

ある晩ギャンブル仲間と飲んだ後、道端で胸が痛くなり、目の前は真っ白で……。誰に助けを求めていいかわからない。そこらへんに人がたくさんいるのに、俺を助けてくれる人なんて誰もいない。目が覚めると病室のベッドの上だった。
「娘に連絡してください。娘が俺を心配しています……!」意識を失う直前、走馬灯のように脳裏に浮かんだのは娘のこと。俺が倒れたと聞いたら、急いで駆けつけてくれるはずだ。きっと心配そうに「お父さん、大丈夫!?」と……。

倒れたとき、とっさに思い出したのは娘のこと。ふわふわのほっぺでまだ歩けなくて、とにかく可愛かったころ。しゃべるようになったら「パパ、おひげが痛いよ〜」って笑って。いつの間にかあまり話さなくなってしまったけれど、きっとあの可愛かった娘なら絶対に来てくれる、そう思っていた。
元妻と離婚したとはいえ、俺と娘は血がつながった親子。娘はきっと俺のことを心配して恋しがっているはず……! だから「来られないそうです」という言葉は、俺には信じられなかったのだった。
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