
(左から)成田敏博さん、笹川友里
成田敏博さんは1999年にアクセンチュアへ入社し、公共サービス本部で業務プロセス改革や基幹システムの構築などに携わりました。その後、DeNAやメルカリといったネット企業でIT部門のマネジメントを歴任し、2019年に日清食品ホールディングスへ入社。2021年からCIO(グループ情報責任者)として、グループ全体のDXを牽引しています。2022年より執行役員を務めています。
◆トップの決断で始まったAI導入
日清食品グループは、2023年に独自開発した対話型AI「NISSIN AI-chat」を導入しました。その経緯について、成田さんは「外部の対話型AIを利用すると、業務の情報が漏洩するリスクがありましたので、それを防ぐために社内版のものを作り、業務ではそれを使ってもらう形にしました」と説明します。現在も社内の開発チームが機能改善を続けており、「AIのモデルもどんどん新しくなっていきますので、そういったものも日々反映させています」と言います。
導入のきっかけは、トップである安藤宏基CEOの一言だったと明かし、「安藤CEOがAIに対して『日清食品グループが今後向き合うべき課題は何か』と問いかけたところ、AIが7つの課題を出してきました。それを見た安藤CEOは『自分の考え方と一致している。なぜこんなことができるんだ、恐ろしい時代になったものだな』と驚いていました」と語ります。
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◆現場主体のデジタル化と社員の変化
驚くべきことに、「NISSIN AI-chat」は入社式から3週間という短い期間で、開発から実装まで進められたといい、「“何が一番いいのか”をチームで議論し、他部門の方と協力が必要であれば、その日のうちに協力を仰ぎに行く。そういうやり方で進めていきました」と振り返ります。
また、導入後はAI活用への意欲が高い部署とそうでない部署があったものの、そこまで大きな壁を感じることはなかったと言います。先行して成果を上げた部門の取り組みを社内で見える化したことで、「自分たちもやってみようか」と他部署にも活用の輪が自然と広がっていったそうです。
これを受けて、笹川が「AIを積極的に活用することによって感じる“現場の変化”ってどんなところですか?」と質問します。これに成田さんは、導入当初はIT部門が活用方法を提案する立場だったものの、現在では、現場の社員から「こういったことができるんじゃないか」というアイデアが次々と寄せられるようになったと明かします。そのうえで、「主体が変わっていくところは大きな変化かなという気はします」と語ります。
◆AI時代を見据えたデータ戦略
続いて、日清食品グループの今後の展望について伺うと、成田さんは“AIの急速な進化”を前提に、食品メーカーとして、製品開発や研究、生産、物流、店頭販売までを含むサプライチェーン全体において、「AIとデータによって、より良くすることができるとしたら、非常に意味があるのではないかと思っています」と強調します。
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現在は、業務システムに散在するデータを集約して構造化するだけでなく、文書などの非構造化データもAIに読み込ませている段階だといい、「それこそ、従業員の方々の経験値やナレッジのようなものをAIに読み込ませてデジタル化させる。そういった準備をしておくことで、今後どんどんAIのモデルがさらに進歩したとき、面白いことができるんじゃないかと思っています」と力を込めます。
この取り組みに、笹川が「データの整備は地味ですけど、各企業さんにとっても大事なところですよね」と共感すると、成田さんも「どの企業も必ず取り組んでいくべきことだと思います」と力強く語っていました。
次回8月15日(土)の放送は、デジタル大臣の松本尚さんをゲストに迎えて、お届けします。医療の現場で培った経験を武器に「誰一人取り残されないデジタル化」を掲げる松本大臣が目指す日本の姿とは?
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00〜20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/
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