せず、何かと応援してくれる人なんです。今回の結婚も少し心配はしていたようですが、「すごくいい人そうだし、あなたがいいならいいんじゃない」と言ってくれて。母自身もシングルマザーとして苦労してきたので、むしろ安心してくれたんじゃないかなと思います。
和義:むしろ、俺が母親から「あんた、また結婚するのかよ?もう嫁とか孫の顔は見たくないんだけど!」と、大反対されていました。
母は俺が5歳の頃に離婚していたこともあって、大事なひとりっ子の息子を「とられた」と感じるみたいです。今までの3人の結婚相手たちともあまりうまくいきませんでしたね。
でも、美愛は過去のどの結婚相手よりも評判がいいですね。今ではすごく気に入っていて、「いい子を見つけたね」と。美愛の娘とすごく波長が合うから、そこも大きいのかもしれません。
◆14歳差でも年の差は関係ナシ「ものすごい愛せるか、どうか」
——6歳の娘さんの、和義さんに対する反応はいかがですか。
和義:まだママと結婚してることを認めてくれてないですね。「結婚式してないじゃん。ケーキカットやってないじゃん? それって結婚してるって言えないよね?」と。でも俺は2回目・3回目の結婚でも連れ子がいたから、そういう反応には慣れています。
そういうときに伝えているのが、「パパが2人いるなんてラッキーじゃん!」と。ママしかいないわけでもないし、パパしかいないわけでもない。パパとママが1人ずつなわけでもない。それってすごい心強いことなんだよ、と。
俺も、娘のパパになろうとはしていません。実の父親とはどんどん会ってほしいし、それとは別の「かずくん」として、一緒に過ごしています。
——私生活でジェネレーションギャップを感じることはありますか?
美愛:14歳差なので、流行や子どもの頃の思い出などでジェネレーションギャップを感じることはあります。でも、それが会話のきっかけになって、お互いのことを知る楽しさにつながっている。年齢の違いよりも、一緒に楽しめることのほうが大切だと感じています。
和義さんは、私が何も言わなくても家事や育児を自然にやってくれるので、「年上だからこう」「年下だからこう」といったギャップをあまり感じません。それも、年齢差を意識せずに過ごせる理由の一つかもしれませんね。
和義:今までの結婚で、初めて「俺が捨てられる側にまわったな」と思うようになりました。「俺のこと捨てないでね」と、いつも言っています(笑)。
——年の差の恋愛をしている方たちに、伝えたいことはありますか。
美愛:年齢の差はあまり関係ないと思っています。大事なのは、その人の人柄や思いやり、そして一緒にいて波長が合うかどうか。年齢にとらわれず、お互いを大切にできる相手と出会えたら、それが一番幸せな恋愛だと思います。
和義:誰とでも大丈夫とまでは言わないけど、自分にとっていいと思えば、年齢は問題じゃない。ものすごい愛せる相手かどうか、ということに尽きます。
実は2026年の8月に、美愛との間に女の子が生まれる予定なんです。8人のパパになるわけだから、タバコもやめて長生きしないと(笑)。
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お互いに離婚経験者だが、前の結婚相手の悪口を一切言わない姿が印象的だった。明るければ強し。何があっても、道は開ける。2人の生き様は、そう教えてくれるようだ。
<取材・文/綾部まと>
【綾部まと】
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother