避難所となっている熊本県宇城市の「ウイングまつばせ」に避難している人たち=7月30日 先月28日に熊本県で最大震度7を観測した地震から18日で3週間。長引く避難生活を見据え、政府や自治体は災害関連死の抑制に軸足を置いている。専門家は「発生から1カ月の初期対応が重要だ」と指摘する。
震度7が2度にわたって起きた10年前の熊本地震では、避難者数が一時18万人を超えた。地震のショックや余震への恐怖、避難所生活で受けた肉体的・精神的負担などを理由に認定された災害関連死は200人以上。2021年3月時点の県のまとめでは、関連死は地震発生から1カ月以内が124人と、全体の56%を占めた。
24年元日に起きた能登半島地震でも、関連死は多数発生。25年12月に石川県が公表した資料によると、発生1カ月以内が147人に上った。
江川新一・東北大災害科学国際研究所教授(災害医学)は「被災者一人ひとりの状況をきめ細かく把握することが大切だ」と説明。「自宅に住み続けたり車中泊をしたりしている人も含め、高齢者や要介護者か、薬を服用していたかなどを行政や医療関係者が共有し、適切な対応につなげる必要がある」と訴える。
孤立しがちな高齢者への声掛けや、肺炎などの予防となる歯磨きを欠かさないことも関連死対策として有効だという。
10年前の熊本地震や能登半島地震では、発生1カ月以降も関連死が続いた。江川教授は長期にわたる取り組みも求められるとし、「医療や介護の現場ができるだけ早く復旧し、被災者が日常に戻れるようになればストレスも軽減し、関連死の抑制につながる」と語った。

熊本県宇城市の小川防災拠点センターの駐車場で車中泊する避難者=7月30日