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7月下旬までに、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産登録が確実視される「飛鳥・藤原の宮都」。この遺跡群は、奈良県明日香村を中心に、隣接する橿原市と桜井市に点在する19遺跡で構成されている。6世紀末から8世紀はじめ、いわゆる「飛鳥時代」とされたころに、政治や文化の中枢となっていた場所だ。
飛鳥時代は、女性天皇が活躍した時期でもあった。推古天皇、皇極天皇(斉明天皇)、持統天皇、元明天皇と、4人5代の女性天皇が即位し、国家のかじ取りを行った。
ひるがえって現代の日本では、女性は天皇に即位できない。明治時代に皇室典範に明文化された“皇位は男系男子に限られる”というあり方を、奈良県選出の衆院議員であり、県政史上初の女性首相となった高市早苗首相率いる自民党は頑なに崩そうとしない。
読売・朝日・毎日・日経と全国主要紙が女性天皇・女系天皇を容認するスタンスを示し、かつ世論調査でも容認派が多数となる結果が相次いでいる。そして、天皇陛下の男系女子である愛子さまのご即位を望む声は日に日に高まるばかりだ。
そこで本誌は、「飛鳥・藤原の宮都」の世界遺産登録を目前に盛り上がる地元市民や観光客35人に、(1)「愛子天皇」の是非、(2)「男系男子に限る」という皇位継承のあり方を守るべきか変えるべきか、7月3日、近鉄飛鳥駅や史跡周辺での街頭アンケートを実施した。
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まず(1)、「愛子天皇」の是非について。記者が話を聞いた35人中、34人が「賛成」と答えたのだ。(2)については、「皇位は男系男子に限るべきだ」と答えたのは1人、「どちらとも言えない」は3人、「皇位は男系男子に限るべきではない」と答えたのは31人だったのだ。次に、主な意見を紹介しよう。
飛鳥駅前で話を聞いた60代男性はこう話す。
「天皇は男性でなければダメというのは、これだけ現代では男女平等という価値観が広まっているのに、違和感があります。天皇に愛子さまが即位されてもいいのではないでしょうか」
推古天皇に仕えた蘇我馬子が埋葬されているとされる明日香村の「石舞台古墳」。見学に訪れていた観光客はそれぞれに意見を述べてくれた。
「今どき、誰も『愛子さまが即位したらあかん』と言うてる人はいないと思いますよ。男系男子に限るというのも、言うてるのは麻生(太郎・自民党副総裁)さんくらいなもんちゃいますか」(70代男性)
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「男女平等と言われてしばらく経ちますし、そういう世の中で生活しているから、女性はダメっていうのは感覚的に受け入れられませんよね。なので、女性天皇、『愛子天皇』は認められるべきだと思います」(70代女性)
「女性が天皇に即位できないというのは、世界的に見ても無理があるんじゃないですかね。『愛子天皇』を認めるべきだと思います。ただ、女性天皇は賛成ですが、女系天皇には反対ですかね……皇統はずっと男系で続いてきたといいますし……」(40代男性)
「愛子さまの熱烈なファンだ」と語る2人組の40代女性はこう語った。
「愛子天皇、ウェルカムでしょう。天皇陛下の直系のお子さまですし、気品、知性、にじみ出る人柄の良さ……一人の女性として素晴らしいお方だと思います。私たちの国の象徴ですと、堂々と外国の人に自慢したい気持ちになります。ヨーロッパの王室では、将来女王になられる方がたくさんいるじゃないですか。日本だけ『男だけに限る』というのは、どうもズレているなと感じます」(40代女性A)
「国会ではほとんど『愛子天皇』が論じられないのは、“何を話してんのやろ”って感じ。国民の意見なんか、まったく聞いてないやん。政治家が勝手に皇室のことを決めてしまうって印象しかありません。男でも女でも、天皇にふさわしい人が即位されればいいと思います。
