フリッカージャブ(c)netkeiba【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆血統で振り返る北九州記念
【Pick Up】フリッカージャブ:1着
父サートゥルナーリアはロデオドライブ、カヴァレリッツォ、ショウヘイ、ファンダムなどの父。産駒が芝1200mの重賞を勝ったのは初めてです。
スプリント能力は母方から受け継いだものでしょう。母ナイキトリックは「サクラバクシンオー×フェイヴァリットトリック」という快速型。2代母ナイキフェイバーは外国産馬で、ローカル競馬を得意とするスプリンターでした。ナイキフェイバーを祖とする活躍馬は他にテーオーパスワードがいます。新馬戦-伏竜Sを連勝してアメリカのケンタッキーダービーに挑戦し、5着と健闘しました。こちらは「コパノリッキー×キングカメハメハ」という中距離型の組み合わせなので、ナイキフェイバー牝系であっても距離の融通性があります。
サートゥルナーリアの父ロードカナロアは、アーモンドアイやダノンスマッシュなど多くの重賞勝ち馬を送り出していますが、最も優れた配合パターンのひとつが「ロードカナロア×サクラバクシンオー」。この組み合わせからサトノレーヴ、ファストフォース、キープカルム、テイエムトッキュウ、キルロードなど活躍馬を続出させています。「サートゥルナーリア×サクラバクシンオー」のフリッカージャブは、このニックスに沿った配合といえます。
◆血統で振り返る帝王賞
【Pick Up】ミッキーファイト:1着
父ドレフォンはジオグリフ(皐月賞)やスターアニス(桜花賞)のような芝のクラシックウィナーを誕生させていますが、馬場別の通算成績は芝=87勝、ダート356勝。現役時代にアメリカのダート短距離で実績を挙げた馬だけに、本質的にはダート向きの種牡馬です。2026年の全日本ダート種牡馬ランキング(中央ダート+地方)は、前年に引き続き首位をキープしています。
母スペシャルグルーヴは女傑エアグルーヴの直牝系に属しています。繁殖牝馬としてきわめて優秀で、本馬の他にジュンライトボルト(チャンピオンズC、シリウスS)、グルーヴィット(中京記念)を産んでいます。
エアグルーヴ牝系とドレフォンの組み合わせといえばデシエルトの名が挙がります。中日新聞杯や若葉Sを勝っただけでなく、東京ダ1600mで1分33秒5のレコードタイムを樹立したように、ダートもこなせるタイプでした。
ただ、ミッキーファイトのダート適性は、ドレフォンの影響だけでなく、2代母の父にフレンチデピュティが入ることも大きいでしょう。その父デピュティミニスターはダート向きのノーザンダンサー系種牡馬の代表格。ミッキーファイトはこの血を5×4で持っています。
エアグルーヴ牝系の底力と、デピュティミニスターに由来するパワー。ドレフォン産駒のダートホースのなかでミッキーファイトがとびぬけた実力を誇る理由はこのあたりにありそうです。