※画像は生成AIによるイメージです「今日は焼肉、思い切り食べるぞ」――そんな日が、月に一度くらいはある人も多いのではないでしょうか。財布にやさしい激安焼肉食べ放題店なら、なおさら“元を取りたい”気持ちが高まります。
農林水産省の食料需給表(令和7年度概算値)によると、日本人1人あたりの肉類の供給量は年間34.5kg。うち牛肉は6.0kgです。もちろんこれは供給ベースの数字なので実際に食べた量とは異なりますが、それでも日本人が口にする肉の量は、決して少なくないといえそうです。
今回ご紹介するのは、過去に大きな反響を呼んだ人気記事から、焼肉食べ放題店の元店員が明かした店側の“ワナ”。少しでも多くの肉を食べたい客と、少しでも肉を出さずに満腹になってほしい店側の、静かな攻防戦です。
記事の後半では、食材の値上げに苦しむ店側の事情と、業界全体の食品ロスの現実を、公的な調査データからあわせて紹介します。
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リーズナブルな価格でお腹いっぱいになれる「激安焼肉食べ放題店」。せっかくなら、お肉をたらふく食べたいと誰もが思うだろう。
以前、某焼肉食べ放題のチェーン店で働いていた村田武さん(仮名)によると、美味しいお肉を効率良く、より大量に食べるためには、ちょっとした「コツ」があると言う。また、元店員としては「これ、少しでも得させないようにしているな……」と思うシステムもあったようだ。
そこで今回は、店側が客に「得させないようにする3つのワナ」を教えてもらった。
◆最初に“満腹にさせる仕掛け”があるお店
一般的に焼肉食べ放題は、最初にスタートセットがあり、それをすべて食べてから食べ放題メニューのお肉を注文できるようになるシステムのところが多い。スタートセットはあらかじめメニューが決まっており、お肉以外のメニューが入っていることもある。
「スタートセットにはお肉の盛り合わせを提供しているお店が多いですが、自分が働いていたお店では、おつまみのキャベツも出していました。これは、『少しでも満腹感を与え、提供するお肉の量を減らすため』という話を聞いたことがあります。キャベツは満腹中枢を刺激することで有名な野菜ですから、最初に提供することで、少しでもお肉の提供する量を減らそうという狙いがあるようです。もちろん、健康のことを考えたら先にキャベツを食べた方がいいですけどね(笑)」
たしかにキャベツは腹持ちが良い。食べ放題店では食べ残し禁止を掲げているお店がほとんどのため、出されたら食べるしかないのだが……。
「スタートセットはカットすることができません。でも、以前お客さんに『キャベツが嫌いで食べられないんですけど、どうしたらいいですか?』と聞かれたことがあり、その時は店長に聞いてカットすることになりました。たしかにこう言われたら、お店としては残す事をわかっていて提供するわけにもいかないですし、『キャベツを食べられないなら食べ放題はできません』とも言えないので、さすがにカットをせざるを得ないですよね」
村田さんによると、スタートセットのキャベツをそのまま残す客も結構いるようで、「その時のお客さんは本当にキャベツが苦手だったと思いますが、仮に食べたくないからだとしても、丸々残されるよりはよっぽどマシなので、少しでも多くのお肉を食べたい人は覚えておいた方が良いコツといえます」と話した。
◆ご飯を食べる場合は必ず「小」を注文
次に村田さんが話したのはご飯のサイズについて。焼肉と言えば「ご飯と一緒に食べたい」という人も多いだろう。そこで、ご飯を注文する際にも、ちょっとしたコツがあるという。
「ライスは小、中、大、さらには特盛といったパターンで提供されることが多いですが、絶対に小で注文することをおすすめします。それぞれのご飯の量は決まっているのですが、食べ放題の場合、たまにアルバイト店員が悪ふざけで既定の量よりも多く盛ることがあったんです。小や中ではできませんが、大や特盛なら多めに盛られていても不自然ではないですし、多くて文句を言われることもありません。だからご飯を頼むときは必ず小を頼んで、足りなかったらまた追加で頼む方が絶対に良いです。店員側からすると、運ぶ機会が増えて面倒ですが、常に温かいご飯で食べた方が美味しいですからね」
◆高いコースを頼む時は“メニューの見方”に注意
また、食べ放題のお店では、内容が異なる複数のコースが用意されていることもある。少々値が張る贅沢なコースにしたからには、しっかりとその分を堪能したい。そこで、重要となるのが“メニュー表の見方”だという。
「自分が働いていたお店では、スタンダードとプレミアムの2つのコースに分かれていました。プレミアムはスタンダードのメニューにプラスして、ちょっと値段が高いお肉を注文できるといったシステムなんですが、以前、プレミアムを選んだお客さんの注文履歴を見返したら、すべてスタンダードでも頼めるメニューだった、なんてことがありまして……」
プレミアムコースにしたものの、食べたいモノを普通に注文していたら、結果的にスタンダードコースでよかったとなると、ちょっと損した気分になる人もいるだろう。
「私が働いていたお店では、一番最初にコースを注文してもらうときは“コースの違いがわかるメニュー表”で選んでもらいますが、決めた後はタッチパネルで注文が始まります。ただ、タッチパネルのメニュー表には、どれがプレミアム限定のメニューか表示されないんですよ。最初のメニュー表の方には、わかりやすく書かれてあるのですが、それはコース注文完了後に店員が回収しちゃうんです。だから、『ちょっと見たいので一冊だけ残しておいてください』と言って、最初のメニュー表も見ながら注文した方が、高めのお肉を見逃さないのでおすすめです」
◆より多くのお得感を味わいたいアナタに
食べ放題店はお客さんの食べる量が少なければ少ないほど利益が高くなるだけに、「値段以上に食べてやる!」なんて、意気込む人もいるだろう。だが、お店側もしっかりと利益が出る料金設定にしつつ、お客さんがお腹いっぱいになりやすい仕掛けを用意していることも多いだけに、値段以上に食べるのはなかなか難しいもの。
そんななか、少しでもお得感を味わいたい方は、今回のことを覚えておいて損はないだろう。
取材・文/サ行桜井
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◆■食べ放題の裏にある、店側の事情
とはいえ、店側も楽ではないようです。総務省の消費者物価指数(2026年7月分)によると、外食価格は前年同月比1.7%の上昇。肉類は3.9%上がり、なかでも牛肉(輸入品)は11.0%も値上がりしています。仕入れコストが上がるなか、激安価格を維持するのは相当な企業努力といえそうです。
食品ロスの問題もあります。農林水産省の最新の推計では、令和6年度に外食産業から出た食品ロスは年間70万トン。事業系の食品ロス全体では2000年度比で57%削減されていますが、国は2030年度までに60%削減という新たな目標を設定しており、業界には一層の削減が求められています。「食べ残し禁止」のルールが厳しく感じられる背景には、こうした事情もあるようです。
無理に“元を取ろう”とすると、結局は苦しくなるだけ。頭ではわかっていても、目の前で肉が焼ける音を聞くと、つい追加ボタンを押してしまう――そんな“人間の弱さ”も含めて、食べ放題の楽しみなのかもしれません。今回の3つのコツを覚えておけば、次に足を運んだときの後悔が、少しだけ減るかもしれませんね。
<再構成/日刊SPA!編集部>
【サ行桜井】
パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。