周囲の予想とは反対に、F1復帰に迷いがあったペレス。復帰後は「今もベストなドライバーのひとりだと自分に証明した」

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2026年08月10日 07:20  AUTOSPORT web

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2026年F1第11戦ハンガリーGP セルジオ・ペレス(キャデラック)
 2025年の大半を通じて、パドックにおけるセルジオ・ペレスをめぐる議論は驚くほど単純なものだった。つまり、F1で6勝を挙げ、トップ争いをした経験を持っているドライバーであれば、間違いなくF1への復帰を果たすだろう、という見方である。しかし当のペレス自身は、それほど確信を持てずにいた。新たにF1に参戦するキャデラックに加入するチャンスが巡ってきた際、ペレスは、レースから1年離れ、グリッドに復帰することが正しい決断なのかどうか、深刻な迷いを抱いていたことを認めた。

 そしてその躊躇があったからこそ、彼の復帰は一層意味のあるものとなっている。このスポーツに関わる多くの人々が、いずれペレスはF1に復帰するだろうと予想した一方で、ペレス自身は、自分が依然としてトップレベルで通用するのだという確信を得る必要があったと語っている。


■「今もベストなドライバーのひとりであると自分自身に証明できた」

 2024年シーズン終了後にペレスがレッドブルを離脱したことは、突然の出来事であり、契約延長にサインしてからわずか数カ月後のことだった。2025年に向けて競争力のあるシートが見つからなかったため、ペレスはレースから離れて1年過ごし、その後キャデラックの野心的な新しいプロジェクトに参加することを決めた。

 今振り返ると、ペレスは、この復帰は彼が自分自身に対して抱いていた疑問の答えをもたらしたといい、「僕は非常に高いレベルでパフォーマンスを発揮できていると思う」と『RACER』のなかで語った。

「F1への復帰についてはいくらか疑いもあったが、自分が今でもベストなドライバーのひとりであることを自分自身に証明できたので、戻ってきて本当によかったと思っている」

「このスポーツを理解している人なら、僕が自分のマシンからどれだけのパフォーマンスを引き出しているかを理解しやすいと思う。F1においてはそれが最も重要なことで、現時点での自分のドライビングのレベルには満足している」

 これらの言葉には、ある意図が込められている。キャデラックはまだトップチームではないが、ペレスは自身のパフォーマンスをリザルトだけで判断するのではなく、使用しているマシンとの兼ね合いで評価すべきだと考えているということだ。

 またペレスは、F1を離れていた1年間について、単にシートを失ったことだけが理由ではなかったと明かした。

「このスポーツに対して少し燃え尽きていた。時には不公平な側面もあるし、(別の道へ)進むべき時かもしれないとも感じた」

「それでも復帰を決意した。素晴らしい挑戦の機会を見つけたし、戻ってきて本当によかった」


■F1以外の人生の重要性

 ペレスの復帰における特筆すべき点のひとつは、彼自身が復帰について必死になっていたわけではないと主張していることだ。パドックを離れていた間、彼はすでにレース以外の分野で充実した生活を始めており、もし適切なプロジェクトの話がなければ、そのままそちらの道を歩み続ける準備もできていたという。

「用意はできていた。アスリートにとって、競技以外の人生を持つことは非常に重要だと、僕は常々言ってきた」

「結局のところ、F1は僕たちの人生における一部にすぎない。僕たちはF1でのキャリアよりもはるかに長い人生を送るので、その枠の外に何があるのか​​を考え始めることがとても大切だ。僕にとって、その点は常に明確だった」

「取り組みたい、形にしたいと思える素晴らしいプロジェクトがあるので、競技以外の生活も非常に忙しい。レースを離れる時が来るのも楽しみにしている。F1の世界にいる時は、常に100%の力を注ぎ込まなければならないからね」

 ペレスは最後のチャンスにしがみつくドライバーとしてではなく、心から意欲を掻き立てられる挑戦を見つけ、自らの意志で復帰を決断したということだ。そして、その選択は報われているようだ。キャデラックでのペレスの活躍はグリッド上の注目を集めていると伝えられており、中団グループのマシンでも優れたパフォーマンスは評価されるということを改めて示している。それでも36歳のペレスは、自身を復帰へと導いたプロジェクトに全力を注ぎ続けるという。

「そうした関心は嬉しいものだ。パフォーマンスを発揮すると自分の価値は高まるものだと思う」

「もちろん、今後何らかの動きがあるかもしれないけれど、僕にとって重要なのは、ここ数カ月でどういう展開になるかを見極めることだ。この挑戦が前に進んでいくのを見届けたい」

 ペレスにとって、皮肉な状況だったことは明らかだ。周囲は彼がF1に復帰することを決して疑っていなかったが、彼は疑っていた。そして、まさにそのことこそが、この復帰が彼にとってこれほど大きな意味を持つ理由である。なぜなら、パドックの声を黙らせたのではなく、彼自身が抱えていた疑念に終止符を打ったからだ。

[オートスポーツweb 2026年08月10日]

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