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「対応が面倒だし、AIで営業電話をかけてくる相手と仕事したくない。手抜きをされているように感じる。印象がとても悪い」──関東圏内のアパレル事業者で働くCさん(仮名)は、勤め先にかかってくる“AI営業電話”とみられる架電にこうぼやく。
Cさんの勤め先には週に数回、人材派遣サービスやAI画像生成サービスの利用を勧める営業電話がかかってくるという。人間そっくり──主に若い女性の声で社長や上長につなぐよう求めてくるが、会話を続けると次第に支離滅裂な内容になっていく。
一方で、提案を断っても会話を無理やり引き延ばしてくるため、最終的には無理やり電話を切るしかないとCさん。もし人間だった場合、無下にするのもためらわれるため、ある程度は話を聞かざるを得ず、時間が取られるという。
特に繁忙期などは「もしかすると他部署がお世話になっている人の可能性もあるし、AIか人間か分からない時点では無理やり切ることもできず、本当に迷惑」といら立ちを隠さない。もちろん、AI営業電話とみられる架電を上長につないだことはない。
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●「早く規制してほしい」? ヘイト買うAI営業電話
昨今、こうしたAI営業電話に迷惑を被ったという声が少なくない。SNSでは「掛ける側は楽をしているのに、受け手だけ時間を使わされる非対称性が気にくわない」「AIの悪用でしかない、害悪すぎる」など拒否反応が目立つ。特に飲食・小売の現場で嫌悪感を示す声が多いようで、中には「バカ迷惑。早く法規制してほしい」といった声すらある。
こうしたAI営業電話が目立ってきた背景にあるのはもちろん、音声に関連するAI技術の発展だろう。ChatGPTの音声モデル「GPT-Live」をはじめ、人間と聞き分けのつかないAI音声サービスが登場しており、同様の技術を基にしたAI架電サービスもまた続々と出てきている。
AI営業電話は掛け手からすると夢のような技術でもある。テレアポに必要な人手(つまり人件費)がいらず、同時に何件も架電でき、待っているだけで見込み顧客が手に入る。AIはトークスクリプトに忠実で教育の手間もかからず、会話を拒否されることによる精神的負担も感じない。まさに理想のテレアポ部隊だろう。
パーソルグループでコンサルティング事業を手掛けるパーソルビジネスプロセスデザインも、AIによって「業務プロセスそのものを自動化したい」需要が増えており、中でもAI営業電話を含め、電話やその応対を自動化するニーズが高まりつつあると話す。
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「従来は人が電話で行っていた聞き取り、確認、登録といった定型業務をAIに置き換えることで、業務効率化と品質向上の両立を目指す動きが広がっている。公共領域では給付金や行政手続きに関する問い合わせ窓口、代表電話の一次受付、道路・公園などの通報受付といった用途、民間企業では受注確認や予約確認、アンケート、リマインドコールなどのアウトバウンド業務に加え、本人確認を伴う受付業務や各種申請受付の自動化に関する相談が増えている」(同社)
ただ、同社もAI営業電話については「受け手側の体験への配慮が重要。今後は単に電話を自動化するのではなく『必要な相手に、必要な情報を、適切なタイミングで届ける』ことが求められるようになる」と、安易な使い方には警鐘を鳴らす。
●迷惑なAI営業電話、法人・個人ごとに取れる対策は
では、こうしたAI営業電話を拒否したい場合はどのような対策を取るべきか。法人の場合、一般的な組織向け迷惑電話フィルタサービスや音声ガイダンスなどがそのまま利用できそうだ。迷惑電話対策サービスを手掛けるトビラシステムズによれば、フィルタリング系のサービスは詐欺だけでなく悪質な営業・勧誘が自動ブロックの対象になっている場合もあるという。
個人の場合は単純な着信拒否や、主要な通信各社が提供する迷惑電話ブロックサービスなどが役に立つだろう。NTTドコモの「迷惑電話ストップサービス」やソフトバンクの「ナンバーブロック」が無料で使える他、KDDI(au)の「迷惑電話撃退サービス」は月額110円で有料だが、9月まで6カ月間無料キャンペーンを実施中だ。
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AI営業電話にAIで対抗することもできる。iPhoneや米GoogleのPixelといったスマートフォンが対応する「スクリーニング」「通話スクリーニング」機能を使えば、知らない番号からの電話にAIが一次応答してくれる。内容は自動で文字起こしされるので、内容を確認して対応するかどうか決められる。
トビラシステムズによれば、同社が収集する迷惑電話情報のデータベースにもAI営業電話とみられる記録が散見される状況という。導入側からすると便利そうなAI営業電話だが、むやみな利用はヘイトを買うだけで終わる可能性が高そうだ。採用するにしても、受け手の事情を考えた使い方でなければ、望んだ効果が得られない──というのが現状だろう。
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