
クックパッドのポッドキャスト番組「ぼくらはみんな食べている」。食や料理に熱い思いを持ち活躍するゲストを迎え、さまざまな話を語ります。クックパッド初代編集長の小竹貴子がパーソナリティを務めます。第84回目・85回目のゲストは、長友佑都専属シェフ・加藤超也さんです。
新刊『鶏が主役!超たんぱくめし』のきっかけ、保護者への食事アドバイス、そしてサーフィンから得る仕事観まで。専属シェフとして駆け抜けた10年の先に見えてきたものを、加藤超也さんがクックパッドのポッドキャスト番組「ぼくらはみんな食べている」で語ってくれました。
「食は未来への投資」鶏を主役にした理由
専属シェフになって10年。SNSには中高生や親御さんから、食事についての相談が多く届くようになった加藤さん。長友選手が実際に食べているものをそのまま伝える手もありますが、再現性や価格帯を考えると難しい面もある。そこで加藤さんが主役に選んだのが、鶏肉でした。
|
|
|
|
「タンパク質はしっかりとってほしい。その中で再現性としてより理にかなったものってなった時に、鶏肉はかなりいい食材になる」
『鶏が主役!超たんぱくめし』の冒頭には、長友選手との対談が収録されています。そこに書かれた「食は未来への投資」という言葉について尋ねると、こう答えてくれました。
「体は年齢とともに退化していくものだけど、唯一、食にフォーカスすることで、老化していくものを逆に若返らせることもできる。そこにどれだけ必要な栄養素を選んで食べるかで、自分の未来の可能性が広がっていく」
さらに、この日は書籍から、蒸しパンを4種類を作って収録現場へ持ってきてくれました。プレーン、バナナ、チョコレート、小豆と抹茶。米粉とアーモンドプードルを使い、少量の油で冷めてもパサつかない仕立てです。塾や部活で自宅ゆっくり食事が取れない子供たちが、コンビニの菓子パンではなく手作りの補食を選べるようにという狙いがあるといいます。
|
|
|
|
「親もお子さんも、これ1個持たせてあげれば安心って思えるようなものを作りました」
専属シェフに転身して気づいたのは、日々レパートリーを絞り出し続ける主婦への尊敬だったそうです。
「レストランは、必ず準備するものがある程度決められている環境。でも主婦の方々は365日、毎日同じものだと子供にブーブー言われる中で作り続けている。そこは立場が変わって1番感じたところでした」
「その人その人が答え」保護者への食事アドバイス
以前、高校生の保護者会で「食事がもたらすエネルギーは健康な体と心を育てる」というテーマで講演をしたそうです。部活と塾で忙しい子供に食事をどう届けるか。加藤さんの答えはシンプルでした。
|
|
|
|
「選択させてあげるような環境をつくるのが1番大事。食べなさいって言わせるよりも、置いといたからタイミング見て食べてって言わせた方が、お互い楽なのかなと」
朝食を摂るべきかどうかも、任意でいいという立場です。
「その日食べたいと思う時間帯が違うっていう、時間軸のずれだけだと思ってて。夜食を食べて寝た子が朝お腹が空いてないなら、それはその子の体の反応。食べなくていいと逆に思うんですよね」
食事の回数についても同様です。1日1食が合う人もいれば、5食に分けた方が調子がいい人もいる。それは本人が試行錯誤して見つけた結論だからこそ尊重すべきだと語ります。
「食事って最も大事なのは、自分の体に必ずサインと答えがある。それに向き合ってるか向き合ってないかだけなんです」
栄養面で徹底しているのが「タンパク質ファースト」という考え方です。
「プロテインの語源はギリシャ語で『第一の、最も重要な』という意味。お腹がすいてる状態は、つまりタンパク質をしっかり取らなければいけない状態なんです」
炭水化物から先に食べると血糖値が急上昇し、血管を傷つけて炎症につながる。だからこそ、ご飯を山盛りにするだけでは筋肉はつかないというのが加藤さんの持論です。
「タンパク源がしっかりあった上で、必要な炭水化物を取るというセットが大事になってくる」
サーフィンが教えてくれる、仕事の本質
インスタグラムには、波に乗る姿もたびたび投稿されています。加藤さんにとってサーフィンは、単なる趣味以上の意味を持っているようです。
「僕の仕事ってエネルギーの伝達だと思ってるんですけど、その強いエネルギーを自分のところで途絶えさせてはいけない。むしろ2重にも3重にも上げていく。そのパッションを持つために、自然に触れること、水に触れることで自分の充電がすごく上がるんですよね」
海の状況は30分前と後でまるで違う顔を見せるといいます。風向きが変われば、波のうねりも変わる。その変化を感じ取ろうとする感覚は、選手を観察し続ける専属シェフの仕事と重なるそうです。
「AIでは作り上げることができない感性を養うためにも、海には定期的に行くようにしてる」
「僕1人だけ」の10年が拓く、次世代への夢
「1日でも長く選手寿命を延ばす」という当初の目標は、今も夢の途中だと加藤さんは言います。同時に、アスリートの専属シェフという仕事自体を後進に残していきたいという思いも芽生えてきました。
「個人のアスリートのシェフをやってる先輩は1人もいなかった。それを10年やったのは、日本で僕1人だけだと思う」
海外に挑戦する選手が増える中、言語と食事の壁に苦しむ現場は少なくないといいます。信頼でき、技術もパーソナリティーも兼ね備えた人材の育成には需要があると感じつつも、これまで多くの相談には慎重に向き合ってきました。
「本当に獣道をかき分けて、雑草をかき分けながら道を作ったみたいなところが、全く整備されてない状態なんです」
その言葉には、謙遜と自負が同時ににじんでいます。
「こんな偉そうに言ってますけど、まだ何もできてないんですけどね」
ご視聴はこちらから
🎵Spotify
https://hubs.li/Q02qmsmm0
🎵Amazon Music
https://hubs.li/Q02qmslg0
🎵Apple Podcast
http://hubs.li/Q02qmztw0
【ゲスト】
第84回・第85回(7月3日・10日配信) 加藤超也さん
1984年生まれ。株式会社Cuore所属。2016年からサッカー日本代表・長友佑都選手の専属シェフに就任。医学的エビデンス×機能性のある料理を追求し、多ジャンルのアスリートのサポート、食についての情報発信をしている。2020年から無添加・化学調味料・保存料不使用のプレミアム・ポタージュ「THE POTAGE」をプロデュース。書籍監修に『長友佑都のファットアダプト食事法』(幻冬舎)著書に『食べて脂肪が燃える魔法のレシピ』(幻冬舎)『今日もお疲れさま!超回復めし』(主婦の友社)『鶏が主役!超たんぱくめし』(主婦の友社)。
Instagram:@cuore_kato
X:@cuore_kato
【パーソナリティ】
クックパッド株式会社 小竹 貴子
料理愛好家・ 料理の楽しみ共創室 部長/創業期から参画し、初代編集長としてメディアづくりに携わる。現在は、料理家や生産者といった食のつくり手の声を届ける活動を行っている。「日経ウーマンオブザイヤー2010」受賞。プロの技術や食材の背景にある物語を、暮らしに馴染む言葉で伝えることをライフワークに、生活者の目線で食の楽しさを探求している。
X: @takakodeli
Instagram: @takakodeli
