
コミュニケーションアプリ「LINE」内で提供されているショート動画サービス「LINE VOOM」が9月30日をもってサービス終了します。
Xでは「結構見てたから残念」「寂しい」という声も見かけましたが、それ以上に多かったのが「やっと終わってくれる」「歓迎」という反応でした。なぜLINE VOOMの終了に世間が喜んだのか、その理由を解説します。
●LINEのショート動画機能「LINE VOOM」とは?
7月2日に行われた15周年記念イベント「LINE 15th Anniversary Event -Connect the Next-」で、VOOMタブがショッピングタブに置き換わることが発表されました。VOOMのサービス自体は継続される可能性もあったのですが、そのまま終了になることが明らかになりました。
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そもそもLINE VOOMとはどんな機能なのか、知らない人もいるでしょう。LINE VOOMとは、LINEの「タイムライン」を刷新する形で2021年11月にスタートした機能です。
タイムラインはフォローしている「友だち」の投稿を見るものでしたが、VOOMになってからは「おすすめ」でクリエイターの投稿を視聴するものへと変貌しました。
というのも、VOOMが始まった2021年当時はショート動画サービス全盛期でした。先発のTikTokが急激にユーザー数を伸ばし、Instagramの「リール」も存在感を強めていた時期です。YouTubeも「YouTubeショート」でショート動画サービスに参入し、各社が入り乱れてシェア争いを繰り広げていました。LINE VOOMは、この中に後発として名乗りを上げた格好でした。
LINEは2023年春に無料動画配信サービス「GYAO!」やライブ配信「LINE LIVE」を終了し、LINE VOOMに動画事業のリソースを集中させました。2024年にはクリエイター向けの支援も開始するなどして力を入れていましたが、おおよそ1年後の2025年9月に、VOOMの位置を「ショッピング」タブに入れ替える計画を発表しました。
TikTok、リール、YouTubeショートの三つどもえとなった状況では、LINEは太刀打ちできなかったのかもしれません。TikTokはTikTok発のスターが登場した他、「TikTok売れ」と呼ばれる経済的効果も生み出しました。リールはMetaのサービスに溶け込み、InstagramやFacebookから視聴、投稿する人も多く存在します。YouTubeショートも、長尺のYouTube動画のプレビューに使われるなど、プラットフォームの中での存在感があります。
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しかし、LINEはコミュニケーションがメインのサービスであり、動画視聴には結び付きにくかったのかもしれません。イベントや映画とのコラボなどさまざまな取り組みを行っていましたが、あまり話題になることはありませんでした。VOOMの投稿には他の動画サービスからの転載も多く、VOOMならではの魅力があまり感じられなかった人も多そうです。
しかし、その魅力を感じていた人たちがいます。それが子供たちです。
●ショート動画を見たい子供たちの唯一の抜け道
LINEは、子供が自分専用のスマホを持ったとき、真っ先にインストールするアプリです。保護者は家族を見守るツールとして、子供は友達と交流するためのツールとして、それぞれの理由でインストールします。
ようやく手に入れたスマホ、そしてLINEです。子供たちはいろいろな機能を試すうちに、LINE VOOMに出会います。子供たち面白いショート動画が次々と再生され、無限スクロールにハマります。当然、長時間利用へとつながっていきます。
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さらに、子供たちにはLINE以外の選択肢がないことも大きな要因です。TikTokやリールは、13歳未満のアカウント利用ができません。YouTubeもGoogleアカウントの年齢制限に沿ってコンテンツが規制され、ペアレンタルコントロールで管理されるケースもあります。
しかし、LINEは利用推奨年齢が12歳以上とされているものの、これは利用そのものを禁止するものではなく、家庭での話し合いと保護者の許可があれば、小学生であっても使い続けられる余地が残されています。
つまり子供たちにとって、ショート動画を心置きなく楽しめる唯一のプラットフォームが、LINEだったというわけです。
保護者としても、使い放題にしておくわけにはいきません。LINE VOOMを制限したいと考えるのは当然のことでしょう。しかし、LINE VOOMはLINEアプリ内の一機能に過ぎません。
利用時間を制限するフィルタリングやペアレンタルコントロールはアプリ単位でかかる仕組みのため、アプリの中の一機能だけを制限することはできないのです。LINEの「設定」などにも、VOOMだけをオフにする機能は用意されていません。
そのため、LINE VOOMは子供たちにとって“抜け道”として使われる一方、大人にとっては迷惑な機能として認知されるようになっていました。中には動画を投稿する子供もおり、動画を通じて知らない人とやりとりしたり、誹謗中傷を受けたりした小学生の話も耳にしています。
「子供との連絡用なのにVOOMはいらない」「VOOMにきわどい画像や動画が出てきて子供に見せたくない」「制限する方法はないのか」といった保護者の意見は常にネットにあり、筆者もかなり相談を受けました。
だからこそ、今回のサービス終了も「全保護者様!これは朗報!」「前倒しでお願い」など、歓迎されているのです。
●デジタルでの制限には限界も。家族で話し合いを
LINEに関して、保護者の悩みはもう1つあります。それが「オープンチャット」です。オープンチャットは匿名でコミュニティーに参加できる機能です。小学生や中学生のチャットグループも数多く存在します。メッセージ数もかなりの数になるため、一度入るとひっきりなしに通知が届くようになり、これもLINEから離れられなくなる原因の1つです。
もちろん、こうした利用に関するトラブルはLINEに限ったことではありません。スマホの機能を制限するだけでは、子供は必ず抜け道を見つけて突破してしまうため、本人がなぜいけないのかを理解することが何より大切です。
家族で話し合い、本人が納得できるルールを一緒に作り、スマホと上手に付き合っていけるといいですね。
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