
2026年8月18日配信の「文春オンライン」の記事が物議を醸している。『高市首相 被災地「自己アピール動画」に映らない“裏の顔”《被爆者団体会長が「歴代首相で最も冷たい」》』と題された特集記事だ。
熊本地震での「BGMつき動画」や消費減税での財務省幹部の左遷などをめぐり、高市首相の “裏の顔” に迫るというもの。なかでも注目されているのは、
《高市首相は最近、“大手紙対策”に臨んでいたという。8月5日の公邸。首相が秘密裏に迎え入れたのは、読売新聞の老川祥一主筆だった。》
という部分だ。読売新聞の主筆を公邸に呼びつけたという “極秘情報” が暴露されている。はたして、高市早苗首相(65)の狙いはどこにあったのか。
「読売は保守系とみられながら、皇室典範改正や消費減税などをめぐり、高市政権を痛烈に批判してきました。7月の世論調査でも、読売は12ポイントの支持率急落を報じています。
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高市首相は、秋の臨時国会での消費減税法案の成立に向け、国内最大の発行部数を誇る読売を味方につけようと考えたようです」(政治担当記者)
この日の首相動静をみると、高市首相は分刻みのスケジュールをこなしているが、読売主筆と公邸で面会したことは書かれておらず、まさに “極秘面会” だったといえる。
首相がメディア幹部を公邸に呼びつける。それだけでも “圧力” と言えそうだが、実際、Xには
《高市早苗批判の読売新聞を呼びつけて恫喝か。やってはいけないとわかっているから8月5日の首相動静に記述させない高市早苗》
《新聞社への圧力に屈するな!高市早苗首相が読売の主筆を公邸に秘密裏に呼んで「大手紙対策」とは、言論への恫喝そのものだ》
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《マスコミの主筆を官邸に呼びつける意味を高市早苗は理解しているのか。報道の自由を奪う暴挙だ。》
など、報道への介入を危惧する投稿が目立つ。
高市首相の “呼びつけ” の意味を、読売のOBはどう考えるのか。元大阪読売の社会部記者だったジャーナリスト・大谷昭宏氏に聞くと、意外な答えが返ってきた。
「私は “圧力” ではないと思うんです。そんな力が高市さんにあるわけがない。支持率がダダ下がりで、窮地に陥った高市さんのほうから、『ご意見を伺いたい』と “お伺い” をたてたということでしょう。とくに読売は皇室典範改正や消費減税では政権を厳しく批判してきましたからね。
老川さんには1〜2回お会いしましたが、非常に温厚でバランスの取れた方で、そんなに自民党に肩入れしているわけじゃない。高市さんにしてみれば、このままでは読売がさらに政権に厳しい論調になるとの懸念もあったでしょう」(大谷氏。以下同)
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大谷氏は、高市首相がいちばん気にしていたのは靖国参拝問題だったとみる。
「高市さんにとって、5日時点で最大の懸念は靖国参拝問題でした。終戦記念日に靖国に参拝したら、読売の論調はどうなるのかを気にしていたはずです。しかし、老川さんは首相の靖国参拝に強く反対した。それで、参拝をやめ、“遥拝” という形になったんだと思います。
過去の首相も、中曽根さんや、あれほど参拝に固執していた安倍さんも、1回参拝してナベツネ(渡邊恒雄元主筆)さんに『二度と行くな』と怒鳴りあげられてやめた例がある。
その代わり、ナベツネさんは安倍政権を応援した。だから、安倍政権は最長政権になったんです。老川さんはナベツネさんの意向を引き継いでいるし、当然、靖国参拝には反対と言ったはずです。それで、高市さんは参拝をあきらめたんだと思います」
とはいえ、主筆自ら公邸に赴いたのはいただけないという。
「ナベツネさんは、中曽根さんや安倍さんと何回も会っていますが、すべて読売本社に呼びつけているんです。貴賓室みたいな部屋があって、そこで面会するんです。安倍さんなんか10回ぐらい呼ばれているはずです。
ナベツネさんにならえば、首相に呼ばれたからといって、ノコノコ行くのは恥ずかしいことですよ。『そっちから来い』と言うべきでした」
それにしても、いまや “落日” の新聞社に、まだそれほどの影響力があるのだろうか。
「痩せても枯れても、新聞にまだ影響力はあると思います。これから秋の臨時国会ですが、各紙が足並み揃えて消費減税に反対したら、おそらく来年の総裁選まで高市さんはもたないだろうという気はします。
高市さんは、消費減税も含めて、味方をしてくれるよう老川さんに懇願したと思います。しかし、読売が手のひらを返して高市さんを応援することは、これからもないと思いますよ」
読売新聞は “圧力” に屈しないというOBによる宣言だが、高市首相はさらに追い込まれることになりそうだ。
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