危機に瀕する「法の支配」 国際刑事裁判所赤根所長にトランプ政権が制裁 「力の支配」の時代に逆戻りか…【サンデーモーニング 】

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2026年08月23日 14:27  TBS NEWS DIG

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トランプ大統領が敵視する「ICC」とは、どんな組織なのでしょうか。

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個人の刑事責任を追及するICC トップは日本人女性

オランダ・ハーグにある2つの国際裁判所、「ICJ=国際司法裁判所」と「ICC=国際刑事裁判所」のロゴには、「公正な判断」を象徴する天秤があしらわれています。

ICJは領土問題など「国と国」の争いごとを裁定しますが、今、トランプ政権が目の敵にしているのは、「個人」の刑事責任を追及するICCの方です。

ICCは、2002年に設立された裁判所で、トップである赤根智子所長に制裁が科されることになりました。

赤根所長は検察官として働いた後、アメリカの大学に留学し刑事司法を学びました。2017年にICCの裁判官選挙に立候補して12人中トップで当選。

「法の支配を貫くことが世界平和につながる」という信念のもと、ウクライナ侵攻をめぐってプーチン大統領に逮捕状を出す判断を下しました。

2024年からはICCのトップを務め、就任直後、ICCはガザ攻撃をめぐってイスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を出しています。

ICCが対象とする犯罪は、
▼大量虐殺を意味する「ジェノサイド」、
▼一般市民に対する組織的な殺害や強姦などの「人道に対する犯罪」、
▼非戦闘員や病院を攻撃するなどの「戦争犯罪」、
▼他国への「侵略行為」です。

第二次大戦後にアメリカなどの連合国側がナチス・ドイツを裁いた「ニュルンベルク裁判(1945年)」や、日本の戦争指導者を裁いた「東京裁判(1946年)」は、勝者が敗者を裁く形でした。

しかし、その後の「ユーゴスラビア紛争(1991年〜)」や「ルワンダの虐殺(1994年)」では、国連が特別法廷を設置して戦争指導者らを裁くなかで、常設の裁判所の必要性が認識され、ICCの設立に繋がりました。

困難なのは加盟国外のトップらの逮捕

ICCはこれまでに17の事案を捜査してきました。

アフリカの内戦をめぐって民兵組織の幹部らに拘禁刑を言い渡すなど、4つの事案で11人に有罪判決を出しています。

一方で難しいのは、国のトップらの逮捕です。

プーチン大統領やネタニヤフ首相を含め6人に逮捕状が出されていますが、逮捕できたのは、▼コートジボワールのバグボ前大統領と▼フィリピンのドゥテルテ前大統領の2人だけです。

ICCには逮捕する実力組織はなく、加盟国の警察などの協力で身柄を拘束することになっているからです。

ICCの加盟国は現在125の国と地域。アメリカや中国、ロシア、イスラエル、イランなどは加盟していないので、そうした国にいるうちは逮捕されないのです。

赤根所長へ制裁 トランプ氏がICC敵視のワケとは

では、トランプ政権はなぜICCを目の敵にしているのでしょうか。

盟友ネタニヤフ首相に逮捕状が出されたことにも強く反発してきましたが、2025年以降、カリブ海で麻薬取締と称して密輸船と見なした船を攻撃して多数の死者を出したことや、ベネズエラやイランへの攻撃などに対し、国際法違反だとの批判が相次いでいることが背景にあるとみられます。

実際、密輸船への攻撃をめぐってICCの元検察官が「人道に対する犯罪にあたる」と指摘すると、トランプ政権は「ICCの解体」まで主張し、赤根所長への制裁に踏み切りました。

ICCを否定してしまえば、ICCのトップ赤根所長が理想とする「法の支配による世界平和」ではなく「力」が支配する時代に逆戻りしかねません。

2024年、赤根所長は演説で、ブルース・リーの代表作「燃えよドラゴン」の言葉を引用し、「どうか月を見てください。月をさしている指の方ではなく」と訴えました。

月は、ICCが追及する「大量虐殺や戦争犯罪など」。月をさす指は「ICC」のこと。

問題を指摘したICCに注目するのではなく、「世界で今起きている虐殺や戦争に注目してほしい」という意味が込められています。

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このニュースに関するつぶやき

  • トランプ政権は関税訴訟で敗訴してるし、名誉毀損・性的暴行訴訟でも敗訴しています。裁判そのものが嫌いなのでしょうね。
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