
なんとなくだるい、集中できない、朝がつらい――その不調、もしかしたら毎日の「食べ方」が原因かもしれません。給食改革で子どもたちの病欠を12分の1にまで減らした実績を持つ農家の吉田俊道さんが今日から1か月で試せる食習慣を紹介します。
「なんとなく体がだるい」「朝、なかなか起きられない」「集中力が続かない」「イライラしやすい」――。
はっきりした病気ではないけれど、なんだか調子が出ない。そんな“プチ不調”に心当たりのある方は、多いのではないでしょうか。ご自身だけでなく、家族の様子を見ていて気になる、という方もいるかもしれません。
その不調、実は毎日の「食べ方」が関係しているかもしれません。
農家が教える「食べ方」の入門書
『「なんかだるい」が消える! 菌ちゃん先生の食べ方入門』は、河出書房新社の人気シリーズ「14歳の世渡り術」の一冊。しかし、そこで語られているのは「元気な体と心をどうつくるか」という、世代を問わず役立つ食べ方の話です。
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著者の吉田俊道さんは、土の中の微生物(本書では親しみを込めて「菌ちゃん」と呼ばれています)の力を生かし、農薬も肥料も使わずに野菜を育てる「菌ちゃん農法」の第一人者。
この本の土台にあるのは、「畑の土を元気にすると元気な野菜が育つ。それと同じで、人もおなか(腸)を元気にすると、いろいろな不調が自然と整っていく」という考え方です。畑と腸を同じ“土”として見る、農家ならではの視点が、この本のいちばんの面白さです。
給食を変えたら、病欠が“12分の1”に。── 吉田さんの実績
「食べ方を変えるだけで、本当に体は変わるの?」と思う方もいるかもしれません。
その問いへの、わかりやすい答えのひとつが、吉田さんが関わった小学校の給食改革のエピソードです。
ある小学校で、吉田さんは給食にいくつかの工夫を取り入れました。
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- 化学調味料をやめてトビウオやいりこ、昆布の粉末だしを使う
- 野菜を皮ごと調理する
- 発酵食品を多めにとり入れる
- ひと口30回以上嚙むことを意識してもらう
本書の「十二ヶ条」の中でも、学校で取り組みやすいものに絞った内容です。
給食は1日3食のうちの1食、しかも平日だけ。食べる量でいえば全体のごく一部にすぎません。それでも――学校全体で年間のべ764名だった病気での欠席者が、1年後には172人、2年後には66名にまで減ったというのです。約12分の1という数字です。
さらに、給食改革の前は平熱が36.5度以上の子どもが学校全体で3割弱だったのが、給食を変えて9か月ほどで約7割に。必ず朝食に味噌汁を飲んでもらうという家庭での協力をお願いした「強化月間」には8割を超えたそうです。
この取り組みは文部科学大臣からの表彰も受けています。
食べ方を変えるだけで、体温が上がり、体調が変わるきっかけになりえる。この本には、そうした変化を後押しする食習慣が、農家の視点からたっぷり詰め込まれています。
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夏に食べたい“最強野菜”=空心菜に注目!
