
野球観戦の座席について語った山本キャスター
野球観戦において、座席選びは奥が深いものです。同じ球場でも、どこに座るかによって見え方も楽しみ方もまったく変わってきます。
甲子園では夏の高校野球が佳境ですが、以前と比べて変わった点は、バックネット裏の席が小・中学生向けの特別席になったことでしょう。バックネット裏は"特等席"というイメージが強いですよね。野球の臨場感を味わうには申し分ない席です。
ただ、実際に座ってみると、一概に「見やすい」とは言えません。特にバックネット裏の最前列の真ん中付近は、ボールが審判やキャッチャーの体に重なって、球筋が見づらいこともあります。
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ここからは神宮球場を例にお話ししますが、神宮のバックネット裏では、中継用カメラの存在が見落とされがちです。その近くだと、少しだけ死角ができてしまう可能性があります。投手の球筋をきちんと追いたいなら、バックネット裏一階の一番後方、中央から左右どちらかにずれた席がおすすめです。そこからだと、ボールの軌道が立体的に見えます。
内野前方の一塁側、三塁側は、選手の表情やベンチの様子がよく見えるエリアです。撮影を楽しみたいファンにも人気が高く、神宮球場でも料金が少し高め。一塁側のヤクルトのベンチを見たい場合は、反対側の三塁側前方の席が適しています。
神宮球場で守備位置や打球方向、選手の動きなど、試合全体を俯瞰的に把握したいならバックネット裏の二階席が見やすいです。扇の要のような位置から選手の配置がひと目で分かるため、実況席と同じような視点で観戦することができます。
しかし、バックネット裏の二階席にも弱点が。屋根があるため夏場は熱がこもりやすく、とんでもなく暑くなる時があるんです。それは実際に座ってみないと分からない盲点かもしれません。しっかりと暑さ対策をして臨みたいところです。
仕事合間のオフショット。楽しく刺激ある毎日に感謝です!
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応援歌が流れる外野席は、よりファンの一体感を楽しむことができます。常連のファンが多く、実家のようなアットホームな空気が流れています。かつては数百円でチケットが買える時代もありましたが、近年は需要に応じてチケット価格が変動する「ダイナミックプライシング」の影響で、人気カードでは外野席の価格も上昇傾向にありますね。
これは屋外球場に限ったことですが、座席の見やすさと同じくらい観戦の快適さを左右するのは「日差し」です。神宮球場はホームベースが南南西、センター方向が北北東を向いているため、夕方にかけて太陽は三塁側の後方に沈んでいきます。試合開始時にまだ強い日差しが残る夏場のナイターゲームでも、三塁側は早い時間から日陰が広がっていくので、なるべく日差しを避けたいなら三塁側の席を選ぶのがいいかもしれません。
温暖化の影響か、屋外球場の気温も年々高くなってきています。ヤクルトは7月、ドーム球場での試合がなく厳しい戦いを強いられました。それを見るファンも含めて、「いかに快適に試合・観戦ができるか」という視点は、今後もプロ野球界の重要なテーマになりそうです。
こうして座席ごとの特徴を比べていくと「快適」の正解はひとつではないことが分かります。投手の球筋をしっかり見たい、選手を間近に感じたい、全体を俯瞰しながら試合を見たい......目的によって最適な席は違います。
スタジアムでの野球観戦は年々、試合や飲食だけでなく、球場の快適さや過ごし方に重きが置かれるようになってきました。いわゆる「ボールパーク構想」はメジャーが先をいっている印象がありますが、日本でもエスコンフィールド、ベルーナドーム、マツダスタジアムなどに続いて、次世代のスタジアムが増えていくでしょう。
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それに伴って座席にもより個性が出てくるでしょうし、野球観戦も進化していきそうです。それでは、また来週。
構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作
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