コンビニで立ち寄ったついでにできる小児がん支援 ファミマ『みんなのレモネード』SNSで予想外の広がり

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2026年07月24日 19:54  オリコンニュース

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『みんなのレモネード』(ファミリーマート通常価格230円(税込248円)
 ファミリーマートの『みんなのレモネード』が、発売から2週間ほどでSNS上に思わぬ広がりを見せている。「小児科医からもお願いです。ファミマで売っている『みんなのレモネード』をぜひ購入してください」ーーそんな投稿が医師や看護師のアカウントから相次ぎ、数百万規模の表示回数で反響を呼んだという。一般的な企業のCSR商品が、これほど医療従事者という”当事者に近い専門職”を巻き込んで拡散する例は多くない。単なる「いい話」として消費されて終わりそうなこの現象が、なぜ4年間も続き、例年以上の広がりを見せているのか。

【写真】子どもたちがレモネードの味を決める、オンライン試飲会の様子

■小児がん支援につながるレモネード、商品開発者は”子どもたち”

 『みんなのレモネード』の取り組みは、同社が榮島四郎氏の絵本『ぼくはレモネードやさん』に出会ったことから始まった。作品に込められた強い思いに社内で深い共感が広がり、「小児がん支援につながるレモネードを開発したい」という声が多数上がり、共同開発にいたった。2026年が4回目の取り組みとなる。

 今回SNSで話題になった投稿を見ると、医療従事者やファミリーマートのオーナーなど、様々な立場からコメントが寄せられている。その際に注目したいのが「寄付してください」ではなく「購入してください」と呼びかけていることだ。一般的に、寄付は財布を開く決断のハードルが高い。一方、230円(税込248円)のレモネードを1本買うという行為は、コンビニに立ち寄った”ついでに”できる。このハードルの低さこそ、生活者が求めていたことだったのかもしれない。

 医師や看護師は、日常的に「小児がんの子どもたちを応援したいが、何をすればいいかわからない」という一般の人の戸惑いを見ている立場にある。彼らにとって「レモネードを1本買う」という具体的で誰でもできる行動を提示できることは、啓発活動として発信するハードルも高くはなかったのではないか。

 もう一つの鍵は、この商品が開発者として子どもたちを位置づけている点だ。

 『みんなのレモネード』は、小児がん経験者やそのきょうだいの子どもたちで構成される「ファミレモ部」が、味の試飲会を通じて味を決め、公募イラストの中から社員投票(約1,500名参加)でパッケージデザインを選ぶ工程を踏んでいる。今年はさらに、子どもたち自身が店内放送のナレーションを担当するという初の試みも加わった。SNSでも「パッケージの絵がかわいい」「子どもたちの店内放送にまだ出会えていない!」など反響の声が寄せられている。

■当事者性のあるコメントが取り組みの広がりを下支え

 商品ページに寄せられている小児科専門医・楠木重範氏(遊育園こどもクリニック院長)のコメントも、こうした反響の広がりと重ね合わせると、また違って見えてくる。

「小児がんは今や約80%が治る時代。レモネードを飲んで、治療中のこどもたちとご家族を応援しましょう。みなさまが少しでも小児がんのことに関心をもってくださることが、病気に対する正しい理解につながり、治療中のこどもたちとご家族をサポートすることになります」

 楠木氏は中学2年生から約3年間、自身も小児がんの治療を経験した医師だ。「小児がんは今や約80%が治る時代」というコメントは、治療の進歩を伝える医学的な事実であると同時に、かつて患者だった経験から来る実感でもある。今回SNSで購入を呼びかけた医療従事者たちの投稿の背後にも、こうした医療に携わる人ならではの当事者性のあるコメントが目立ち、活動全体への信頼感を下支えしているのだろう。

 購入という行動に落とし込みやすい設計、子どもたちを支援対象ではなく作り手として描いていること、4年間かけて積み上げてきた信頼、そして小児科医をはじめとした、子どもたちを見守ってきた医療従事者たちの存在、そのひとつひとつが今年のこの広がりを静かに支えていたのだと思う。

 レモネードを1本買う。そのやさしい一歩の先には、味を選び、絵を描き、放送の練習をした子どもたちの顔がある。今年もまた、店頭であの黄色いボトルを手に取る人が増えて、来年、再来年と、この輪が途切れずに続いていってほしい。

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