なぜ大宮は「都会っぽくない」のか? 巨大ターミナルなのに物足りなく感じる背景

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2026年08月17日 06:21  ITmedia ビジネスオンライン

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大宮・浦和・さいたま新都心、何が違う?

 大宮駅は、多くの路線が乗り入れる首都圏有数の鉄道の“結節点”だ。駅周辺には商業施設やオフィスビルが集まり、多くの人が行き交う。


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 しかし、なぜか“都市感”が弱く、「大宮には何かが足りない」と感じることがある。これほどの結節点でありながら、そう感じてしまうのはなぜなのか。


 その背景には、さいたま市ならではの都市構造があることが分かった。


●大きなターミナルである大宮


 「鉄道のまち大宮」と言われている通り、大宮駅にはさまざまな路線が集まっている。


 大宮駅は、北海道・東北方面と上越・北陸方面への新幹線が分岐する新幹線の一大拠点だ。それに加え、上野東京ライン・湘南新宿ラインなどの主要な在来線も乗り入れ、宇都宮線と高崎線が分岐する駅でもある。私鉄では東武アーバンパークラインのターミナルであり、ニューシャトルも大宮を起点としている。


 しかし、上野から高崎までの鉄道が開通した当初、大宮駅はなかった。東北方面への分岐点として開業したのは1885年3月のことだ。


 当時の大宮は、まだ人口の少ない街だった。その後、鉄道の車両工場や製紙工場、製茶工場などができ、街の様子は一変。人口も急速に増えて発展していった。大宮は鉄道を起点に形作られた街と言っても過言ではない。


 JR東日本の大宮駅の2024年度の1日平均乗車人員は25万4220人で、同社の駅では7位となっている。東武鉄道の大宮駅の乗降人員は同13万582人で、東武アーバンパークラインでは柏駅に次ぐ2位だ。


 東口には江戸時代の大宮宿から続く市街地が広がり、大宮高島屋や銀行・証券会社の支店、繁華街がある。一方、西口にはそごう大宮店や多目的ホールのソニックシティなどがあり、オフィスビルが立ち並ぶ。


 このように、鉄道の結節点として多くの人や施設が集まり、街としても大きく発展してきたのが大宮だ。


 しかし、これだけの規模があるにもかかわらず、なぜか都市感はそれほど感じられない。


 その理由を考える上で気になったのが「さいたま市」の成り立ちだ。


 大宮駅があるのはさいたま市大宮区である。埼玉県の県庁所在地であるさいたま市は、旧浦和市・旧大宮市・旧与野市・旧岩槻市が合併してできた。


 「大宮以外の都市を見れば、大宮に都市感を感じにくい理由が分かるのではないか」


 そう考え、旧浦和市の中心駅である浦和駅へ向かった。


●県庁所在地だった浦和の存在


 浦和駅には京浜東北線、上野東京ライン、湘南新宿ラインが乗り入れている。ただ、大宮駅ほどのターミナル感はない。1982年11月まで中距離列車は終日停車せず、湘南新宿ラインのホームができたのも2013年3月のことだ。


 浦和駅の歴史は古いものの、鉄道の拠点として大きく発展したのは大宮駅である。


 では、街としての浦和はどうだろうか。


 浦和駅があるさいたま市浦和区は、旧浦和市にあたる。埼玉県の県庁所在地であったことから、現在も埼玉県庁やさいたま市役所の本庁舎などが置かれている。


 東口には再開発複合ビル「ストリームビル」があり、その中に浦和パルコが入っている。


 市街地の中心となってきたのは西口エリアだ。駅を出ると目の前に伊勢丹浦和店があり、複合商業施設のコルソも隣接する。「URAWA Soccer TOWN」という掲示もあり、サッカーの街であることを強く打ち出している。大宮が「鉄道」をアイデンティティーにしているなら、浦和は「サッカー」を掲げているのである。


 浦和らしさを感じられるのが、駅から埼玉県庁へ向かう道だ。


 浦和駅から埼玉県庁までは徒歩圏内だ。県庁へ向かう通りには地元の商店があり、士業の事務所も見られる。埼玉県庁の周辺には埼玉県警察本部やさいたま地方裁判所などの重要な施設が集まり、埼玉県における「官」の中心地であることを感じさせる。


 少し北へ向かえば、さいたま市役所の本庁舎がある。近くにはさいたま市消防局や浦和警察署のほか、新聞社や通信社の総局・支局なども集まっている。


 さいたま市役所から駅へ向かう道には多くの商店があり、地元資本の書店「須原屋」もある。大手チェーンはもちろん、昔から続く地元の店が街の中に残っているのも印象的だった。


 鉄道の結節点として発展してきた大宮とは異なり、浦和には主要な行政機関が置かれ、その周囲に商業施設や士業の事務所、メディアなどが集まった歴史がある。そうした街の成り立ちが、浦和の都市感を生み出していることがうかがえた。


●注目したい「さいたま新都心」の役割


 もう一つ注目しておきたいのが「さいたま新都心」だ。


 さいたま新都心は東京への一極集中を緩和するため、国の行政機関などの移転先として整備された街である。旧国鉄・大宮操車場の跡地を活用し、官公庁や企業などが集まる新たな都市として開発された。


 さいたま新都心駅が開業したのは2000年4月だ。京浜東北線と上野東京ラインが停車する一方、湘南新宿ラインは通過する。また、埼京線の北与野駅からも歩行者用デッキを経由してアクセスできる。


 同年5月には「街びらき」も行われた。さいたま新都心合同庁舎には、国の省庁のうち、関東地方を管轄する機関などが置かれ、周辺には大企業のオフィスビルも建つ。


 さらに、さいたまスーパーアリーナのような大規模イベント施設に加え、さいたま赤十字病院や埼玉県立小児医療センターといった大規模病院もある。浦和とは対照的に、新しく大規模な建物が多いのが特徴だ。


 大宮と浦和の間には、こうした新たな都市感を持つ街も生まれている。


 多くの鉄道路線が集まり、一大拠点として発展してきた大宮駅。その規模とは対照的に都市感を覚えにくい背景には、浦和やさいたま新都心など、異なる都市機能を持つ街が近接しているからだろう。


 同じさいたま市でありながら、それぞれの街が異なる歴史を歩み、異なる役割を担ってきた。それぞれの街が機能を補完し合いながら、一つの都市を形成している。


(小林拓矢)



このニュースに関するつぶやき

  • この理由は、なんか的外れな気がする。大宮駅周辺の道路の構造に問題がありそうな気がするね。幹線からのアクセスの問題と、駅周辺の再開発不足だろう。
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