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でも女性天皇が認められるようになったとして、愛子さまにそのお気持ちがあるかどうかを聞いていただきたい。天皇のお子さまだからと有無を言わせず即位していただくというのも、違うというか、かわいそうというか……愛子さまと国民の双方が一致するなら、『愛子天皇』を望みます」(40代女性B)
■地元・奈良が生んだ“初の女性宰相”に期待していたが……
日本最古クラスと言われる「飛鳥大仏」が安置されている飛鳥寺では、こんな意見が聞こえた。
「報道で愛子さまを見ていると、安心感に包まれるような気がするんですよね。男だとか女だとかではなく、天皇になられる素養が高いように多くの人が感じている愛子さまが即位されることが一番いいことだと思います。昔は女性天皇がいたんですから。
男系に限るってのは、ずっと昔に決められていたルールだと最近まで思ってましたけど、明治時代に定められたんですね。そんな最近に決めたことなら、今の時代に合わせて変えてもいいと思います」(50代女性)
「私は『愛子天皇』はいいと思います。ぜんぜんOKでしょう。ただ、男系男子に限るというのは、長く続いていたことを変えるわけですから、かえって大変なのでは……どちらとも言えない、にしてください」(60代男性)
中大兄皇子(のちの天智天皇)と藤原氏の始祖・中臣鎌足が蘇我入鹿を宮中で暗殺した政変「乙巳の変」。殺された蘇我入鹿の首が埋葬されていると伝わる「入鹿の首塚」の前では、唯一「愛子天皇」に反対する声が聞かれた。
「私は『愛子天皇』は反対です。飛鳥時代やその後に即位した女性天皇と、愛子さまが即位される現代では、その意味合いは異なります。たとえば古代の天皇は、次期天皇が幼すぎるゆえに、成長するまでの“中継ぎ”として即位していたりします。現代の愛子さまとは時代も違うし、立場も違うし、軽々に論じることではないでしょう。
でも、『男系男子に限る』という皇位継承のあり方には反対です。だって、お妃として皇室に入られた女性が、“男の子を生まなければならない”というプレッシャーを受け続けるわけでしょう。皇室の方々と結婚したいと思う方が、いなくなってしまいますよ。
“皇室典範を変えて養子を”なんて議論をしていますが、男の子が生まれなかったら、皇族は減っていくばかりでしょう。『男系男子』に固執することで、逆に最後には誰もいなくなって、皇室が消滅するかもしれませんよ」(50代女性)
そして、6月11日、オランダ・ベルギーご訪問に際した記者会見で、天皇陛下は「国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」と述べ、皇室典範の改正について異例ともいえる形でお考えを示されていた。こうした背景もあってか、高市首相へ対する批判も……。
「私は『愛子天皇』賛成です。立派な女性天皇もおったでしょう。そもそも20年前の小泉政権の時に、女性天皇や女系天皇を認める改正が行われる直前までいったのに、いまになって真逆になるような内容になってるって、そもそもおかしいやん。
高市さんも麻生さんも、この前の天皇陛下の記者会見(6月11日に行われたオランダ・ベルギーご訪問に際した記者会見)でのおことばを、肝に銘じてもう一回考え直したほうが身のためじゃないですか。みんなからしっぺ返しを食らうと思いますよ」(60代男性)
持統天皇の時代に完成した橿原市の「藤原宮跡」では、高市首相に失望する声も上がっていた。
「せっかく同じ奈良から女性初の総理大臣が出た言うて、みんな喜んでいました。高市さんは昔『女系天皇には反対だけど女性天皇には反対しない』と言うてたから、“女性総理の次は女性天皇の実現だと期待していたら、まったく反対の方向で皇室典範の改正をやろうと。自民党の力の強い有力者に、口でも封じられてんのやろか。高市さんには裏切られた気持ちや」(50代女性)
ここまでに紹介した声は取材のほんの一部。もちろんこの結果が、「国民の総意」とは言えないだろう。しかし、民意が適切に国権の最高機関である国会に届いているのかと疑問を抱いている人々が少なくないということは、間違いなさそうだ。
いずれにしても、高市政権が進める皇室典範改正は、民意を確認していくというプロセスを経ずして、現実となろうとしている。
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