ここからは、本書でおすすめされている食材のひとつ、空心菜にフォーカスしてみます。
空心菜は、夏が旬の葉物野菜。葉物野菜は冬が旬のものが多いなか、暑い時期に元気に育つ貴重な存在です。本書では、吉田さんが「夏の葉物野菜の王様」と呼ぶほどおすすめしている野菜として登場します。
本書によれば、空心菜は夏の強い日差しを浴びても葉が傷まないほど生命力が強く、その理由は、自分の体を紫外線から守るための成分(抗酸化物質。本書では「ファイトケミカル」とも紹介されています)をしっかりたくわえているからなのだそう。
くわえて、汗で失われがちなカリウムも豊富に含まれていると紹介されています。夏バテや暑さが気になる季節に、覚えておきたい野菜です。
そして空心菜の魅力は、味にくせがなく、使い道がとても広いこと。本書でも、サラダや炒め物、味噌汁はもちろん、キャベツの代わりとしてお好み焼きやたこ焼き、ちゃんぽんなどに入れても美味しい、と紹介されています。
「買ったことはあるけれど、炒め物くらいしか作ったことがない」という方も多いはず。せっかくなので、この使い勝手のよさを生かしたレシピにトライしてみましょう。
空心菜を使いこなす!おすすめレシピ
▼炒めるだけじゃない。さっぱり「空心菜のツナサラダ」
まずは、空心菜の意外な一面から。さっと茹でた空心菜を、ツナと玉ねぎ、マヨネーズで和えるだけのお手軽サラダです。炒め物のイメージが強い空心菜ですが、シャキシャキの食感を生かしたサラダにすると、暑い時期にもさっぱりいただけます。冷蔵庫で冷やして食べるのもおすすめです。
▼キャベツ代わりにも!空心菜のじゃがのみ焼き
本書でも提案されているお好み焼き風レシピ。みじん切りにした空心菜を、じゃがいも・ウインナー・卵・小麦粉と混ぜて焼けば完成です。お好み焼き粉がなくても作れるので、思い立ったときにすぐ試せます。ソースとマヨネーズをかければ、子どもも喜ぶおかずやおやつに。
▼あと一品に。空心菜と油揚げのお味噌汁
本書でも、味噌汁は空心菜のおすすめの食べ方のひとつとして挙げられています。空心菜と油揚げでさっと作れる一杯で、炒めたときのようなぬめりが出にくく、シャキシャキとした歯応えを楽しめます。汁物なら、水に溶け出しやすいカリウムも、スープごといただけます。
夏だけじゃない!一年中使える「元気になる食べ方」
空心菜は夏の野菜ですが、本書で紹介されている食事に関する考え方は夏に限った話ではありません。
「野菜は皮ごと食べる」「玄米や分づき米をとり入れる」「いりこ(煮干し)で海のミネラルをとる」「本物の発酵食品を選ぶ」「よく嚙む」――こうした食習慣は、季節を問わず、今日から少しずつ試せるものばかり。
くわえて冬野菜の選び方や、皮を美味しく食べるコツ、消化がよくなる煮干しの食べ方など、一年を通して使えるヒントが詰まっています。
まずは気になったものをひとつ、1か月。それだけでも、体の変化を感じられるかもしれません。
かつては自身も薬で治らないほどのニキビ肌だった
本書のなかで、吉田さんは自身も、かつては食生活のせいでニキビだらけの肌に悩まされ、しかし病院でもらった薬も効かず、どうにもならないと諦めていたと告白しています。
当時は食べ方の影響がどれほど大きいか知らず、お菓子や肉加工品をよく食べ、のどが渇けば水代わりに牛乳を飲んでいた――だからこそ、食べ方を変えることの手応えを、身をもって知っているのです。食生活による悩みを経験してきた人の言葉だからこそ、伝わってくるものがあるのではないでしょうか。
食べ方を変えるのに、大げさな決意はいりません。吉田さんが繰り返し伝えているのは、まずは1か月だけやってみてほしい、というシンプルなメッセージです。
なんとなくのだるさから抜け出して、自分の“性能”を上げていく。その第一歩を、毎日の食卓から始めてみませんか。
著者紹介
吉田俊道(よしだ・としみち)
株式会社菌ちゃんふぁーむ代表取締役。NPO「大地といのちの会」理事長。1959年、長崎市生まれ。九州大学農学部大学院修士課程修了後、長崎県庁の農業改良普及員に。1996年、県庁を退職し有機農家として新規参入。99年、佐世保市を拠点に「大地といのちの会」を結成し、日本全国に、生ごみまたは草・竹・木だけを使った菌ちゃん野菜づくりと人間づくりの旋風を巻き起こしている。2007年、同会が総務大臣表彰(地域振興部門)を受賞。2009年、食育推進ボランティア表彰(内閣府特命担当大臣表彰)。長崎県環境アドバイザーも務める。講演、実演会のため全国各地を飛び回る日々。著書に、農業書としては異例のヒットとなった『図解でよくわかる 菌ちゃん農法』(家の光協会)などがある。
書籍情報
「なんかだるい」が消える! 菌ちゃん先生の食べ方入門(14歳の世渡り術)
著者:吉田俊道
発売日:2026年7月8日
定価:1,694円(本体1,540円)
発行:河出書房新社

