
患者4人から総額1800万円をだまし取った罪に問われた歯科医院の元院長に対し、千葉地裁は懲役4年6か月の実刑判決を言い渡しました。「お金のために健康な歯を抜かれた」。被害者は判決のあと、やり切れない思いを明かしました。
記者
「被害者が困ってる。なぜ金を集めたのか?」
高橋被告
「閉めてください」
こちらは去年、逮捕される前の高橋仁一被告(59)。高橋被告は、千葉市の歯科医院の院長だった2020年から翌年にかけ、人工の歯を装着する「インプラント」の治療をめぐり、患者4人から合わせておよそ1800万円をだまし取ったとして、詐欺の罪で起訴されました。
どのような手口だったのか。4人とは別の元患者は…
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被害者
「(高橋被告から) 『大変ですよ。セラミックどころじゃなく、インプラントが必要な歯が4本あります』と言われて、頭が真っ白で」
高橋被告からは「インプラントメーカーに講演会の協力金を支払えば、治療費などが全額返済される」などと説明され、250万円を支払ったものの、治療は、歯を抜かれたあと、途中で放棄されたといいます。
高橋被告の歯科医院はおととし6月に破産し、負債総額はおよそ18億円に上りました。
破産前、高橋被告は患者に対し…
高橋被告
「メーカーの名前を出してお金を集めた。詐欺です」
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今年5月の初公判では、「メーカーによる全額返済はうそだった」などとする起訴内容を認めました。
裁判では、歯科医院の経営が悪化し、ヤミ金などから借金をしていたことが明らかに。
高橋被告
「正直にお金を貸してくださいと言えなかった。返済に追われ、判断する余裕がなかった」
高橋被告はこう弁明したうえで、「どんな結果になろうとも全額返済したい」と話しました。
これに対し検察側は、「常習性が認められ、規範意識は鈍麻している」などと指摘し、懲役6年を求刑していました。
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きょうの判決。千葉地裁は…
裁判長
「主文、被告人を懲役4年6か月に処する」
判決は、「歯科医師の立場を利用し、患者からの信頼に乗じた悪質な犯行」「被害弁償の見通しはない」などと指摘しました。
法廷で判決を聞いた被害者は、こう憤りました。
被害者
「全額返済って私、何十回も聞いているんですけども、結果的に1円も返済されていません。それが答えだと思っています」
「歯医者なのに、お金のためにうそをついてまで人の歯を犠牲にしたことは取り返しのつかない行為だと思っています。自分の行為が重大な罪であることを深く自覚し、心から反省してもらいたいと願っています」

