12年ぶり復活「モコモコ」は、なぜ忘れられなかったのか 「もう一度食べたい」が500件超

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2026年07月31日 06:21  ITmedia ビジネスオンライン

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永谷園のモコモコ、12年ぶりに復活

 電子レンジの中で、カップの中身が少しずつ膨らんでいく――。


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 その様子を見ながら「ちゃんとケーキになるのかな」とワクワクした経験がある人もいるかもしれない。そんな平成のおやつが、12年ぶりに帰ってくる。


 永谷園が8月3日に発売する「マグカップでふっくらケーキ!モコモコ」(バニラまたはチョコ、希望小売価格・税別130円)は、2000年に発売し、2014年に販売を終了した商品の復活版だ。興味深いのは、商品が売られていなかった期間にも、ファンの声が途切れなかったことだ。


 永谷園によると、終売後の10年間で、お客様相談室には500件以上の再販希望が寄せられた。SNSでも復元レシピが投稿されるなど、販売されていない商品が消費者の中で生き続けていた。


 次々と新商品が登場する食品の世界で、販売終了から10年以上たっても「もう一度食べたい」と思われる商品は、決して多くない。なぜ、モコモコは忘れられなかったのか。理由の一つは、単なるお菓子ではなく、作る時間そのものを楽しめる存在だったからだ。


 作り方はシンプル。マグカップに卵1個と粉(本商品)を入れて混ぜ、電子レンジで約2分加熱するだけ。電子レンジの中で生地が少しずつ膨らみ、モコモコと姿を変えていく。その“待つ時間”まで楽しめることが、多くの人の記憶に残ったようだ。


●あ、あのモコモコだ


 商品開発を担当した新海裕子さん(マーケティング本部)によると、再販を求める声には「また食べたい」という声だけでなく、「子どもの頃に作った記憶」や「家族との時間」をつづったものも多かったという。


 ただし、今回の復活は昔の商品をそのまま戻したわけではない。時代に合わせて進化したポイントもある。その一つが「ふっくら感」だ。以前の商品は時間がたつと固くなりやすいという課題があったが、今回は冷めてもふっくらした食感を楽しめるよう改良した。


 では、なぜ今、モコモコのような手軽なお菓子が求められるのか。その背景には、ここ数年で広がりつつある「確パ」(確実なパフォーマンス)という考え方がある。タイムパフォーマンス(タイパ)、コストパフォーマンス(コスパ)に続く言葉で、「手間をかけなくても、期待した結果が得られる」という価値を指す。


 忙しい毎日の中で、本格的なお菓子作りに時間をかけるのは簡単ではない。一方で、「子どもに作る楽しさを体験してほしい」という親の思いもある。


 モコモコは、その間を埋める存在になっている。短時間で完成するだけでなく、「自分で作った」という満足感を得られる点も、今の親子ニーズに合っているようだ。


 もう一つ、今回の復活で変えなかったものがある。パッケージだ。新商品として考えれば、デザインを一新する選択肢もあった。しかし永谷園は、当時のデザインを残すことにした。


 理由は「あ、あのモコモコだ」と思い出してもらうためだ。久しぶりに見るパッケージは、味だけでなく、当時作った時間や体験までよみがえらせる。今回の復活では、そんな“懐かしさ”も残した。


●これからのおやつとして定着するのか


 12年ぶりに戻ってきた小さなカップケーキは、復刻商品にとどまらず、令和のおやつとして定着するのだろうか。


 ちなみに、昔のお菓子作りといえば、小麦粉をこぼし、ボウルを洗い、最後はなぜか親が片付ける――というところまでがセットだった。今のモコモコなら、卵1個と電子レンジだけ。


 もしかすると、復活を待ち望んでいたのは、当時モコモコを楽しんだ子どもたちだけではない。作る楽しさはそのままに、手間は減らす。そんな進化に、大人たちの満足度も“モコモコ”と膨らんでいるのかもしれない。


(土肥義則)



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